世田谷瀬田に佇む三菱財閥ゆかりの静嘉堂文庫美術館へ。
牙をむいて咆哮する、よくあるような獅子のものに対して、岩座の上で憩う唐三彩の仔獅子が可愛かった。
昭和9年、三菱家に伝来した、通称「稲葉天目」は、現存三大窯変天目茶碗の一つ。昨年、拝見した大徳寺のものより眩しい。黒釉に玉虫色の光彩が輝かしい。
口を朝顔に広げた油滴天目の存在は知らなかった。碗の内側のみ斑文が施された稲葉天目と違って、こちらは、大粒の油滴斑が碗の外側までびっしりと浮き顕れた。破格な美をほこる。
江戸光琳派酒井抱一氏の絵も、中々良かった。
三菱家四代目小彌太氏の言葉を記憶に残し、静嘉堂文庫を後にした。
「名器を私に用いうべからず」
と生前一度も窯変天目茶碗を用いることがなかったらしい。
今回、直前に調べでた蕎麦カフェ・西庵でお食事頂きたかった。コロナの中の臨時休業かどうか分からないが空いていなかった。閉店してほしくないなぁ。
静嘉堂文庫が2022年に東京丸の内の明治生命館一階に美術館の展示ギャラリー移転する予定。
次行くのがいつになるかな。
帰り道、近くの緑地で発見した空蝉の薄衣。