MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

キングの名画座 第5回(特別編) 「特捜刑事 マイアミ・バイス」

2021-05-16 12:53:00 | オールタイムベスト





何と14年ぶりにこのカテゴリーの記事書きます
自らのオールタイムベストの作品を思いれ一杯に書く自己満足の長文カテゴリー
しかし今回の第5回は映画でなく海外のTVドラマでして、なので特別編と付けさせて頂きました
活字に疲れた昨今にしては頑張ったつもりの19000字弱…(笑)
興味ない方はスルーを

先日記事にも書きましたが俳優の隆大介さんが亡くなられました
私は俳優としてよりこの「特捜刑事マイアミバイス」の主人公のドン・ジョンソンの吹き替えの印象が強いんですね
そんな隆大介さんへの追悼も込めて…

「マイアミバイス」は私が80年代に好んで見てた海外TVドラマです
そもそも日本で放送される前はCICビクタービデオからビデオリリースされてまして、町のレンタルビデオ屋さんにも並んでおりました
第一話に入る前のパイロット版だったんですが、私が通ってた寺田町のレンタルビデオボンドにもありまして、そこでレンタルしたのが最初でした
当時ボンドのバイトの兄ちゃんと親しくなってまして、この兄ちゃんがなかなかの映画通と言うレンタルビデオ店員の鑑のような方で(笑)特にホラー映画に精通していて、デッドゾーンやクリープショーなどまだ日本で公開される前からこの映画達の存在を教えられてたもんです
マイアミバイスもこの兄ちゃんの強いオススメで借りたのでございます

↑リリース当時のビデオパッケージ


どうせTVシリーズやろから…と言う冷めた感じで余り期待せず見たら、なかなかどうしてテンポ良くドラマが展開して行き、いつしか主人公2人のキャラに魅せられた訳であります
ドン・ジョンソンめちゃカッコええやん!
「へーおもろいやん!音楽もカッコよくかかるし!」
到底刑事に見えないファッションも斬新
ピンクなどのパステルカラーのシャツに真っ白なジャケットやベルサーチやアルマーニなどの高級ブランドのスーツ…それらを着こなす2人がフェラーリをかっ飛ばし、随所で見せるガンアクションは構えや撃ち方もリアリティに表現される本格派ドラマ
そしてMTV COPとか言われるだけにバックに流れる音楽がヒットチャートを賑わすナンバーだったり、有名な名曲や最新アーティストの曲などがバンバン流れる!
映画と音楽が好きなものに取っては一粒で二度美味しいドラマでありました

麻薬王に殺された刑事の兄の仇を打つべく単身マイアミに乗り込んできたニューヨークの刑事のリカルド・タブスとマイアミの麻薬特捜班の刑事ソニー・クロケットが麻薬王の組織をを追い詰める物語がパイロット版の実質の第一話で、以後は麻薬組織とコンタクト取るのに潜入捜査官として名前を変えて毎回潜入捜査をして犯人達を追い詰めていく展開になります
またこのパイロット版ではシンディ・ローパー、フィル・コリンズ、ライオネル・リッチーなどの曲が随所に使われて 、特にクライマックスに麻薬王逮捕に向かうべく夜のマイアミの町を疾走するフェラーリに被さるように流れるフィル・コリンズ「♪夜の囁き」は音楽とスタイリッシュな映像が見事に合わさった名場面となっています
音楽はヤン・ハマー
このドラマで一気に時の人になりました
この作品のサントラアルバムは全米1位になったほどです
色んなアーティストの音楽を映画のように絶妙に挿入されますが、ヤン・ハマー作曲による劇中のスコアもいいんですよね
特に「クロケットのテーマ」は哀愁帯びたメロディが印象的な名曲です






以後TVシリーズとして正式にマイアミの刑事になったタブスとソニーの活躍が描かれて行きます
またビデオでは第二弾として「マイアミバイス2 ニューヨークコネクション」と言うタイトルで90分程のパイロット版が登場
こちらはいわゆるシーズン2の始まりです
コロンビアの麻薬犯を追ってソニーとタブスがニューヨークに飛ぶ
非協力な現地警察、謎の女の存在等ポリスアクションによくある設定の中マイアミのシャレたファッションの刑事がニューヨークの街に溶け込みます
何と言ってもドンジョンソンがニューヨークの夜の街を1人で歩くシーンに被るグレン・フライの名曲「ユービロング・トゥ・ザ・シティ」が最高です!
まさにMTVのPV見てるかのようで、シリーズ中私の1番好きなシーンです
他にもヒューイルイス&ザ・ニュース、フィル・コリンズの楽曲も印象的です
前作以上にアクションも多く、またスローモーションを効果的に使い映像的にも凝ってます
監督はあの海外ドラマ「刑事スタスキー&ハッチ」のスタスキー刑事でお馴染みのポール・マイケル・グレイザーです

その後「マイアミバイス3 カルデロンの復讐」と言うタイトルでシーズン1で前編と後編で分けて放送されたのを一つにまとめたのがリリースされました
こちらはパイロット版でタブスの兄をニューヨークで殺した麻薬王カルデロンと最後の対決が描かれ、ラストに流れるティナターナーの「ホワッツ・ラヴ・ゴット・トゥ・ドゥ・ウィズ・イット」
は印象的な使われた方でこれまた映像とマッチしてめちゃくちゃカッコいいエンディングになっています

因みに続いて「マイアミバイス4」「マイアミバイス5」とビデオが続けてリリースされましたが、こちらはテレビシリーズのエピソードをいくつか抜粋して収録されたものになってます

そして1986年の春からテレビ東京系列で待望のテレビシリーズの放送がスタート!
「特捜刑事 マイアミ・バイス」のタイトルで
関西ではテレビ大阪で火曜の夜9時からの放送で毎週見てましたね
毎回贅沢に色んな曲がかかり、またフィルコリンズやグレンフライ、ウィリーネルソンそして若きリーアムニーソン、ブルースウィルス、ジュリアロバーツ、ローレンスフィッシュバーン、メラニーグリフィスなどなど今となっては多彩で豪華なゲスト陣が華を添えて降りました
主人公のソニー刑事扮するドン・ジョンソンの声は先日亡くられた隆大介さん、相棒のタブス刑事扮するフィリップ・マイケル・トーマスの声は尾藤イサオさんが当ててましたが、タブス=尾藤さんはイメージピッタリでしたが、ソニー=隆大介さんはちょっと違う感が…てか隆大介は余り吹き替えが上手では無さそうと言うのが第一印象でした
しかしシリーズが進むに連れ、それも馴染んで来まして段々とドンジョンソンと隆大介さんが一致するようになり、今ではドンジョンソンは…少なくともソニー刑事は隆大介さんでないと思っています
またバイスの他の刑事達も個性的な面々ですが、特にエドワード・J・オルモス(声=青野武)扮する上司のキャステロ警部のひたすら堅物な人物像は型破りな主人公達と対比的な存在感でまた違った意味で印象的なキャラ



