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文化学院解体決定の衝撃

昨日(060215)付けの東京新聞記事によると、神田駿河台の文化学院が、
創設者である西村伊作の設計により1937年に建てられた校舎の解体
を発表したとのこと。

いづれ消えちゃうけど東京新聞Web版の記事はこちら
→ http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060215/eve_____sya_____002.shtml

記事によると、文化学院は「耐震性に不安がある」などという意味不明なエクスキューズをしているようですが、
(たかだか四層の建物、なんとでもなりますって。)
やはり記事中にある「校舎の高層化」(全部が校舎かは不明)が肝で、
きっとなんらかのソロバン勘定(学院の経営の健全化とか長期展望とか)から導き出されてきたのでしょう。
しかし自己のアイデンティティを抹殺して何の存在意義があるというのだ!
一度じっくりお話を伺ってみたいものです。

何度もいいますけど、こんな自己のアイデンティティや歴史性を軽視するような輩ばかりではほんと国が滅びます。
三菱地所は八重洲ビルを解体してはいけないし、三井不動産は三信ビルを解体してはいけないのです。
ホントは松竹は歌舞伎座を解体してはいけない、とも言いたいのですが、こちらは被災建物(しかも2度焼けている)だし、
劇場としての機能の問題もはっきり見えているから、今後、松竹が現在の歌舞伎座の建築のもつ精神をどう捕え、
それをどのように継承して行くのかがポイントで、その継承の方法が後世からも高く評価されるようなものになって欲しい、
というのがギリギリ正直なのところのワタクシの希望なのであります。
もちろん私は相当部分を残して再生する事の可能性に賭けて欲しいと願っているものです。

写真は和歌山にある西村伊作邸。
なんとなくマッキントッシュ(グラスゴー派)を思い出させるような雰囲気の素敵なインテリアのお家です。
・・・文化学院の写真はないのです。いつでも撮れると思っていた私が馬鹿だった。
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