今年最初の地元アポロシネマでの鑑賞
話題のハリウッドを舞台にしたこの映画見てきました
上映時間が"超"尺の189分…気が萎えて仕方ない(笑)
この作品は1920年代のハリウッドを舞台にしてる所からスタートするんですね
サイレント映画全盛期の時代
ブラット・ピット扮するスーパースターのジャック、メキシコから移民してハリウッドで一肌あげたい若者マニー、そしてハリウッドで成功したい新人女優のネリー(マーゴット・ロビーがまたいい!)
この3人が中心にドラマは進んで行く
正直189分は長いなー
と思ったらスピーディーなテンポと速いカット割りにビックバンドの音楽に乗せられて一気に3時間持ってかれた!
ハチャメチャなだけでなく時代に流されて行く映画業界人達の悲愁も感じられた思わぬケッ作でした
音楽がめちゃくちゃ良い
今回もジャスティン・ハーヴイッツでビックバンドのジャズナンバーの楽曲で作品を盛り上けてくれます
冒頭のハチャメチャなパーティーのシーンからスクリーンから弾ける映像と音の洪水でこの作品世界に一気に入っていけました
入り乱れる人の間をすり抜けるカメラワークはまさに観客をバビロンの世界に引き込んで行くようですね
スーパースターと映画で成功を目指す男女…
これから昇って行く者達とやがて落ちていく者とのコントラストが交差していくように見せながらも、そう簡単に現実は厳しいと言う部分も見せてくれる
時間を忘れて映画に没頭してしまうようなシーンの数々
ネリーが最初にスタッフの目に止まるダンスのシーンの鮮やかさ、そしてネリーの最初の撮影シーンのスピーディーな編集とカット割りの見事さ!
自在に涙を流せると言う昔の女優さんはこんなん出来たんかもね
サイレントからトーキーに変わり、セリフを同時録音する事により些細な音が入るだけで音声係からストップがかかり、ネリー初めスタッフから監督までイラつく!
全テイク(8テイクやったかな?)をじっくりOK出るまで見せてくれます
スタジオの緊張感が良く出ておりましたな
また時代の変化による昔ながらの映画人の戸惑いも良く出てましたね
垢抜けないマニーも大スターのジャックの付き人になってから
ハリウッドに染まり映画会社の重役に昇りつめるがキッカケはやはりネリー同様に冒頭のパーティーのシーンでのジャックとの出会い
マニーにしろネリーにしろ、あんなパーティーでの席に出る事は成功のキッカケになるのが良くわかる
怒涛のようなコースターのような前半から後半はジャックをはじめネリー、マニーともに映画界の影の方に追われていく展開に変わる
特に大スターのジャックの映画が当たらなくなり、観客に笑われてる現場を目のたりにして意気消沈のジャックにジャーナリストのエリノアがあんたの時代が終わったと告げられる
ここらのブラットピットの芝居が味があって良いんですね
前半のイケイケドンなキャラから一転した落日のスター感をブラピの演技力で見せてくれる
当時は舞台俳優より映画の役者は下に見られていたようで、ジャックの3番目の妻がブロードウェイの有名女優て事で何かとジャックに上からの態度なんですが、ブチ切れたジャックが高貴な客が相手の演劇にたいして、大衆を相手にする映画の素晴らしさを妻にぶち撒けるシーンがちょっと映画ファンとしても爽快!(私は演劇も好きですよ(笑))
そしてラストシーンがまた映画愛に溢れた場面になっていて、ド派手な前半から最後はこう言う着地をするのか…と個人的に想定外な展開でした
モノクロの無声映画から最新技術のアバターまで大衆を魅了しながら100年以上も娯楽と言う歴史を築き上げて、更にこれからも繁栄していくような、そんな映画がますます好きになれそうな作品でした
★★★★★ 2023.2.10(金) アポロシネマ スクリーン2 20:00 F-14