暮 楽 花 人 の 風

  ★暮らし・花とハーブと手作りを楽しむ★手作り工房「暮楽花人の風」のスタッフがお届けします。

自然の脅威

2007-07-15 09:59:16 | Weblog
          7月15日 台風通過中 

7月の台風としては、観測史上最大の勢力だという台風4号。

あちこちで被害もでているようで、あらためて自然の怖さと人の無力さを感じてしまいます。

少し前に聞いた、厳しい自然のお話をしたいと思います。


このブログでも以前ご紹介し、工房でもお世話になっているルミネステンドグラス工房の原田さん。

ステンドグラスの制作と教室をされているだけでなく、小田原山岳会に所属し、

神奈川の山のガイドブックを書かれている山男でもあります。

そんな原田さんが、今年の初め南米大陸の最高峰・アコンカグアに挑戦した時のことです。

成田を出発してから1日半でブエノスアイレス。さらに11時間かけてメンドーサ。

さまざまな手配を済ませベースキャンプとなる地点に着くまでさらに4日。

         
          ベースキャンプのテント村 標高4200m


 C1のキャンプカナダ

         
          6500m付近 (写真は山岳会の冊子に投稿した記事を写させていただいたので、
                      ピンボケですみません


仲間の体調不良や天候などのアクシデントもあり、C2から先は単独行になってしまったということです。

簡単なハイキング程度の経験しかない私には、標高6500mの世界の話は、別世界。

酸素の薄さになれる為に、何度も進んだり戻ったりを繰返すこと。

あまりの風の強さに、持参したテントでは耐えられなかったこと。

例年なら夏にあたるこの季節は、石と瓦礫の山なのに、ひざ上までの雪に覆われていたこと。

歩いてきた自分のくぼみが、吹雪でどんどん埋められていってしまうこと。

そんな天候の悪化で、残り400mを残して下山。今でも悔しそうでした。

悪天候に見舞われたため、原田さんの指は凍傷になってしまい、下山後現地で入院。

日本に帰ってきた時も、まだ両手の指先すべてが真っ青だったそうです。

でも無事に帰ってきてくれて何より。 今は凍傷も治り、ステンドグラスの制作も開始されました。

そんなお話の中、印象に残った言葉があります。

「一人ぼっちだと、本来自分の持ってる能力の半分も出せないんだねぇ・・・  

これでいいんだと思いながらも、それを確認し合える相手がいないとすごく不安になる。

二人いれば、欠点を補いながら助け合い、本来の力が発揮できるだけでなく、

能力以上の力が出ることもあるのにねぇ。」と。


厳しい自然の中に立った時、思いがけない自然の脅威にさらされた時、

何より力になるのは助け合うこと。

そしてどんな時でも、いい仲間は人生の宝なんだと教えていただきました。