最近の歌はほとんど知らないはずなんだが、フォーチュンクッキーは知っている。そんなの誰だってそうだといわれそうだが、AKBの歌っているのは見たことは無い。彼女らが元ネタだと知っているくらい知っているのに、オリジナルは知らないのだ。そういうのはカラオケでは何曲かあって、たとえば「バス・ストップ」は持ち歌だけど、歌っているとされる平浩二さんは見たことが無いし、原曲を聞いたこともない。
まあ、そういうことなんだが、これをカラオケで聞いたという感じでもない。聞いたことあるかもしれないけど、気にしたことが無いということか。要するにネット上でふつうの人がこの歌を歌っているというか、厳密にいうと踊っている姿を何回も見たことがあるということなのだ。たぶん流行っているからなんだろうけど、多くの人が入れ代わり立ち代わり場面を変えて踊るのを見るわけだ。楽しそうで何よりなんだけど、これをやるとみんなが盛り上がってさらに仲が良いことがよく分かるということとなんだろうか。まちおこしなんかと関係があるのかもしれない。それにしても僕のような人間でも数バージョンといわず見ているわけだから、日本全国では相当数このような踊りが繰り広げられているに違いない。それだけ有名な踊りなのかもしれない。
みんなが知っている踊りといえば盆踊りなのだが、たぶんこういうものの源流は盆踊りなのではなかろうか。みんなが知っているからみんなで踊って楽しいわけだ。そういう意味ではかなり日本的な楽しさなのかもしれない。
そういえば踊りといえば、苦手意識のある人が日本人には多いという話を聞いたことがあった。でもこのような踊りならばみんなで踊れる。そんなにうまく踊る必要もなさそうで、さらにみんな踊るので抵抗が少ないということかもしれない。このような踊り自体は否定はしないが、外国人からはもっと自由に踊ればいいのに、という意見もあった。もっともそんな意見は的外れで、自由な踊りだったら嫌だというのがそもそもあるから、踊りに苦手意識があるということだろう。踊りに対する個人のセンスというものを問われたくない。そういうものは得意な人がやればいいということなんだろう。
でもそれでも上手い下手はある。本当は自分が上手いと思っている人でも、一人で上手いのはなんとなく嫌だというのもあるのではないか。自分より下手な人も一緒になって踊っていると、自分が上手いのもあんまり目立たず堂々と踊れる。そういう需要がこの踊りにはあるような気がするわけだが、いったい日本人はどんだけシャイなんだ、ということなのかもしれないです。