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史跡城陽054  縄文時代の遺跡 森山遺跡

2019年12月07日 17時35分56秒 | 遺跡・遺物

 

森本遺跡

遺構の復元断面

古墳時代の方形周溝遺構の溝の断面をイメージ復元しました。

溝の底からお祭りに使ったと思われる土器がたくさん出土しました。

 

 

森本遺跡は、縄文時代後期(約4000年前)に人々が暮らした集落遺跡で、竪穴住居などが見つかっています。

キャラクターは、森山遺跡で暮らした縄文人の家族の中で、弓矢を使って狩猟を行う父親をモチーフにしています。

史跡 森山遺跡

縄文時代(今から約4000年前)から古墳時代(今から1400年前)の集落の跡です。縄文時代の集落は、広場を中心にU字形に6棟の竪穴住居が作られていました。また集落の南の端には、配石遺構し呼ばれる石を並べたお墓が見つかっています。

この集落では、20~30人くらいの人々が生活していたと考えられます。竪穴住居がたびたび建て替えられた跡がないことや出土した土器(縄文土器)から森山の集落は、短い期間の集落であったと想像されます。

この地に再び人々が住み始めるのが、弥生時代後期(今から約1800年前)です。竪穴住居2棟と甕を使ったお墓(甕棺)が見つかっています。

古墳時代前期(今から約1600年前)になると、1辺45mの周りに溝を持つ方形の盛土(方形周溝状遺構と呼ばれている)とこれをとりまく7棟の竪穴住居が営まれます。この方形周溝状遺構、周囲に溝や柵列の柱穴があることから豪族の館跡ではないかと考えられています。

森山遺跡は、昭和51年(1976)に宅地造成中に発見された遺跡です。しかし南山城地方では縄文時代の住居跡や縄文土器がまとまって見つかったのは初めてであり、また方形周溝状遺構は、全国的にも特殊な遺構であることから、遺跡の中心部約4850㎡が昭和53年(1978)2月8日国史跡に指定され保存が図られました。平成8年(1998)3月に整備を行い、整備に当たっては約1mの盛土をし、縄文時代の竪穴住居と古墳時代の方形周溝状遺構の一部復元と平面表示を行いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

史跡 前回の記事 ⇒ 史跡城陽053 正道官衙址 

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神社城陽0206 水度神社 (みと神社)  本殿・重要文化財

2019年12月07日 06時29分58秒 | 神社

 

 

鴻ノ巣山のふもとにある水度神社は、旧寺田村の産土神で、祭神は天照皇大御神・高御産霊神・少童豊玉姫命です。「山城国風土記」逸文に、「久世の郡水渡の社祇社」とあることから、風土記が編さんされた奈良時代には存在したと考えられます。平安時代前期に成立した『延喜式』には、「水渡神社三座」と記されています。

重要文化財の本殿は一間社流造で、文安5年(1448)に造営された市内に現存する最古の建物です。屋根は桧皮葺で、正面に大きな千鳥破風があります。また、庇の正面中央には、透彫の唐草と笹りんどうをあしらった欄間がつけられ、意匠を凝らした優美な建物です。

水度神社には京都府登録文化財の「おかげ踊り図絵馬」と、城陽市指定文化財の「鉄湯釜」、「大般若経」があります。「おかげ踊り図絵馬」は、文政13年(1830)11月1日に寺田村北東町の人々が水度神社に奉納したおかげ踊りの様子を描いたものです。「鉄湯釜」は、湯立て神事に使われていたと考えられ、銘文から応永32年(1425)に作られたことがわかります。

「大般若経」は、鎌倉時代前期にさかのぼる書写経で、村落における信仰の歴史を知る貴重な資料です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水度神社には、「寺田 大自 天神 日薬師堂 応永33年8月28日」の文字がある鉄湯釜が保存されています。応永32年(1425)は室町時代中頃で、当時この神社の祭神が「大自在天神」つまり菅原道真に変わっていたことがわかります。九州大宰府に左遷され延喜3年(903)、不遇の中で没した菅原道真の怨霊が京の都をおびやかしたため、その祟りを鎮めようと北野天満宮(京都市上京区)がつくられたといわれます。天神信仰は、雨をもたらす雷神信仰と道真信仰が結びついたものです。水度神社の祭神が道真となったのは、在来の神より強い霊力を持つと考えられたからでしょうか。

この湯釜も、かつてこの神事に使われたのでしょう。全国で6番目に古いこの大きな湯釜は、当時における寺田の「まつりのかたち」の一端を示すものとして、市の文化財に指定されています。

 

この神社に住みついていた フクロウ

 

 

神社 前回の記事 ⇒ 神社城陽0205 久世神社 本殿・重要文化財  久世廃寺跡

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