カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

もう少し残念な方が面白い   キックアス・ジャステス・フォーエバー

2017-03-31 | 映画

キックアス・ジャステス・フォーエバー/ジェフ・ワドロウ監督

 これは続編映画。一作目で父親を殺されている悪役少年が復讐に燃えて、正義とはいえ暴力を封印されているヒロインと、いまだにヒーローにこだわっている少年団(大人も多いけど)との絡みのある戦いの物語。このシリーズの特徴として、行き過ぎたグロい暴力がありながら、子供心くすぐるオタクの高揚感が最大の売りである。それはある程度心得て続編は作られているはずなんだが、正直言ってかなり失敗している。少し大人になってカッコよさの増したヒロインのヒットガールの魅力は素直に素晴らしいが、それ以外がなんとなく使えてない感じ。いや、そのヒロインの使い方自体も、今一つでもあるし。これはかなり残念な出来栄えというしかないだろう。まあ、オタクなら観るだろうが。
 しかし、オタクでなくても面白かったのが前作で、オタクの良さを描きながら、ちゃんと自虐の自制のコントロールが効いていたという感じもする。今回は、そういう部分の後ろめたさが、かなり後退してしまっている。そこが結局カタルシスとしての爆発を生んでいないのかもしれない。活躍しても、周りからはなんとなく冷たいというか、訳の分からない戸惑いがあった方が深みが増すはずなのに、何かそのまま表舞台に出てきてしまって、戻れなくなっている感じがある。ある程度舞台としては仕方ないのかもしれないが、もう少し地下に居てくすぶっている時間が長い方が、共感として観る分には説得力があるのではないか。正義と言えどもなんかおかしいからこそキックアスは素晴らしいのだと改めて思った。
 そういう訳で失敗作だが、まあ、失敗しててもアクション自体はそれなりに楽しめる。強力な新たな敵も生まれて、別の興味が湧くところもあるかもしれない。ダメなりに惜しい要素があるのは確かで、精査して続編に期待するより無いだろう。
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