カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

電気は点けて眠りましょう   ライトオフ

2022-02-03 | 映画

ライトオフ/デビッド・F・サンドバーグ監督

 電気を消している時だけ活動できる化け物がいる。明るいところでは物理的な力を使えないし、姿も見せられない。しかし暗い部分やライトの光が当たらないところでは自由に動き回ることが出来るのである。そうして猛烈な力と鋭い鍵爪をもち、執念深い憎悪と悪意を持って襲ってくる。
 見始めて少し時間がたつと、この化け物が狙っているターゲットの家族がいるらしく、そもそもの殺人事件も、それに関連するものであったことが徐々にわかっていく。もっともそのような憑き物が何故この家族にまとわりつくようになったのかは、話が進まないことにはわからない。そうして徐々に明かされていく事実を前に、暗黒の家族史のようなものが理解されていくことだろう。娘の彼氏を巻き込んで、なんとか下の弟だけでも助け出そうという展開になるが、家の中では勝手知っている憑き物の前に、どうやって明かりを使って戦い抜くべきなのだろうか。
 ホラーアクションで、そうしておそらく低予算で、無名の役者ばかりが出てくるホームドラマのような展開である。しかしながらヒットしたからこうしてみることができるようになったということが言えるだろう。確かによくできていて、怖いというかびっくりさせられてしまう。後で考えてみると、具体的にひどく残忍なシーンというのはわりに少なくて、ものすごい力で引きずられたり、あっという間にズタズタにされたような場面はあるものの、スプラッターでオエッと来るような感じにはならなかった(少しくらいはなる人はいるかもしれないけど)。そういうのは良心的と言えるのかどうかわからないが、抑制が効いているとことなのかもしれない。
 さらに話が展開していくうちに、この憑き物モンスターもなんだかかわいそうなのである。もう少し時間をおいて話し合う余地は無いのだろうか。狂暴だけれど、狂暴になる理由はちゃんとある。もう元に戻るのが難しいということは分からないではないが、周りはもっと努力すべきことなのではないか。それではホラー映画としては、面白くなくなるかもしれないけれど……。
 尺も短いし、ササッと怖がって楽しむ作品かもしれない。割り切って観ると割合いい映画かもしれません。
コメント
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