ガルリ・カスパロフ著「決定力を鍛える」(近藤隆文訳、NHK出版、2007年)
”棋士というのは、クラブ所属のアマチュアであっても、好みの序盤定跡の手順を覚えることに多くの時間を費やすものだ。この背景には、ある有名なグランドマスターが1962年にまったく同じ局面でどういう手を打ったかを知れば、自分は何も考えなくてもいいという誤解がある。自分より強いプレーヤーが使った手筋をできるだけ長く追いつづければいい。対戦相手より多く記憶していれば、相手はいずれ道をはずれ、ミスを犯すことになるわけだ。
理論上はそうだが、このやり方でもちこたえられることはめったにない。プレーヤーはマスターの称号を得るずっとまえに悟るだろう。どんなに並はずれたレベルであっても、丸暗記は理解することとはほど遠いのだと。(中略)そこにいたるまでの手をなぜ指したかがわかっていなければ、プレーが記憶にない方向におよんだとき、どうつづけたらいいか見当もつかない。”(211ページ)
いいことがたくさん書いてあるんだけど、非常に中身が濃すぎて疲れてしまうことも確か。フォトリーディングなんぞ寄せ付けません。
”棋士というのは、クラブ所属のアマチュアであっても、好みの序盤定跡の手順を覚えることに多くの時間を費やすものだ。この背景には、ある有名なグランドマスターが1962年にまったく同じ局面でどういう手を打ったかを知れば、自分は何も考えなくてもいいという誤解がある。自分より強いプレーヤーが使った手筋をできるだけ長く追いつづければいい。対戦相手より多く記憶していれば、相手はいずれ道をはずれ、ミスを犯すことになるわけだ。
理論上はそうだが、このやり方でもちこたえられることはめったにない。プレーヤーはマスターの称号を得るずっとまえに悟るだろう。どんなに並はずれたレベルであっても、丸暗記は理解することとはほど遠いのだと。(中略)そこにいたるまでの手をなぜ指したかがわかっていなければ、プレーが記憶にない方向におよんだとき、どうつづけたらいいか見当もつかない。”(211ページ)
いいことがたくさん書いてあるんだけど、非常に中身が濃すぎて疲れてしまうことも確か。フォトリーディングなんぞ寄せ付けません。