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写真 うらりんさん
竹の葉が風で摩擦しながら立てた音に、思わず耳を傾け、
ここが東京都であることすら忘れてしまいそう。
この敷地に踏み入った瞬間から、カメラを持参しなかったことに後悔しました。
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写真 うらりんさん
自然との調和。竹林七賢が訪れそうな場所に、誰しも腰を掛けて茶飲みしてみたくなります。
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のちに、しびれた足で立とうとした時、思わず手で支えようとしたのは、自分の身長よりも高い筍でした(笑)
この日の面々は、知的な俳茶居さん、もの知りで東洋文化が大好きなロバさん、勤勉かつ聡明なルハンさん、そしてこの場にぴったりの雰囲気をもつうらりん先生。
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写真 うらりんさん
茶譜の数々は、ロバさんが中国のお茶研究所の先生から譲ってもらった大変貴重のお茶はがりです。うらりん先生が一つ一つ丁寧に淹れてくださりました。
これまで頂いたことのあるお茶は一つもなく、名前を知っていたのも、こちらの莫干黄芽だけでした。
野山で採れた紫筍茶は、もっと野性っぽいかと思ったけれど、繊細な緑茶でした。
最後に頂いた白芽紅茶(妙喜)は、大変美味のラプサンスーチョンだと思わせてくれました。
大変ご馳走になりました。
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中国茶席の間に、表千家の抹茶席にもお邪魔しました。
竹の水差しは、茶人自らこちらの竹林から選び抜き、手作りのものだそうです。流れのあるお点前に、ただ見とれていました。
同席しましたのは、このお家のお孫さん達です。先ほどまで、竹林で駆け回っていた普通の少年達が、茶席に入ると、大人顔負けの行儀に、それもまた感心しました。
表千家の茶人達は、俳句の達人でもあります。その日に知った「竹の秋」という季語に、興味津津でした。
招待してくださったO家の方々、誘ってくださったうらりん先生、そしてご一緒の皆さま、春に最高の野点でした。
ありがとうございました。
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