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「モダンダンスの歴史」を読んだ。

海野弘さんの「モダンダンスの歴史」を読みました。
例によって二次資料からの莫大な引用と「これから調べてみたい」の嵐ですが、
これだけ広いジャンルを横断してくれる人は他にいないのでしょうがないか。
(なんて偉そうに言ったりして。でも迂闊に引用すると失敗しそう・・・。)

モダンダンスの歴史モダンダンスの歴史
海野 弘

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ところで、海野さんの後書きを読むと、定番的な「モダンダンス史」の本はまだ無い、ということらしい。
それでこの本を書く際には相当苦労をされたらしいのですが、
一応、当初は通史的なものを目指したとはいえ、雑誌連載と言う性格もあってか、
ご自身の興味が向いたところ(&資料がいっぱいあるところ)の分量が
あえて確信犯的に増えてしまう結果、となったらしい。
その意味では「私家版・モダンダンスの歴史」と捉えた方が良い本かもしれませんね。

プラナリア的には;
グルジェフやシュタイナーなどの神秘主義系のダンス(オイリュトミー←リトミックが影響してるんだ)と
ラパンやヴィグマンといったダンサーを介したドイツ・モダンダンスとの関連や、
されにはそれがダダ、そしてナチとどのように関連していたのか!、というとってもワイマールなネタとか、
アメリカのモダンダンス成立期におけるショービジネス(「フォリーズ」とかハリウッドとか)との関係、
マーサ・グレアム(ダンス)とイサム・ノグチ(彫刻家・舞台装置でコラボ)の邂逅の意味、
などなど面白いネタてんこ盛りで、結構厚い本の割にはすらすら読めてしまいました。
(ということはやはり正統派ダンス史を求める人には・・・、なのかな?)
これで大きな写真か、欲を言えば映像!(やっぱダンスだから)が付いていれば最高ですね。

ところで結局イサドラ・ダンカンが良く分からないままに終ってしまいました。
世紀末~アール・デコ関係ではしばしば登場する重要なアーチストなんですが、イマイチ立ち位置がストンと腑に落ちないのよ・・・。

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変なかっこ、実はワケあり

以前N吉さんのBLOGで紹介されていた(気がするけどエントリーが見つけられなかった)
「超合法建築図鑑」(超法規建築図鑑じゃないよ)。
ようやく本屋さんで見かけたので購入してみました。

超合法建築図鑑超合法建築図鑑
吉村 靖孝

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*ピンクのトコがカバーで、写真の部分は帯なんだよ!右下のステッカーも印刷じゃないんです。びっくり。

日本の建物のナナメ壁は外から見ると大変な驚きらしいのですが、
このような建築が建築法規と言う「摂理」に従って粛々と建てられている訳です。
それをタイプ別に整理して簡単に図解した本で、建築実務一年生的なノリが楽しい。
実務ン年生ですっかりすれちゃったプラナリアからみると、
ちょいとばかり喰い足りないな~というところももちろんありますが、
これは別に専門書ではないのでないものねだりというモノでしょう。
都市のありようがどのように規定されているか、じつはね~へっへっへっ、
という感じで建築法規を楽しんだなかなか愉快な本です。
全然かっこつけていない前書きも素敵。
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