↑マイアミバイスの刑事の面々
前例中央がエドワードJオルモス扮するキャステロ警部

ドラマはエピソード的にはつまらないのもありましたが(笑)
単に1話完結ながら人間模様などのサイドストーリーがあり、また単に悪をやっつけてめでたしと言うお決まりパターンだけでなく、結局犯人を逮捕出来ず終わったり、せっかく逮捕したのに釈放されたり、または守ってきた証人を最後の最後に殺されてしまったりとアンハッピーエンディングが随所にあり、意外とアクションドラマと言うより刑事ドラマと言う意外に地味な側面を感じます
日本ではシーズン4に入るくらいで低視聴率のため打切りになりました
因みに後にcsで全話放送が実現したようですが…

TVシリーズ放送時に次回予告編の時に隆大介さんと尾藤イサオさんによる掛け合いがあるんですが、予告編の映像に関係の無い会話をソニーとタブスが話ししてるようで毎回楽しみでした
DVD版には収録されてないのが残念
因みにVHSビデオテープでTV大阪放映時に録画したのを数エピソード持ってまして、そこには入っていて貴重なコレクションとし保管しています


↑コリン・ファレルのソニーとジェイミー・フォックスのタブスの劇場版「マイアミバイス」

やがて放送から20年経ち、劇場版としてリメイクされたのはびっくりしましたね
監督はマイケル・マン!
マイアミバイスのTVシリーズで製作をしていた彼が監督と知り、少なくとも変なのにはならないだろうと思いました
主演はソニー役がドンジョンソンが推したと言うコリンファレル、タブスがジェイミーフォックスとまずまずのキャスティングだと思いました
ただソニーはちょっとワイルドな雰囲気で若干違うかな〜(笑)
ただ良かったのは冒頭にユニバーサルの地球のマークがいつものように出て来ますが、無音で出てきまして、そして画面が本編にパッと切り替わる同時に音楽流れるクラブのシーンに入ります(流れる曲がジェイ・ZとリンキンパークのNumb」!)
この入り方の間合いがマイアミバイスなんですね
TVシリーズの冒頭の始まりを再現してくれたようで、音がドンと入る効果出す為にユニバーサルのロゴのとこは無音にした?と勝手に解釈しております
映画としては面白かったけど、80年代の煌びやかな雰囲気は当然なくて、現代のマイアミバイスでしたね
どちらかと言うとちょっと暗い雰囲気だったような印象です
やはり衣装をシーンの背景に合わせたりするパステルカラーを中心にした色彩にもこだわりを見せてたオリジナル版の雰囲気が私はマイアミバイスだと思います



↑映画版のキャスト


↑オリジナルのTV版キャスト

日本では大ブレイクまでは行かなかったけど、海外ドラマ史に残る作品だとは思います
今でも時々見たくなりますね
長い長文失礼しました
最後はキャステロ警部の声を当てる青野武さんによる日本独自の冒頭のOPのナレーションで締めたいと思います
バックに流れるのはもちろんマイアミの風景と共にヤン・ハマーのThe Original Miami Vice Theme


マイアミ…青い海、輝く太陽…ここは、フロリダ半島最大の都市
キューバを、カリブを、そして南米を臨むアメリカ合衆国の南の玄関口
豪華なヨット、高級レストラン
ここはアメリカの、いや世界最高の楽園
しかし、この美しい街にももう一つの顔がある
麻薬、武器、売春などの犯罪がうごめく
その凶悪な暴力犯罪組織に潜入し、敢然と立ち向かう命知らずの特捜刑事たち
その名はマイアミバイス!






キングの名画座 第4回 「悪魔のいけにえ」

2007-08-05 01:20:31 | オールタイムベスト
監督 トビー・フーパー
出演 マリリン・バーンズ
    アレン・ダンズィガー
    ガンナー・ハンセン



80年代はレンタルレコードに変わってレンタルビデオが流行りだし自宅でいろんな映画を見れるようになりました。
劇場公開された話題作や名作は勿論の事、未公開の作品なども日の目を見る事になりました。
そんな中訪れたホラー映画ブームですが、火付け役はサムライミ監督の「死霊のはらわた」のヒットですが、それがキッカケでレンタルビデオで未公開ホラー映画がレンタル店の棚を埋めつくし70年代の恐怖映画ブーム以来のホラー映画(特にスプラッター(血しぶき))ブームが起こりました。

そんな中でスプラッター映画の原点と言う触れこみでリリースされたのが74年に公開された「悪魔のいけにえ」でした。
公開当時は「エクソシスト」を始めとする恐怖映画が苦手な小学生だった私は当然見に行くこともなかったんですが 「ゾンビ」や「サスペリア」以降徐々にホラー映画の洗礼を受けだし 80年代のホラーブームの頃にはホラー映画の虜になっていた私はレンタル店に置かれていた「悪魔のいけにえ」に手が行ったのも時間の問題でしたね。

公開時の予告などで見た記憶としては妙なマスクをかぶった大男や生きたままお姉さんがフックに吊されたり、箱から突然お姉さんが飛び出てきたりの映像が印象が強く、肝心の(?)チェーンソーがあまり覚えていなかったんですよね。
その頃はホラー映画はやはり血しぶきが出て残酷な場面があってなんぼ・・・と言う思いが強く あまりスプラッター描写のない映画は物足りなく感じていた私にとってこの作品は大いに期待を抱かせるものでした。

当時住んでいたクーラーのない暑苦しいアパートで見た「悪魔のいけにえ」は見終わった後に意外な印象を持ちました。
何と・・・血が出ない・・・スプラッターブームの中ビデオで見たこの映画は「テキサス電気ノコギリ大虐殺」と言う原題の作品なのに・・・

切り刻む場面はおろか血がほとんど出ないのが意外だった。スプラッター描写を期待して当時ホラーを見てた私は時々そんな題名倒しの凡作を見て拍子抜けしたもんでしたが、この「悪魔のいけにえ」は違いました。
血が出たり、内臓が飛び出るわけでないが[凄かった!]とにかくいろんな面で凄かった!
公開当時劇場に行かなかったのが悔やまれたもんでした。
まぁ 当時恐いのに興味が秘かにありながらも怖がりだった私はビビってたでしょうけどね・・・
視覚的に残酷な場面などで恐怖を見せるのでなく、その粗らい画面と荒らしい演出で見る者を異様な世界へとトビー・フーパー監督は引きずりこんでくれます。

冒頭の場面からしてこの映画は異様な雰囲気を感じさてくれます。
淡々とした口調のナレーションから始まるんですが、このナレーションが印象的でしたな~「テキサスチェ~ンソ~マサカ~」(テキサス電動ノコギリ大虐殺~)ていう男のナレーションの声が何故か気に入りましたよ。

そして冒頭からフラッシュが光るたびに浮かび上がる人骨のクローズアップ、カメラが引いていくと太陽を煌々と浴びてミイラが重なりあって鎮座してる場面や焼けるほど暑そうな路面、キィ~と鳴る耳障りな音・・・とにかく不愉快なまでのカットと音声で、これから始まる異様なドラマを暗示してるかのようで秀逸です。

