カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

暗黒の社会正義

2010-07-26 | 時事
ひきこもり「70万人」予備軍「155万人」

 総数としてただ事でない響きがあるものの、内容を読むと実に大したことないレベルである。絶対的な少数であるから問題無いというつもりはないが、重要な問題と捉えていることの方が問題があるとは思える。少なくとも予備軍であろうと思われる自分自身のことについて考えてみても、ひきこもりは出ずっぱりの反動として憧れであるわけで、マイナスというよりプラスとしてひきこもる贅沢を味わいたいというのが本音である。
 ある雑誌を読んでいて、「若い人はどうして外に出たがるのか」という問いに対して「それは性の交わりをするためだ」という答えを出したことに自分自身が納得している話が出ていた(書いている人は女性作家)。確かにそれは真理だと言えることだとは思ったのだが、しかし逆にひきこもりに性の交わりの欲求が希薄なのかということを考えると、やはりそれは違うという気がしないでは無い。「若者に性欲が無くて情けない」と嘆く年配の人が多いとステレオタイプ的に感じている僕としては、たぶんそれは本質的な誤解だと直感的に日頃から感じている。強烈に強いとはいえないまでも、無いからひきこもっているわけでは断じて違うだろう。そのようなモヤモヤがある種の不健全な屈折を生み、普通の若者の苦悩を表しているのではないか。不健全と書いたが、不健全だからこそ実に若者らしいと思うわけで、まったく異常なのではない。そのような反社会的な弱い抵抗を持っていることが、若者を成長させる意味で必要なものでもありそうだとも思う。もちろんそうでない人もいることとは思うが、そのような苦悩のまま一定時間ひきこもるような体験が、大人への脱皮には必要なことかもしれないではないか。
 それさえ許されないという社会観こそ、さらに重度のひきこもりを生みだす障害になるのではあるまいか。むしろこのような変な正義の社会が、僕には暗黒の道筋に見えるのだった。
コメント
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