見見楽楽 ~九州ぶらり放浪記~

おむすびころころ
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かごしま黒豚のルーツ“鹿籠豚”(かごぶた)… 枕崎『山口牧場』

2011年05月01日 20時47分59秒 | 美味しいモノ…鹿児島編
鹿児島の黒ブームの火付け役となった“かごしま黒豚”。

薩摩の国と呼ばれていた時代から、豚は“歩く野菜”として飼育していた鹿児島ですが、

そのルーツは島津氏の琉球侵攻で持ち帰った豚だと伝えられます。

その後、シラス台地の痩せた土地の多い鹿児島でビタミンを多く含む豚は貴重な食料として飼育されます。

かの西郷隆盛も豚肉料理が好きだったそうです。


さて、“鹿籠豚のルーツは”…というと

1800年の後半、枕崎市鹿籠(かご)出身の獣医師園田兵助氏は、貧しい枕崎に新しい産業を起こそうと豚の改良に取り組みます。

明治初期にイギリスから輸入されたバークシャー種と土着の豚を掛け合わせ、

枕崎で水揚げされた魚のアラとサツマイモを混ぜた餌を考案しさらに養豚組合を設立します。

戦後、同じ鹿籠地区で家畜商をしていた森繁雄氏は、その豚を南薩鉄道(現在は廃線)の貨物に積み込み東京へ出荷します。

その品質の高さと美味しさからその豚は評判となり、貨車に付いていた鹿籠駅の車票から『鹿籠豚』と呼ばれたそうです。

東京の肉屋やトンカツ屋では、『鹿籠豚』を扱う事が大変名誉な事だったそうです。

一方鹿児島の農家は生産性の低い黒豚から生産性の高い海外から導入された白豚へ切り替えるようになり黒豚の危機が訪れます。

しかし、1980年代からのグルメブームで“かごしま黒豚”が見直され再び脚光を浴びます。

現在は、低かった生産性も高まり、県内至る所で黒豚が飼育されるようになりました。

その“かごしま黒豚”のルーツである『鹿籠豚』を生産している枕崎の山口牧場さんが直営店をオープンしました。



4月20日にオープンした「かご山口牧場」。



『鹿籠豚』の豚バラのブロック。それと加工品のソーセージとハンバーグ。

豚バラは好みの大きさにカットしてくれます。

ハンバーグは同じ枕崎にあるお肉屋さん「明治屋」のモノ。

当然、豚は山口牧場さんの『鹿籠豚』を使ってます。

ソーセージも豚本来の味を感じさせます。


三枚身のブロックは『塩豚』に。(一番上の写真)

黒豚の美味しさは甘みのある白身と弾力と柔らかさを兼ね備えた赤身。

焼豚にしようかと思ったのですが、

山口さん曰く

「ソーセージの良し悪しは塩で決まる」

この一言で、塩豚に。

以前から使っていた甘くて美味しい坊津の塩『坊の華』をたっぷり使いました。

我ながら、今回の『塩豚』は絶品です。

ちなみにキャベツとトマトも枕崎産。



山口牧場直営店は、川辺から枕崎へ向かう国道225号線の峠を下ってすぐ。

確か、山口というバス停があったような…

(住所はわかりません)