5人の若者たちがドライブ中に乗せたヒッチハイカーが突然手首をナイフで切る場面から、単なる恐怖映画にない異常性を感じるし、粗い画面が余計に雰囲気を出してくれます。
そして一番衝撃的なのがレザーフェースの初登場シーン!
唐突に現れて男をハンマーで一撃!倒れた男が血を頭から噴出しながらガタガタと体を痙攣させている。
その男を部屋の奥に引きずり込み、重そうなスライド式の鉄の扉をガシャン!と閉める・・・カメラは暫しその閉まった鉄の扉をジッと捉えて動かない・・・と言うより動けないという感じ?
このタメがたまりません・・・この少しの間が凄い余韻と恐怖になってると思いますね。
「今のは何???」と呆気に取られる観客の心境をあの僅かな間で表現されてると思います。
このレザーフェースを演じたガンナーハンセンはこの作品のせいで知る人ぞ知る、実にカルトな役者さんになってしまった。

廃家の中の不気味な装飾品の数々・・・人骨で工芸品を作っていた実在の殺人鬼エド・ゲインをモデルにしてるだけあってこの辺の異常性は実際の事件をモデルにしてますね。
さほどたいしたスプラッター描写は無いにしろ、生きたまま肉を吊るす太いフックに背中を引っ掛けられたり、ナイフで指を少し切り血を滲ませてじい様にチュウチュウ吸わせたりと痛みを感じさす描写が多いのも直接血しぶきを上がるのを見せるより、何か陰湿な感じで嫌やね・・・そこがまた良いんですがね~

後半は生きのこったマリリン・バーンズ扮するサリーと殺人鬼一家との絡みが見所になりますが、捕らえられて椅子に縛られるサリーに降りかかる未曾有の恐怖!
ここらがこの作品の最高潮のテンションで、もう異常なまでの恐怖に怯えるサリーの悲鳴がどんな優秀な作曲家のサウンドトラックさえも掻き消されるような凄い音響効果になってます。
しかも悲鳴を上げ、恐怖に歪むサリーの顔がクローズアップで迫るカメラ・・・更に迫るカメラ・・・ついに顔どころか彼女の眼にまでアップで迫るカメラ!
そしてついに眼球が大写しになり白目の充血までがハッキリ浮かび上がり不安そうに眼球が左右に忙しく動く・・・この異常なまでのカメラワークと演出は「トビ-・フーパーと言う人はきっとおかしいか、天才やね~」とこの場面だけで思ってしまいましたね。

この後は有名な森の中の追いかけっこが始まるんですが、チェーンソーを振り回して追いかけてくるレザーフェースと逃げるサリーとの微妙な差と言うか距離感が絶妙ですね。
追いつきそうで追いつかないギリギリのこの距離感が見事なスリルとサスペンスをもたらしてくれます。
また巨漢のレザーフェースと逃げるサリーとの体付きの差がまた距離感と相まって、{迫って来る}という感じがよく出ています。
「どうせ逃げきるんだろうよ・・・」と想像付いてもハラハラする名シーンであります。

朝日をバックにチェーンソーを振り回しながら道路で荒れ狂うレザーフェースのカットで唐突にパッと終るけど、まさに解決していない恐怖感(やつらはまだそこに居る)を残して映画は終わります。
こういうエンディングはホラー映画にはよくありますが、この映画の時は多分エンドロールが流れるのを見て当時の観客はどっと疲労感が襲ってきたんではないでしょうかな?
それほど観客に対してハイテンションで向かって行った映画だと思います。

この作品はドラマティックなシーンも甘いロマンスなんかも当然ありません。
若者たちが謎の殺人一家に惨殺されていくのをカメラが追いかけていく・・・それだけの作品ですが、だからこそこの作品の異常性がいつまでも名作として残ってるんだと思います。

私はビデオでの初鑑賞だったけど、圧倒されましたね。
劇場で見ておけば良かった・・・と思いましたよ。
たしか結構大きな劇場でやってたと思いますが(松竹座だったかな?)大画面で見る「悪魔のいけにえ」は格別だったやろな~

後にリバイバルでこの作品が公開されましたね。
いい大人になっていたた私は「悪魔のいけにえ」を劇場で見るという夢?を叶える時が来ましたが、当時は大阪のミナミのアメリカ村にあるビッグステップ内の今は亡きパラダイスシネマと言うミニシアターでの公開だったこともありスクリーンは小さかったけど、劇場でこの作品も見れてまずは満足でしたね。
新デザインのパンフはなんかダサくてダメだったけど一応買ったなぁ~
この映画の後は似たような設定の作品が作られた事を取っても後のホラー映画に多大な影響を与えたと言って良いでしょうね。

トビーフーパーは以後やや「悪魔のいけにえ」テイストな「悪魔の沼」や「ファンハウス/惨劇の館」スピルバーグと組んだ「ポルタ-ガイスト」等経て「悪魔のいけにえ」から10年以上たった後に続編「悪魔のいけにえ2」を製作する。

スプラッタームービー全盛の80年代終盤に誕生したこの続編は特殊メイクにお馴染のトム・サビーニを起用し、前作ではハッキリ見せなかったチェーンソーによる大虐殺シーンを見せてくれます。
冒頭で車ごとチェーンソーでぶった切られ、運転してた若者の頭が切断され横にズルッとずれる場面はトム・サビーニの真骨頂ですね。
また前作よらかなり派手な作風で、復讐を誓う保安官デニス・ホッパーが小型のチェーンソーを二つ腰にぶら下げて殺人一家のアジトに殴り込みをかけ大立ち回りするような場面はもう前作とはかけ離れた別モノと考えて良いでしょうね。
前作ではレザーフェースがチェーンソーを振り乱してるとこで終わったが 今回のラストもヒロインがチェーンソーを振り乱してるカットで終わると言う確信犯(?)的なセルフパロディになってる作品と見ていいでしょう。
レザーフェースの人面マスクも今回はトムサビーニが腕によりをかけて作ったものより 前作のマスクが安っぽい分不気味で良かったなぁ~

これ以降「悪魔のいけにえ3/レザーフェースの逆襲」「レジェント・オブ・レザーフェース」と続編は作られたがどれもB級ホラーとしてはまずまず楽しめたが、あの伝説の映画の続編としては?が付きますな。
やはり「悪魔のいけにえ」はシリーズモノであってはいけないね。

それから更に時代は21世紀になり「悪魔のいけにえ」が復活することになりました。
「テキサスチェーンソー」のタイトルで公開されたこのリメイクはオリジナルのような粗削りな映画というよりは、よく出来たホラー映画って感じでこれはこれで結構いいリメイクだったと思います。
更にその続編「テキサスチェーンソー・ビギニング」までも登場し、今回は何とレザーフェースの知られざる過去を描かれている興味深い内容で、これも結構良かったんだけど、ただ何者かわからないミステリアスに怖さと神秘性があったレザーフェースの過去なんて知りたくなかったし、そんなん映画にしてほしくなかったなぁ~

この映画の劇場公開時のポスターのレイアウトが気にいっていて、ある時に同じデザインのチラシを大阪の日本橋で売ってるのを見つけたけど¥1500-だった・・・
ついつい迷ったあげく買わなかったけど、後で「やはり貴重やから金の問題じゃな!」と翌日見にいったら・・・無い!
色んなチラシが並んでるショーケースに他の作品と並んで飾られていてんだが、何とそこに「悪魔のいけにえ」のチラシあった部分だけ歯抜けになってる・・・つい今までそこに置いてあったかのような状況で、いかにもタッチの差で売れた感じ・・・これは悔しかったなぁ~

