今回のレンズはOM Zuiko 55mm F1.2だ。オリンパスの旧ズイコーの中でも銀縁があるので、前期のタイプのレンズだ。コーティングがやや黄色味がかっていて、旧いズイコーの佇まいである。私にとっては、中学生の頃に憧れたレンズのうちの1本だから、これもまた、感無量の状態。
当時は普通に購入するから50mm F1.4かF1.8が主流で、OM Zuikoなら非常に小型軽量なので、F1.8もいい選択肢だったのかもしれない。だから55mm F1.2を購入できた方は、その頃は贅沢なタイプのレンズを買ったことになる。
F1.0を切るような、とんでもない明るいレンズを造る競争は遙か昔のことだけれど、この時代(1970年代頃)の50mm F1.2のレンズは、立派に実用になるようである。ただしオリンパスのこのタイプについても、常に絞り開放で使えるという代物ではない。ピントの合う範囲は非常に狭く、コントラストは低く、ピントもどことなく芯がなくて、全体にソフトフォーカスがかかったような画になる。
ただ、一絞り絞ってしまえば、画質は一気に向上し、キリリと引き締まった画が得られる・・・のだが、こうなっては面白くない場合もある。このレンズ独特の、絞り解放時の極めてユルイ画に、存在意義を感じてしまう。
最新鋭のデジタル一眼用のレンズでは、もはやこのようなレンズは期待できないので、オールド大口径独自の遊びを、今回はやってみたい。
OM Zuiko 55mm F1.2 + E510