ジャンケンの時しか見ない番組サザエさん。一時期存続の危機が騒がれていた。理由は他でもなく東芝。いろいろあったようだが、当面スポンサーは降りないことが決まったという。しかしながら経営状態は、引き続き決して良いとは言えない。
イメージとして残すということらしいが、いわゆる白物家電の部門は売るということだから、本当に意味があるのかという声もある。むしろ、そんなことにこだわらずにいいのではないか、ということだろう。首を切られるかもしれない社員などの関係の人は、当然そう思うだろう。東芝がスポンサーを降りたとしても、サザエさん自体は本当に存続の危機だということでは無いようで、サザエさんならスポンサーになってよいとする企業はそれなりにいるらしい。ただし、東芝とサザエさんの関係は、イメージとして深く、そんなに簡単に切れない関係だということの判断なんだろう。東芝と言えばサザエさん。サザエさんと言えば東芝。別ちがたい関係が既に築き上げられたということなんだろうか。
一部上場から転落し、企業規模も大幅に縮小するとみられる会社であるが、そういう余裕はあるんでしょうね。確かに下手な国家よりは巨大な企業とも言われていて、切り売りする部門でも、喜んで買う優良な儲けの見込めるところは多いのだろう。いっそのこと全部買ってもいいとする台湾の企業もあるらしいけど、国家の安全保障と軍事部門にとっても重要な企業であることから、そう簡単な話にはならないらしい。つぶれそうだけど、つぶれたら困るから、つぶせもしないということか。日本と一蓮托生なら、僕らともそうなのか?
そもそも粉飾決済でケチがついてどうするの? というスキャンダルにまみれていたのだが、社外取締役がもっとも多く、もっとも不正のしにくい優良な(ある意味役場的)企業の見本と言われていた。さて、そんな信用を誰がしていたのかということはあるようにも思うが。そう思っていたのは、他ならぬ役人さんたちだったろうし。
不正もそうだけど、よくよく報道の中身を見てみると、やはり国家の指導を忠実に守り、安全保障上原発の管理なども請け負わざるを得なかったとみる方が正直な見方だろう。結果的に、米国の原発企業の負債を無制限に背負わされるという詐欺的な契約に引っかかったとみられている。日本企業だと話せば分かる問題だったはずが、一方的に足元をすくわれてしまった。日本の政府の意向や融資銀行の計画にそのまま乗った為に、貧乏くじを引かされたわけだ。国際企業としての日本の立場の弱さが露呈したとも言われている。ビジネスの戦場で戦うというのは、そのような厳しさの中だということなのであろう。
規模は縮小されるとはいえ、それでもまだ超巨大企業である。海外に身売りできないのなら国有化であるが、それでうまくゆくような国際競争社会であるのかが問題だ。東芝の行く末というのは、きわめて日本の国の縮図のような感じになっているようだ。