今回発売されたDVDBOXには縮小版だけどそのチラシとパンフが封入されていたので良しとしょう・・・(画像がタッチの差で売れたチラシのデザイン)でも現物が欲しいなぁ~好きな映画であればあるほど・・・




(1974年 アメリカ映画 84分 ビスタサイズ)

キングの名画座 第3回 「ロッキー」

2007-04-11 23:45:36 | オールタイムベスト
監督 ジョン・G・アビルドセン
出演 シルベスター・スタローン
    タリア・シャイア
    カール・ウェザース



キングの名画座第3回はこれまた私が子供の頃見た作品。

シルベスター・スタローンと言う無名の俳優を一躍スターダムにのし上げた作品の続編が今春公開されます。
「ロッキー・ザ・ファイナル」というこの作品は還暦迎えたボクサーが無謀にもリングに上がり試合をしてしまう映画だそうですが、う~んこれは無理のある映画でしょう・・・ダメやろな~
と、思ったら前評判を聞くと意外と面白いらしい!
ホンマかいな?まだこれを書いてる現時点では公開されてないので真意はわかりませんが、いずれにしてもあの名作「ロッキー」を汚すような作品でないことを祈りたいもんです。

「ロッキー」という映画は良いらしい・・・そんな話はよく聞いてたけど、劇場に見に行こうとまでは当時は思わなかったけど、あのテーマ曲はやたら耳についてましたね。
兄が見てきて感動したような事を言ってたが、最後負けるんかいな~とオチまでも聞いて余計に見る気を無くしてしまった。
「負けるのに何で感動すんねんな~ 勝たな映画にならんがな」と当時何かとマイナス志向の若きキングは思ってました。

それから数年後に公開されたのが「ロッキー2」。
映画は見てないけどすでにあの「ロッキーのテーマ」のサントラのEP版を購入し、日々聞いていたものとしては是非見たいと思ってました(1作目はあれほど見る気無かったのにね)

今はもう跡形も無くなった「アベノ地下劇場」と言う元々は洋画のポルノ映画を専門で公開してた劇場へ鑑賞しに行きました。
お馴染みのロッキーのファンファーレとともに「ROCKY ?」タイトルが右側からスクロールされて行き、そして始まったのが1作目のクライマックス14ラウンドの場面。
アポロの強烈なパンチを食らいダウンしたロッキーが必死に立ち上がろうともがくシーンで鳥肌が立ちました。
前作見てないのに、しかも「ロッキー2」は今始まって1分も経ってないのに行き成りこのシーンに感動してしまった・・・前作公開時は「負けるのに何で感動すんねんな~」と言ってたけど、この冒頭のシーンで中学生になってたキングは、何故「ロッキー」という映画にみんな感動したのか・・・というのが判るような気がした。

ロッキー2に感動した後に思った事が前作を見て見たいと言う事でした。
でも当時はビデオソフト何てないしレンタルビデオもありません。
テレビ放映などは数年しなければ放映されなかった時代。
旧作を見るには二番館と言われる名画座で公開されるのを待つしかなかった。
しかし嬉しいことにロッキー2の大ヒットで「ロッキー2」と前作「ロッキー」を一気に2本立てで上映するという映画会社が企画した「 ロッキー大会」で1作目の「ロッキー」を見る機会を得ることになりました。

初めて見る1作目の「ロッキー」・・・やはりロッキーのファンファーレと共にROCKYのタイトルがスクロールされてくる・・・
画面全体から伝わってくる冷たい雰囲気がいかにも寂しげで「ロッキー2」と明らかに印象が異なります。
場末の会場で試合をするロッキー・・・そこには華やかなスポットライトなんかは当らない、勝者も敗者もそして観客さえもどこか寂し気で、これから始まる“負け犬” たちのドラマを感じさせます。
ヤクザの手先をしながら生計を立てるロッキー、そんな彼が密かに想いをよせるエイドリアン、そしてその兄のポーリー、トレーナーのミッキー・・・出てくる人物はどこか寂しい気でそして人生に置いてどこか負け犬的な雰囲気があり、それがどこか冷たい色調の寒い画面の雰囲気を出してるように思います。

ペットショップで働きどこか自分にも自信を持てなさそうなまま気がつけば歳を重ねてしまったエイドリアン。
映画の後半で注目を浴びたロッキーと彼と付き合う事でどこか輝き出した妹エイドリアンに嫉妬してしまい暴れだすポーリー。
寂れたジムでトレーナーをしているミッキー・・・
皆、今の現状にもがき、そして抜け出したいと願っている登場人物たちに観客はそれぞれの自分や人生に照らし合わせて見てるかも知れないですね。
後半、試合に向けて必死になるロッキーがまさに彼らの代弁者の如く存在なのかも知れません。

単にスポ根ものではないドラマ性を感じさせるのも、この映画を名作にしてる要因ではないかと思います。
印象的なシーンが色々あるんですが、街で不良たちとツルんでいたアバズレの少女を説教しながら家まで送り届けるシーンで、一生懸命少女の為に真っ当に生きるように説教し、その少女も神妙にロッキーの話を聞いてるんだが、彼女を家まで送り届けて帰えっていくロッキーの後ろから送って貰った少女が「くたばりやがれ!ロッキー!」と罵声を浴びせられる・・・その時のロッキーに実に寂しそうな表情を浮かべる・・・この映画の中でも印象的なシーンでした。

そしてこの映画での見せ場の一つがトレーニングのシーンですね。
ビル・コンティの名スコア「ロッキーのテーマ」に乗って街中を走るロッキー、片手で腕立て伏せするロッキー!最高に力の入る場面ですね。
それまでのヤクザな人生の落伍者のようなロッキーの物語が語られた後だけに見てるものは皆ここでロッキーを応援してしまうんでしょうね。

またロッキーが世界タイトルの挑戦が決まり、それまでロッキーからロッカーを取り上げロッキーを突き放していたトレーナーのミッキーがマネージャーを志願してくる場面も寂しい2人の男の友情を感じさせますね。
最初は落ちこぼれのロッキーを一旦は見放したのに世界戦が決まれば手のひらを返すようにマネージャーを志願してくるミッキーを罵倒し、家から追い出すロッキー。
寂しくトボトボ引き上げるミッキーの姿の寂しいそうな姿(バージェス・メレディスが実に名演ですね)・・・ロッキーの家を出て人気の無い道を肩を落として帰るミッキーだが、すぐロッキーの家の扉が開きロッキーが飛び出してくる。
ミッキーの後を追いかけて行き何やら話しをした後、握手をして別れるロッキーとミッキー・・・このシーンを引いたカメラで、固定されたフレームの中で描かれるのが実に2人の慎ましい友情を遠い視点で描くことで表現してるように感じますね。
実にいい場面だと思います。

試合前夜にプレッシャーに襲われるロッキーが「最終ラウンドのゴングがなってまだリングに立っている事が出来たなら、初めて証明出来る・・・ただのヤクザな男じゃない事を」と言うセリフがこの映画はボクシングの映画だけど、試合の勝ち負けではない重要な意味を教えてくれているように思います。
試合にはチャンピンのアポロに負けるけど、それまで人生に負け続けてたロッキーが初めて手にする人生の勝利り!その象徴が恋人エイドリアンの存在であり、彼に取って世界タイトル以上に大事なものを得た最高の勝利を胸に抱く見事な幕切れでこの映画は終わります。

