選挙が終わった。終わってみると驚くほど選挙前の予想通りの結果となった。良いとか悪いとかは今から分かりようがないが、このことの解説はこれから大量に目にすることになるだろう。期待もあるからおおむね肯定的な意見が占めるとは思われるが、この際に何を期待するとハードルを上げたところで、何かその様な意見が採用されるということも少ないとは思う。
かと言って公約通り何かをやるのかというのも未知数で、まずは何をするかなという優先順位と選択を小出しにして行くことになるのであろう。民主党政権へ政権交代時には、次々に自民党時代への拒否と変革というようなことを印象付けることをやらなくてはならかったようだが、そのことで結果的には自滅していった事は記憶に新しく、自公政権が同じように慌てて何かをするということは考えにくいと思われる。まずはその準備段階で、世論の様子をうかがいながらということを考える方が、格段に得策ということになるのではあるまいか。
選挙戦ではかなり評判の悪い舌戦を叩かれもしたが、結果的に選挙結果にはあんまりひびかなった訳で、それで安心してさらに踏み外すと、期待より失望が早く訪れるということにもなりかねないので、いくら参議院を気にしなくても済むような大勝といっても、気を引き締める事の方が肝要であろう。先ずはたくさん来るだろう陳情の客を迎えて、大判振る舞いのふりをするということになるだろう。
年末年始に官僚を呼んでいろいろレクチャーを受けることにもなると思うので、役人さんにとってはおいらの休みはどうなのよ? と悲観しているかもしれない。ずっと恨まれない程度に協調路線を取るということになるんだろうか。それはそもそもの自民党の姿だから、当然かもしれないが。
しかしながら法治国家にやっと戻るのは良いとして、計画通りばらまきが出来るのかというのも、あんがいむつかしい事だ。原資が無いというのもあるが、それなりに整理されている後だから、すでにばらまく相手がずいぶん減ってしまった。無理に工事をしようにも、役場の仕事通り期限を守ってやれる技能のある人たちの数に限りがあるという話である。土建業界もそのあたりは冷ややかに見ているようで、実際に仕事がたくさん出て慌てるくらいになって、ホントだったんだなあ、と実感することになるだろう。それにしても補正とか本予算とか、どれくらい間に合うものがあるんだろうか。ということで、これももう少し先の話かもしれない。
大方のお話と同じように、これだけの大勝をしながら何となく冷ややかな雰囲気なのは、投票率の低さが象徴するように、失望の果てに政治が終わりかけているという風景も見えているからではなかろうか。消去法で残ったというより、それでも選挙にまがりなりにかかわった人たちのお祭りが終わったからなのだろうと思う。何かを生み出す事には、たぶん誰も期待してないし、出来れば何も起こらない方がいいのかもしれない。
今までは先延ばしにしないために何かをしなければという議論があったが、今は何か良さそうに思えることがなにも上がっていない。ほとんどは出来れば何もしないか、もしくは誰かもう少しまともな人の話を聞いて、修正を掛けて欲しいという思いの方が強いのではないか。どのみち誰もが納得のいくような事が実現する世界では無いので、とにかく落ち着いて、論理の通る道を模索して欲しいものである。