カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

洞窟ゲーム

2010-05-31 | 読書
洞窟ゲーム/まどの一哉著(清林工藝舎)

 なんか凄いものを読んでしまったという読後感。ちいっとも理解できないのだが、面白くないわけでなく、つまり面白く読んでしまったので更に性質が悪いと思う。感想を書こうとしても上手くいく訳が無い。
 実はそういう感想を漏らしていた竹熊さんのブログを読んで迷わず購入。あんたも好きね、というモノ好き根性で臨んだ訳で、あえなく撃沈したという訳である。
 わけわからんというと難解な哲学じみたものを想像する人もいるかもしれない。ひょっとすると哲学だったかもしれないが、そういう訳でもない。ナンセンスということではあるが、はたして作者はナンセンスを狙っているようにも感じられない。筋は一応整っているように見える。しかしその狂い方が、実は単なるシャレの連想に思えなくもないし、深い狂気に思えなくもない。まあ、手に取るしかないと思うが、そういう勧め方をされて手に取る人が増えるとも思えない。人を選ぶかもしれないし、あんがい万人向けかもしれないとも思う。たぶん普通に読んでもちゃんと面白いからだ。絵もしっかり上手だし、僕は知らなかったけど、まったく無名の漫画家さんでは無いようだ。確かにドラマの原作になったりキャラクターが売れたりするような事は考えづらいが、ひょっとすると海外芸術賞のようなものも取りかねないし、そのような水準で注目されているのかもしれないように感じられる。少なくともそのような尋常の無さを持っているから、読んで楽しいという気分になるのかもしれない。その上ひとに勧めてみたくなるのだ。ぜひ読んでもらって、お互いに頭を抱えて楽しみたくなるのである。
 興味本位にすぎなかった僕は、ある意味でいっぺんにもっていかれた。普段漫画を読まない僕がそうなのだから、漫画好きな人ならもっと理解できるのではないか。目に触れる人がそれなりの数になると、必ずコアなファンのつく作家だと思う。もっと貪欲に違う作品を読んでみたい。その為にもこの本が話題になって、売れてくれることを願うばかりである。
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常に指向性は読み取られている

2010-05-31 | HORROR
ネット全履歴もとに広告

 既にそのようなものを感じていたので、なんとなくいまさら感が無いではない。閲覧する指向性に合わせて広告が打たれている気配はあった訳で、流れを止められないということでもあるのではないか。アマゾンなんかのサイトでは、以前に買ったことのある傾向を読み取り、平気で関連書籍などを紹介してくるし、メールも送られてくる。ありがたいようで、迷惑も感じる。しかし、ついクリックしてしまったこともあったようだ。
 スピルバーグの映画でトム・クルーズの出ていた「マイノリティ・リポート」という作品では、移動中も個人に向けて様々な広告が溢れている未来の作品だった。ネットと実生活が混在する未来の姿は、騒々しい広告の嵐にさらされているという、皮肉でもありリアルのあるものであった。
 エロ・サイトの広告などが煩わしいという話をしていたら、それはあなたのパソコンがあなたを男だと認識している結果だと指摘されたことがあった。名誉のために正直に言うと、普段からエロ・サイトばかり閲覧闊歩しているという覚えは無い。その、まったく無いとは言い切れないところが、チト苦しくはあるが、そればっかりでは断じて違う。いわゆるエロ・サイトのお得意さんなどでは無いと思う。しかしながら、そういうことなのではなくて、一度でもそのようなところに足を踏み入れた経験さえあれば履歴として残り、男のユーザーという認識をしてしまえば、そういう傾向の広告を打つシステムになっているらしいということだったのだ。事実女の人しか触らないパソコンには、めったなことではエロ・サイトの広告はないらしい。代わりに美容ダイエット関係などの広告が行くものであるらしい。なるほど。自宅のパソコンは子供も扱うので、僕がまったく立ち寄らないゲーム関係の広告もよく見るようだ。職場のパソコンではそのような傾向はまったく無いので、自宅のものは子供も使うパソコンであると認識している証拠である。
 今やパソコンや携帯電話はパーソナルであることが当然ではある。その帰結としてその個人でないと使えなくなるという事情も生まれてきたのではあるまいか。誰かと兼用するには恥ずかしすぎるものになってしまったのではないか。パソコンだから個人の趣向性を発揮できるということはあるにせよ、本当にセキュリティが必要なのはそういう恥ずかしい背景がもっとも大切なことになりつつあるのではないだろうか。
 米国などは会社の情報が流出することを防ぐために、解雇通知を受けた瞬間に会社のパソコン(今までその人が使用していたパソコン)に触れることすら禁止されているのだという。日本は解雇規制が厳しく事実上できないので、会社のパソコンは米国より恥ずかしい個人情報が詰まっている可能性が高いのではないか。日本の規制緩和が進まない理由は、やはり日本の個人があいまいだという背景がありそうな感じがしないではない。それがいいことなのか悪いことなのかはよく分からないが、身の回りの整理は日頃から心がけておく必要がありそうではある。
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