そして「ロッキー2」へと話はつながるんですが、私は「ロッキー2」を先に見てるので、どちらが良かったかと言われるとどうしても最初に見た「ロッキー2」の方が印象としては強いんですが、「ロッキー」を先に見てたらやはり「ロッキー」が良いと言ってるんでしょうね~

このシリーズは5作(新作入れて6作ですね)製作されたけど、論外の「ロッキー5」は別として、「ロッキー3」「ロッキー4 炎の友情」はどれも面白いと思います。
でも印象としては「ロッキー2」以後の作品はサイドストーリー的な感じで、あくまでもドラマとして「ロッキー」「ロッキー2」で完結してるように感じるんですがね。
個人的にはこの2作で一本の作品として捉えています。

前作の冷たい雰囲気の画面と比べるとロッキー2は明るく感じます。
エイドリアンとの結婚 手にしたファイトマネーで家を購入し車を乗り回す。
やがてエイドリアンが妊娠し、まさに幸せな絶頂。
しかしボクサーを諦めたロッキーだが学力のなさから仕事が見つからない・・・見た目は派手な生活の中にも仕事に就けず苦悩する姿が描かれて行き、前半は生活感のある描写が続きます。

やかてチャンピオンのアポロから執拗な挑発を受け、やはりファイターの道に戻っていくロッキー。
そして復帰に反対のエイドリアンは心労のため倒れ早産してしまい昏睡状態に陥る。
ここまでの流れの人間ドラマは良く出来てると思います。
そして長い昏睡状態のエイドリアンを寝ずに看病するロッキーの深い愛情。
そして昏睡から覚めたエイドリアンにロッキーは「もう君が反対するならボクシングを諦める」と言った時エイドリアンは一言だけ「WIN!」(勝って!)と言う場面はこの作品の大きなハイライトであり、物語が一気にクライマックスに動き出す分岐点でもあります。ビルコンティの勇壮な曲とともに優しい笑顔でエイドリアンを見つめるロッキー・・・次のカットで片手で腕立て伏せするロッキーが朝焼けのシルエットで写し出される。鳥肌モノの編集ですね。

一作目はロッキー個人の戦いだったが今回はロッキーは自分だけでなく家族の為に戦うと言う意味合いに変化してく。
ボクシングを通してロッキーと言う人間の成長と成功のドラマとしてこの2作品は見れますね。

その後ロッキーはアポロとのリターンマッチに勝利ししがないヤクザな4回戦ボーイが見事に世界王者になり まさにアメリカンドリームを成し遂げる。
個人的にはここで終わっても良かったと思うが シリーズは後3作品続きます。(新作を入れたら6作)
しかし「ロッキー3」は後のロッキーがチャンピオンになりハングリー精神を失い大きな壁に打ち当たり苦悩する物語で、追う側から追われる側になり失ったスピリットを取り戻せるか?と言ったテーマで、順番から行けばごく自然の流れの物語だが、前2作よりはタッチが違うし、更に「ロッキー4」に至っては見方によればサイドストーリー的な物語で、しかも「フラッシュダンス」や「トップガン」のようにやたらとロック&ポップスの最新ナンバーがかかりまくる当時で言うところのMTV感覚の作品で第一作「ロッキー」の雰囲気と比べたらまったく違うシリーズのようでした。
両方とも映画としては面白いと思いますが、ドラマチックと言う点では1&2とは比べもんにはならないですね。
「ロッキー5」至っては・・・何で作ったのか今でも疑問だし、作品としてもガタ落ちですね。
やはりロッキーと言う人間のドラマは「1&2」で一応は完結してるなと思ってます。

そしていよいよ公開される「ロッキー・ザ・ファイナル」!作るべきでなかった駄作で終わるか、またはロッキーと言う映画の歴史を締め括るにふさわしい作品なのか?いずれにしても楽しみですね。
ま、原題が「ROCKY BALBOA」と言うロッキーの名前がタイトルになってます。
過去の作品見たいに数字の入らないタイトルなので、人間ロッキーを今一度掘り起こした人間ドラマ「ロッキー」を期待したいですな。



(1976年 アメリカ映画 119分 ビスタサイズ)

キングの名画座 第2回 「ジョーズ」

2007-03-05 01:14:06 | オールタイムベスト
監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 ロイ・シャイダー
    リチャード・ドレイファス
    ロバート・ショー



キングの名画座第2弾は2回目にして私の生涯No.1の作品・・・

この映画が何故No.1なのかは別の掲示板やホムペなどで過去に何度か書いた事があるので、もしかしたら過去に読んで頂いた方々も居るかと思いますが、今回はブログと言うこともあり自身の思い出の記録として記憶に残ってる分だけ細部に渡って書きたいと思います(長尺ゴメン!)

私が色々と映画を見るキッカケとなったのは前にも書いた事ありますが 私の兄や姉が大の映画好きだった事とブルース・リーにハマった事が原因ですが、ホント身を持って映画の面白さや素晴らしさを体感したのがこの「ジョーズ」ですね。
1970年代中頃 私は小学校の高学年にそろそろ差しかかろうとした頃でしたが 日本ではパニック映画のブームが訪れていました

ロードショー誌で見た「ジョーズ」の特集記事で人食い鮫と人間の戦いの物語が 子供心に刺激的で(「白鯨」何て映画はまだ知らなかったし)公開前から冒頭で少女が食いちぎられるとか、少年が襲われるなどの記事を読むたびに[恐い物見たさ]からくる興味からジョーズの公開を心待ちするようになり ロードショーの別冊でジョーズの特集号が出れば即購入し、毎月に一回ある近所の夜店で鮫のゴムの玩具を見つけ それで風呂で遊ぶ毎日・・・(嫌な子供だったな・・・)
どうやって購入したか忘れたけど背中に「JAWS」の文字が入ったサメの縫いぐるみも持ってたな~

極めつけはサメの顎の骨! 何故か近鉄百貨店のペット売り場で950円で売られていたのを親に頼み込んで買ってもらいTVの上に暫く鎮座してました(劇中クイントの家にぶら下がってるようなデカイのじゃないけど)兄がふざけて顎の中に手を突っ込んで指を切ったのも今となっては良き思い出です・・・

そしていよいよ封切られた「ジョーズ」!
見に行った劇場が今は無き梅田グランド。(懐かしいな)
しかし劇場前は長蛇の行列!こんなに人が並んでるのは初めて見た・・・と真剣に思ったほどの行列だった。
しかしこの行列は当日券を求める行列で、事前に兄が前売り券を買ってくれていたおかけで 行列を作る大人たちをしり目にスンナリ館内に入れました。
子供心に「前売り券って便利やなぁ~」と思ったもんです

立ち見まで出てギッシリの超満員の場内・・・前売りのおかげで座って見ることも出来て、いよいよ場内暗くなり待ちに待った「ジョーズ」の始まり!(たしか予告編はC・イーストウッドの「アイガーサンクション」だったような気がします)

