天道公平の「社会的」参加

私の好奇心、心の琴線に触れる文学、哲学、社会問題、風俗もろもろを扱います。趣味はカラオケ、昭和歌謡です。

「あまちゃん」はやっぱ面白いぞ!!  その1

2015-08-07 21:58:35 | 映画・テレビドラマなど

いつものように時宜に合わない投稿ですが、良かったら読んでください。

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「あまちゃん」はやっぱ面白いぞ!!        その1
                                 H27.8.6

 朝の7時15分から、BS連ドラ再放送を見るのが習慣になってしまって、現在の再放送「あまちゃん」も見られるかぎり、愛視聴しています。
 2013年当時、普段朝ドラを見ない視聴者をも巻き込んで大ヒットした、このドラマは、現在、「海女篇」を経て「東京アイドル編」に突入しています。
 本来このドラマは、主人公天野秋(あまのあき)(高校生)が、母が危篤状態と聞かされた母春子(小泉今日子)と一緒に、東北三陸の港町(撮影は久慈市と書いてあったぞ。)に帰ってきたことから始まります。
 母春子は、かつてアイドルになることを熱望し祖母夏子(宮本信子)と喧嘩し東京に家出して以来、一切音信不通で、相当わだかまりがありました。
 一部の海女篇の最後で、東京行きに反対したことについて、頭を下げた祖母と、母はようやく和解します。

 彼女たちが住む町は、北三陸鉄道のみの漁港で、お定まりの町おこしの取り組みの中で、天野秋一家は翻弄されます。危篤連絡は、春子を呼び戻したいばっかりの、北鉄(北三陸鉄道)の春子の同級生(駅長の杉本哲太)の策略だったわけです。祖母、夏子は、生業として、海女をやっており、海女協会会長として地元では実力者です。結局、危篤はガセながら、海女に興味を持つ素直な秋の帰郷に、夏子は内心大喜びです。
 母春子も、海女たちの経営する海女カフェの従業員で落ち着き、東京になじめなかった秋は、祖母に習って、海女修行を始め、地元の高校に編入し、そして、潜水課の種市先輩にあこがれ、普通科から潜水科に転科します。また、親友の東京アイドル志向のユイちゃん(あの人気者になった橋本愛です。)に影響され、最初は渋った母の反対を押し切って、東京にリターンです。

 脚本家宮藤官九郎の所属する劇団、「大人計画」から丸刈りの怪優、荒川良良(副駅長の役です。)、水産高校の潜水部の先生になるもみあげフサフサのこゆい顔の怪優皆川猿時(註1)、琥珀(こはく)のべんさんこと塩見三省(註2)、杉本哲太の好演といい、とても贅沢な配役です。
 劇団主催者の松尾スズキがどこで出ているのかと思ったら、主人公、秋の母春子のアイドル修業時代のアルバイトしていた喫茶店のアイドル大好きマスター役(アイドルお宅歴40年)で地味に出ていました。
 女優陣の充実も素晴らしく、渡辺えりはもちろんのこと、観光協会の事務員兼ユイちゃんの兄小池鉄平の当面ガールフレンド役の栗原ちゃん(註3)(安藤玉枝)、美保純、木野花など海女カフェの面々、クイーンのフレディ・マーキュリーファンの海女さん(註4)(花巻珠子)、細部にこだわるクドカンの演出のもとで、脇役が皆イキイキして、個々のセリフが鋭い突っ込みと斥力ではじけるようで、宮藤官九郎が試みる、NHK定番朝ドラを解体してしまおうとする隠された強い意欲に燃えています。
 試みに知り合いに、朝ドラとしての出来を聞いてみると、今までの朝ドラと勝手が違って、いまいちなじめないそうです。

 東京編では、芸能プロの社長(秋元康のパロディです。)として、かつては顔つきからは小劇場が主戦場のようでしたが、今やテレビ俳優になってしまったかのような怪優、古田新太が出てきます。(註5)
 また、熟年となった元アイドル薬師丸ひろ子の登場と相まって、春子(小泉今日子)との丁々発止、それはまた後日のお楽しみということです。現在も、すさまじい脇役陣が、いつでも、主役を食っちまいそうな瞬間が今もあります。
 前に、WOWWOWで、大人計画合同の公演劇「ラストフラワーズ」を見たこともありますが、あの批評力とエネルギーの過剰はすさまじいものです。また、先ごろ放映されたクドカン脚本、古田新太、生瀬勝久(ここまでしか名前を知らない)など共主演の「万獣こわい」は、黒い笑いとともに、「家族ごと監禁事件」を扱った久しぶりにこわい劇でした。特に古田新太が怖かった。

 長くなると、時々冗長になるクドカンですが、毎朝15分枠ということで、今後も、展開の意外さとテンポや配役の良さでしのいでいくはずです。


(註1) 彼はかつてNHKBSの太宰治劇場で、満嶋ひかりと共演で、太宰治の御伽草子の中の「カチカチ山」をモデルにした小劇で、ウサギにいじめ殺される醜い狸を熱演していました。ウサギ役の満嶋ひかりも冷酷で無邪気でとても良かったのです。適材適所のドラマでした。「ラストフラワーズ」でも、極東の某国独裁者に扮した、彼のダンスが出色の出来でした(笑えます。)。
(註2) コメディアン(ナインティナイン)が初演した「岸和田少年愚連隊」の映画の中で、彼はこわもてのサッカー部の顧問の教師に扮し、卒業式での別れで寂しさと悲しみのあまり、泣きながら、式の途中で悪ガキたちを殴りまくる粗暴な愛すべき教師役を好演したことを覚えています(あの映画は、駄目になる前の、井筒和幸映画の雰囲気をよーく伝えていたところです。)
(註3)(安藤玉枝)いつも目立たぬ役で、ドラマに出てますが、このたび宮藤作品で、主役を食うべく、コメディ女優として、とても健闘しています。
(註4)(花巻珠子)(海女祭りのイベントで、誰もがレディ・ガガを目指すのに、「わかる人にはわかる」と彼女は白のタイツ、胸毛付きで、濃いメーキャプでフレディ・マーキュリーに仮装していました。
(註5) 名前が「太巻き」というのですが(すごいネーミングだな。)、寿司屋のシーンが多いのが、東京アイドル編の舞台であり、ご愛嬌です。秋(能年玲奈)が、いつも、出世払いの寿司屋(ドロップアウトした潜水科の種市先輩もそこで板前修業していますが)でウニの軍艦巻を前にご満悦なのが、かわいい、ですね。能年玲奈を「あんたの目は小動物の目よ」と渡辺えりがおちょくったらしいですが、ほんとにかわいいげっ歯類みたいな黒目勝ちの目ですね。

(私見)ところで、続いて8:30から放映の今年の朝ドラ「まれ」が嫌で、なぜなら劇に出てくる輪島塗の家元役の中村敦夫の紬姿を見ると、「何それ」と情けなくなり、ご当地を売り物にした通俗的なドラマで、バカらしくて本当に嫌です。あれなら同時刻、Eテレのピタゴラスイッチの方がずっといいぞ。


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