日本の高度経済成長時代のころ、それは大阪万博で建設業界が最も華やか
な時代・・・
「太陽の塔」がシンボルで、芸術は爆発だ!と叫んだ岡本太郎先生と並んで
撮った写真が社長の人生の宝であり、それを話すときの顔はイキイキして
輝かしい。体も若く元気でよく働き、目も、耳も十分な機能をはたしていた。
親分肌だった社長(先輩)は、地元で何度か表彰された。
そして、当時は先輩を頼る人も多く、反面○○組という名前から、近所の人は
誤解する人も多かったらしい。
しかし、若いころの話をする時の先輩は、目も輝き、朗らかである。
当時大阪に住んでいた自分まで、懐かしさが伝染、通院介助のため自動車を
運転しているときに、この話になると運転に集中できなくなる。
そんな時、喫茶店で時を過ごすこととなる。
この地方の喫茶店のモーニングは豪華である。
朝の早い自分にとって、とても幸せなゴールデン・タイムとなる。
昼食をとらなくても、過ごすことができるシルバータイム?
しかし、先輩の昼食は、10時ごろ配達される、今日は注射と診察そして
調剤薬局で薬も受けとらなければならない。
前まで置いてあった目薬がここにないという。
どんな目薬だったかわからない。再度家に帰り、空の目薬を持って
薬屋さんへ、そしたらまた思い出した整髪剤のつばき油。
道理でいつもダンディな先輩。男一人暮らし、目も、耳も不自由。
家の中は整理整頓されきれい、身ぎれいな生活態度がうかがわれる
彼は毎日洗濯、転んでからは外出が億劫になったといいながら毎日散歩。
生きることは大変、これが本当に生きることなのだろう?・・・
今日は本当に、ありがとう!と言われ嬉しかった。
帰りの自動車の中窓を開け、どこかの白い百合の清楚な感じと匂いに
ルンルン気分!単純な自分が好き!
こんなときには、自分をねぎらいビールを飲もう!