ここで私は子供心に実に後世に残る印象的な体験をすることになるのです・・・
スクリーンの中で展開される刺激的なシーンの数々に満員の場内は色々な反応を見せたことでした。
片目を食いちぎられた死体が突然ガバ~と出ればギャ~と場内に悲鳴が起こり、片足が海底に沈むシーンでも「ウァ~」と反応し、鮫がガバ~と出るたびに皆一様に驚きの声を出す・・・「な、な、何んなんやこれは・・・」
スクリーンの中の出来事に声や態度で反応する場内の異様なテンションにすっかりショックを受けてしまいました。
子供心に芝居のようなリアルタイムな物に対しての反応ならともかく、映像=フィルムで流される物にたいしてこんな反応が出るのが驚きでしたね。
そしてラスト・・・ロイ・シャイダーの「Smile.you son of a bitch!」の捨て台詞と同時にライフルで一撃・・・ドカーンと大爆発とともに鮫が吹き飛んだ瞬間に満員の場内から一斉にバチバチバチ~と割れんばかりの拍手喝采が!
これには鳥肌がたちました!「なんなんやこの雰囲気は!」
ここまで大勢の人にこんな感動を与える「映画」というものの素晴らしさと楽しさを実感した瞬間でした・・・以後この映画というものの虜になってしまいました。

終了後、兄貴が「オモロかったなぁ~もう1回見るか?」と聞いたが「いや、もうええわ・・・」と答えたのを覚えています。
期待以上に映画は面白かったですが、少なくともこの日はもう1回で充分でした。
観客の反応のせいもあったかもしれないが、これほど映画を見て怖いと思ったこともないし、また凄いとここまでも感じた映画も後にも先にも「ジョーズ」だけでした。
勿論、後に「ジョーズ」以上に面白い作品を見てると思いますし、またこれから先もっと面白い映画に出会うでしょう。
しかし私の生涯ベストワンは「ジョーズ」で変わることはないでしょうね。
それはあの年頃の、あの時の感性であの場内の雰囲気の中で「ジョーズ」を見たからで、今はもうあの年頃の感性に戻れないから・・・

こんな思い出深い「ジョーズ」ですが 映画としても当然ながらいつ見ても面白いですね。
お馴染のテーマ曲と共に冒頭での鮫目線で海底を進むカメラワークから始まり、最初の犠牲者であるクリシーが襲われ、第2の犠牲者である少年が襲われて鮫ハンターのクイントが登場、更にブロディ署長の息子が危うく襲われそうになり そして後半ついに人食い鮫と男たちとの戦いが始まる・・・
ここに至るまでの展開が快調なテンポて描かれて、まったく無駄がなく見るものをグイグイ惹き付けていく演出は当時27歳のスピルバーグ監督の若き才能のなせる技か。

とくに前半は鮫の姿を見せず その演出力とカメラワーク、音楽が一体になって鮫が出てくる以上に恐い [見えない恐怖]=[どこから出てくるか判らない不安]を見事に表現し、後の色んな映画に影響与えたのは間違いないでしょう。
鮫を直接見せない替わりに色々な手法で鮫が襲ってくるのを表現してるのも見事で、まずはカメラが鮫目線となり海中からドンドンと海面の人間に向かってカメラが近づいて行ったり、欲に目がくらんだ2人の男が深夜の桟橋でフックに分厚い肉の塊を付けて鮫を釣ろうとし、それに食いついた鮫に桟橋ごと海に引きづり込まれた男が慌てて逃げようと泳ぐと、イカダのようになった壊れた桟橋の残骸(鮫の飲み込んだ肉魂と桟橋が繋がってる)が海面で向きを変えて動き出し、男の後を桟橋が追いかけてくる・・・鮫を直接見せずにここまで鮫の襲撃を観客に印象付ける演出は凄いと思うね。

そして後半は前半とは打って代わり姿を表した鮫の執拗な攻撃とそれに応戦する男たちの攻防はまさに迫力あるスペクタルアクションとなり 前半のサスペンススリラータッチと見事なコントラストを描き出して秀逸です。

特に3人の男たちの前に初めて姿を現す場面は印象的で、俯瞰から捉えた巨大な魚影がオルカ号の脇を通り過ぎて行き、さりげなく船に対して鮫の大きさを対比させる場面はまさにこれから戦うヤツがトンデモナイ奴だと男たち並びに観客に印象づけるのに充分な効果でした。
またこの場面でのロイ・シャイダーのセリフである「船が小さすぎる」は名セリフですね(彼のアドリブらしい)
ちなみに当時はCGなどなくハリボテの模型で作られた鮫(名前がブルース君)がメイキング映像ではさすがにチャッチイんだけど本編を見るとハリボテとは思えない迫力が出ていると思います。
ま、フーパーが海底で檻ごと襲われる場面は本物の鮫らしいけど・・・(30周年記念DVDの特典メイキングによると檻に絡まって鮫が暴れる場面は演出でなく本当にアクシデントで絡まって鮫が暴れてるらしい)

突然ガバ~と出てくる演出が実にこの作品では効果的に使われ、ブロディが不満タラタラと文句言いながら撒き餌をしてると海面に突然サメがガバ~と現れたり、樽を海面から手繰り寄せようとしたらまたガバ~とサメが顔を出したり、そして遭難した船底の穴からは突然男の死体の顔が出てきたり・・・後にこう言うパターンの演出が増えたけど、この作品が他の映画に与えた影響は大きいね。
その度に劇場は悲鳴の嵐でしたよ・・・アメリカの映画館はいつもこうなんだろうね。

全編見せ場のようなこの映画のクライマックスは沈みゆく船に一人残ったブロディが傾いたマストに腹這いになり、残り少ない銃弾の入ったライフルで迫りくる鮫の口の中に放り込んだガスボンベを狙い撃つ・・・この場面はジョン・ウィリアムスの名スコアが最高調に盛り上げる屈指の名場面ですね。「Smile.you son of a bitch!」(TV版吹き替えでは「死ね化け物!」だったか)の名セリフと共に豪快に鮫が吹き飛ぶが鮫が狂暴で強いだけに見るものの溜飲を下げる見事な結末だと思います。(でも場内あげての拍手喝采には驚いたよ)
この場面スピルバーグ監督の傑作スリラー「激突!」のトラック爆発場面と被ると言う話をよく聞くが両作を比べると海と道路の違いこそあれ 合通じる部分はあると思いますね。

またあまりにも有名なジョン・ウィリアムスの音楽がまた見事に画面とマッチして、恐怖を盛り上げてます。
あの音楽を聞くだけで鮫がやってくるのが充分伝わりますからね~サントラ史上に残る名スコアです。
特にブロディが砂浜で監視してたら、入り江に鮫が現れたという知らせを聞き段々と小走りから全力疾走になって駆け出していく場面での音楽の盛り上げ方は素晴らしいと思います。

この映画を面白くしてる要因の一つにピッタリはまったキャスティングがあります。
ロイ・シャイダーはニューヨークからやって来た生真面目で家庭的な人柄の良いブロディ署長役だが、その真面目で一生懸命さが島の役所の上層部らと軋轢を生み、深刻な事態との狭間で苦悩しながらやがて人食い鮫との戦いに挑んで行く・・・その姿は決して特殊な能力を持った元海兵隊とかハンターとかでなく、ごく普通の平凡な男って所が地味なロイ・シャイダーと重なってピッタリだと思います。

