#1209 風の谷のかっぱがおる（６）

「ユパさま～！」

（『風の谷のかっぱがおる』[１][２][３][４][５]の続きです…）


「はははは、相変わらず元気だな、かっぱがおる。助けてくれてありがとう」
「袋の中で何かが動いているがお？」


「おお、そうだった。蟲がこいつをくわえているのを見て、人の子がさらわれたと勘違いして、つい銃を使ってしまったのだ」
「キツネリスがお！」
「おっと、手を出さん方が良いぞ。気が立っていて凶暴だからな」


「気が立っているのはお腹が空いているせいがおね」
「え？　そういう問題では…」
「きゅうりをあげるがお」
「いや、キツネリスはきゅうりなんか食べないぞ」
「（キツネリスに向かって）これは美味しいきゅうりがお。こわくないがお…こわくないがお…」


「きゅうりをかじった！　いや、食べている！　しかも、猛烈な勢いで！　キツネリスがきゅうりを食べるなんて信じられん！」
「きっと、食わず嫌いだったがおね」


「ユパさま、この子をわたしにくださいがお」
「ああ、構わんよ…（この子には何か不思議な力が備わっているのかも知れないな…かっぱだし…）」

[７]につづく…