ちょっと気になってたキャスパーノエ監督作
ダンスの稽古の後の打ち上げパーティーのサングリアの中にLSDが混入され知らずに飲んだダンサー達は次第に精神に異常を来たす
ある者は天国にトリップし、大多数は地獄に叩き落とされる
いきなりラストシーンとおぼしき場面からエンドロール始まるこの作品
22人のダンサーの面接映像から
冒頭のダンスシーンが圧巻です
Cerrone「Supernature」に乗ってキレキレのダンスが入り乱れるように踊る
これは必見です
それも長回しによる俯瞰からの映像です
ダンスシーンの後はそのまま打ち上げパーティーに突入するんだが、ここからまた長回しによるカメラワークが22人のダンサー達の様々な会話や痴話喧嘩のようなものを見せてくれます
黒人ダンサー2人の下ネタはちょっとしつこかったが、今思えばそれすらキャスパーノエ監督の嫌がらせ?(笑)
そんな観客までもパーティーに参加させるような手持ちのカメラワークが気持ち悪いんですが、サングリアに何か混入されてるのが発覚してからはダンス場はまさに修羅場と化し、ここからキャストや使用される曲のミュージシャンの名前がでます
そうここからこの映画の本番なんですね
サングリア飲んでない者は混入させたー犯人扱いされボコられる
しかも妊婦!
「アレックス」のようなイヤーな映画の予感をさせつつ発狂する者、気持ちよく踊ってたり、レズプレイに走る女ダンサー、ラリパッパ達から連れてきた子供を守るため電気室にあえて監禁する母親
子供は泣き叫ぶんだが、これがまた尋常でない泣きっぷり…しかもこれまた悲惨な事態になってしまう
ドラックの怖さをこれでもかと見せてくれます
しかし薬中目線の幻覚のような描写はなく、薬物でトランス状態になってる者達をカメラは追いかけて見せてくれます
しかも後半に進むにつれカメラワークが不規則になり、ついには天地逆さまになりセリフの日本語字幕スーパーまでも逆さまで画面上にでる悪ノリぶり
ここまで徹底すると圧巻です
この映画のもう一つ魅力はDJが流す90年代のハウスサウンド!
映画の元ネタが96年の実在の事件がモデルらしいので使用されるのは80〜90年代のM/A/R/R/SやAphex Twin、Giorgio Moroder、Daft Punk、LIL LOUIS…12インチレコード集めしてた頃が懐かしい
しかも全編爆音で流れつづけると言うこれはクラブ映画でもあります
音楽はDaft Punkの1人が担当してるだけに構成はまさにDJプレイのようです
しかし相変わらず人を選ぶ映画です
ダメな人はきっとダメでしょうね
★★★★ 2019 11.22(金) シネリーブル梅田 劇場2 20:20 E-13