海洋学者フーパーを演じたリチャード・ドレイファスもどことなくユーモラスなキャラでユーモアの中に鮫に関しては理論的に物事を考えて行く姿は印象的で、最初の犠牲者クリシーの遺体を見て「これは船のスクリューに巻き込まれたのでもなく、異常者の仕業でもない・・・鮫だ!」と顔を洗いながら吐き捨てるように言い放つ場面はフーパーの存在価値を観客に印象づける名場面だと個人的に思ってます。

そしてもっとも異彩を放つのが漁師のクイントを演じるロバート・ショー! 圧倒的な存在感は劇中文句なしのピカイチです。
当初リー・マービンをクイント役に予定したらしいが断られたそうな・・・でもリーマービンだったら荒々しさの中にどこか優しさが出てクイントのイメージはどうかと思います。
ロバートショーは荒々しさはあっても優しさなどみじんも感じさせない、どう考えても嫌な奴・・・まさにクイント役は彼ならでは成り立たないと思います。

この3人のバラバラな個性がぶつかりながら鮫を追跡して行く後半のオルカ号の場面は、鮫が出てくる場面は緊迫した雰囲気もあるが、鮫が出てない場面は3人の個性が独特のアンサンブルをかもしだし独特の雰囲気で見るものを画面に惹き付けます。

特にクイントとフーパーが互いに鮫に襲われた傷を自慢し合う場面はいいシーンですね。傷を見せながら武勇伝を語る二人のそばで大都会からやって来たブロディがそっと腹部の盲腸の傷らしき部分を撫でる場面は三人のキャラを明確に出してますね。
やはり「ジョーズ」はこの役者たちでないと成り立たないと思います。

またサスペンスな展開の中にブロディの家族との愛情を感じさす場面も随所に盛り込まれ人間ドラマもキッチリと描写されて、ただのパニック映画になっていませんね。

スリルと恐怖、家族愛などの人間ドラマ、そしてスペクタルなアクション・・・完璧なカメラワークに見事な音楽、そして全編無駄のないストーリー展開が見事なテンポでアッと言う間に「ジョーズ」の世界に引きずりこまれてしまう。
これぞまさに映画という娯楽の真髄といえましょう。

この後、「ジョーズ2」や3D映画「ジョーズ3」「ジョーズ4 虐殺編」などシリーズ化されたけど「2」はまだ見れるけど後は全然ダメでしたね。
勿論、似たような作品がこれ以降次々と製作され、同時期に公開された「シャークトレジャー」てのもありました(未見!)鮫映画は今だにビデオスルーながらどんどんとリリースされていますね。(「ジョーズ」の影響で「シャーク」という映画もTV放映されてたな・・・実際に鮫に襲われる場面があったような・・・)
また鮫以外でも大ダコが襲いかかる「テンタクルズ」、巨大シャチが襲う「オルカ」、人食い熊の「グリズリー」、殺人蜂「スウォーム」タイトルそのまんま「ピラニア」etc・・・まさに動物パニック映画ブームを巻き起こしましたね。

「ジョーズ」のおかげでいつしか「サメ」って聞いただけでついつい興味を持ってしまうようになりました。
何年か前に慰安旅行で和歌山方面に行ったとき、漁港付近をバスで通過した時、バスの車窓から道端にずらっ~と水揚げされた大きなサメが並べられてたけど・・・あのサメと一緒に写真を撮りたいと真剣に思ったよ(嫌な大人だよ・・・)
友人たちと旅行に行けばたまたまそこで「シャーク展」のようなイベントが行われていて、誰も興味なさそうだから、単独行動で見に行ったり・・・(ここで「JAWS」の撮影に使われたレプリカの頭が展示されていた)
フーパーほどではないにしろサメの虜ですね~

勿論、「ジョーズ」関連の品物も今でも持ってますが、当時のサントラLPレコードも擦り切れて針飛びしまくるけど押入れに眠ってるし、25周年記念のサントラ完全版CDも持ってます。
またVHSのビデオテープ1本にDVDが通常版と30周年記念盤の2本と、ついでに「ジョーズ2」のDVDもあります。
劇場パンフレットが公開当時購入(ボロボロ!)したものと古本屋で見つけたもん(保存状態いいので購入した)と2冊あり、そしてつい先日に大阪 日本橋のお宝グッズ店で見つけた公開当時の劇場宣伝チラシ(¥210-)もコレクションに加わりました。

今でもレンタルで鮫の映画がどんどん出てますが、いつも気になりますね~
最近の鮫映画と言えば「オープンウォーター」という沖のど真ん中に置き去りにされた夫婦に鮫たちが忍び寄ってくるシュチュエーションムービーがあったけど、この作品を見に行った劇場で小学3~4年生ぐらいの男の子がお母さんと一緒に見に来ていた。
何となく昔の自分にダブらせて見てしまいました。
私もこの男の子と同じような頃は母親に連れてってもらって映画館によく行ったもんでしよ・・・きっとこの男の子の家にはロードショーとかスクリーンが何冊もあるんやろうな~
そしてこんなミニシアターの鮫映画にわざわざ来てるって事は・・・・・・この子も鮫ファンなんやろな・・・



(1975年 アメリカ映画 124分 シネマスコープサイズ)

キングの名画座 第1回 「007/ロシアより愛をこめて」

2006-12-19 01:48:48 | オールタイムベスト
監督 テレンス・ヤング
出演 ショーン・コネリー
    ダニエラ・ビアンキ
    ロバート・ショー



新作映画やビデオやDVDで見た作品の感想書くのもいいけど、大好きな作品について色々と書き残したい・・・そんな思いからこの企画思いつきました。
自己満足の世界です・・・笑ってやってください

兄弟が皆、映画好きだったことから、家庭の中ではもっぱらTV洋画劇場を頻繁にかかっており、その影響で子供の頃から映画をよく見ていました。
TVに留まらず、映画雑誌の「ロードショー」「スクリーン」などを兄が愛読していた事もあり小学生にしてアラン・ドロンやブロンソン、マックイーン、ソフィア・ローレンにヒッチコックなどなどの名前を覚えておりました。
決まってTV洋画劇場が我が家のチャンネルの中心でしたが、私の映画好きもこの辺の影響が大ですね~

そんな30年以上も映画を見てきたなかから、個人的な飛びっきりのベストムービーを紹介して行こうと思うのですが、単に映画の感想というよりはここではその映画の思いれのような物を書き残せたら・・・と思っています。
ですから相当偏った主観の入ったレビューになると思いますがご勘弁を・・・

そして栄えある(?)第1回目がこの「007/ロシアより愛をこめて」です。
現在最新作の「007/カジノロワイヤル」が公開されてることとDVDが発売されたこともあって選んで見ました。

007シリーズは大好きで、パンフも古本屋から買いあつめ大方揃ってきましたが、後は「女王陛下の007」と初期のショーン・コネリーのシリーズを残すのみ・・・この辺が一番入手し難いんですけどね・・・
先日発売された20作収録の豪華アタッシュケース型DVDBOXも買いましたよ~

私が007シリーズから三本選ぶなら「私を愛したスパイ」「女王陛下の007」そしてこの「ロシアより愛をこめて」ですね。
たしか初めて見た007シリーズが、TV洋画劇場で見たこの作品だったと思いますね。
それだけに大きな印象が残ってるんではないでしょうかね。
そして特にこの作品は好きですね~いつ見てもやはり面白いです。

007はいつも大体同じようなパターンの展開で、キライな人はマンネリだとかワンパターンとかいいますが、逆に安心して見れるというのがありますね。
どの作品もシリーズ内で比較すれば優劣あるけど、それぞれ1本の作品と見れば全作とも高い水準の作品だと個人的には思いますね。
お決まりのオープニング、お決まりのお色気シーンに大物歌手を起用しての主題歌、大物俳優による敵役などなど・・・いつも同じような設定にお決まりの展開・・・それが007のいいとこでもありますね。


007シリーズでいつも楽しみなのがジョン・バリーの名曲に乗ってオープニングの銃口の中からボンドが歩いてきて、ピストルを撃つ御馴染みのカット!
これがないと007は始まりませんね。
そして短いアクションシーンからタイトルバックに移行する御馴染みのワンパターン・・・未だに続いてますね。
この辺のパターンが根付きだすのがこの作品あたりからだったでしょうか?

冒頭でいきなりジェームス・ボンドが殺し屋グラントの手にかかって殺されるシーンから始るが、多分当時としては衝撃的だったでしょうね。
勿論、これは演習で仮面を外せばショーンコネリーとは似ても似つかないヒゲ親父が出てくるんですが、後にこのパターンはシリーズ中にもしばしば登場しますね
このシーンの後に続くタイトルバックですが、これも毎回楽しみにしていますが、この映画ではタイトルの文字やキャストやスタッフ名がダンスを踊る女体の体に投影され、女体がクネクネ動くたびに文字も波打つように動く・・・女体に波打つ文字のサイケデリックな色彩はさすが60年代の匂いがしますよね。
そのバックに流れるのがジョン・バリー編曲によるインスト版「ロシアより愛をこめて」のテーマ!
もうこれはメチャかっこいいですね~ ♪ダカダカダダカダカダッ~!で始るイントロからアップテンポながらムーディなメロディ・・・名曲中の名曲ですね
もちろんラストシーンで流れるマット・モンローの歌う「ロシアより愛をこめて」のシリーズ中ムード満点のバラードは最高傑作ですね。
ゴンドラでダニエラ・ビアンキとショーン・コネリーのラブシーンで流れるこの歌が子供心に印象に残ったもんでしたよ。

そのボンドガールのダニエラ・ビアンキもシリーズ史上もっともベッピンさんなんではないかな?
品の有る風貌はまさにこのシリーズのヒロインにピッタリですよ。
最近の007シリーズと昔の作品とはヒロインの雰囲気が全然違いますね。
この辺でも時代の違いが感じられて興味深いと思いますね

もう一人この作品で印象深く忘れては行けないのが殺し屋グランドを演じたロバートショーですね
頑丈な肉体と冷徹な性格のグランド役はまさに彼にピッタリのはまり役です。
後にジョーズことリチャードキールが殺し屋として出てきますが 怖いと言うより愛嬌のある印象が強かったが このグランドは妥協や情けの無い所を見てもボンドに取っても最強だったかも?クライマックスのオリエント急行での対決シーンはシリーズ屈指の名場面と言われてます(「私を愛したスパイ」でボンドとジョーズでこの場面を再現してたね)
ま~最強と言うわりにはアッサリ決着着くけど・・・

序盤のスパイ合戦のような英国とソ連、そしてスペクターとのやり取りが静の部分だとすれば中盤から後半にかけての銀行爆破からオリエント急行での格闘、ヘリコプターの襲撃、そしてボートチェイス・・・この辺のアクションの連続は動の部分と言えるでしょうね。

開巻からラストまでテンポよくドンドンと画面に引き込まれるのはテレンスヤング監督の演出も大きいだろうが、出演者の芝居、そして画面をさらに盛り立てるジョン・バリーによるスコア(毎回定番的に使用される「ジェームス・ボンドのテーマ」と「007」が実に効果的に使われてますね)など映画に必要な色んな要素が合致した活劇映画のお手本のような映画といっても過言ではないでいしょう。

単にアクションだけでなく御馴染みのお色気シーンやコミカルなMrsマネペニーとのやりとりなどもこのシリーズの見所ですね。
特にマネペニーに渡す写真にペンで「ロシアより愛をこめて」と書く場面何か粋ですね~
帽子を投げて帽子掛けに架ける場面と並んで印象的です。

そしてQが調達する秘密兵器も毎回楽しみですが、この作品では何といっても万能アタッシュケースにつきますね。
開け方によってはガスを噴出す危険なアタッシュケースですが、グラントとの対決シーンに重要に使われていますね。
組み立て式のライフルも重要な場面で活躍するしね。

後に語り継がれる名場面も多いのも名画の条件かも知れないですね。
オリエント急行での対決と並んで有名なのが、ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」にヒントを得たと言うヘリコプターの場面もこの作品を語る上では外せないですね
岩場に隠れてQ調達の組み立てライフルで撃ち落とすんだが この場面も「私を愛したスパイ」での海中のロータスエスプリからミサイルでヘリを撃ち落とす場面と被るんですね~
この作品は後のボンドシリーズのお手本になった作品かも知れないですね。
そう行った意味ではこの「ロシアより愛をこめて」は007ビギナーの人に
は最初に見てほしい作品だと思います。
第一作の「ドクターノオ」よりもこちらの方が後の007シリーズの原点と言えるのではないでしょうか?

今回発売されたDVDには初の日本語吹き替え版が収録されてますが、当然ショーンコネリー=ボンドは若山弦蔵氏!
それだけでもこのDVDは買った価値があると思いますけど、ただ昔の吹き替え音源を使用してるのでなく新録音による吹き替えの為、子供の頃聞いた声よりは声が太いように感じ、声に年齢を感じてしまいました・・・贅沢言ったらいかんけどね~
ちなみにロジャー・ムーアは当然ながら広川太一郎氏・・・昔の吹き替えで見れるのは嬉しいですね。
やはりイメージがありますからね~ イメージと言えばこれまでボンド役は6人演じてますけど、私はやはりロジャー・ムーアのボンドがいいですね。
物心着いた頃はすでに当時は「黄金銃を持つ男」でボンドやってましたからね。
あのピストルを胸元で構えて正面向いてるポスターが007=ジェームス・ボンドの私のイメージですね。

日本初公開時のタイトルは「007 危機一髪」・・・映画宣伝部に居た水野晴郎氏がつけた邦題だそうですが、うまいネーミングだと思いますね。
改めて見てなるほど~と思いました。
でも原題の「ロシアより愛をこめて」の方が個人的には好きかな~

この作品のパンフレットがほしいですね~ ヤフオクなんかで出るかも知れないけど高価だしな・・・偶然入った古本屋で¥800ぐらいで売ってたら一番理想だけどね


(1963年 イギリス映画 115分 ビスタサイズ)