ここ半年、なんとなく映画館から遠ざかり、
小説を貪るように読んできました。
柚月裕子の『盤上の向日葵』
すっかり忘れていました。
広州にいた頃、Amazon Japanでkindle版をすでに購入したこと。
向こうではなぜか読みこむ事ができませんでした。
本の存在、最近思い出したのです。
事件を追う時系列と、
苦しみから抜け出すように成功しても、
常に悪人と狂気に付き纏われる棋士上条の生い立ちが交互に進みます。
話しがどこへ向かっているのか
知っていることは心地よい。
と同時に、事件の真相も気になり
神経を立てられます。
多様なキャラ立てもバランス良く、
エンタメ作品として実に上等な仕上がりです。
将棋の知識がまったくなくても愉しませて頂きました。
盤面が分かる方なら、うんと数百倍も愉しめるのではないかと。
プロ棋士の厳しい世界を知らされ、最近活躍されている藤井聡太棋聖の事を、なんとなく連想しながら読んでいました。
読み終わるまで、
「あれっ、筆致の持ち味が全然別物だなぁ」
と数ヶ月前に読んでいた柚木麻子さんの作品だとずっと勘違いしていました。
柚月裕子さんと柚木麻子さん、まったくの他人でしたのに。私、どうしたの(笑)
柚月裕子さんは、おそらくハードボイルドの男性物語を得意としています。ほかの作品も、進んで読んでみたいと思います。
次は、『孤狼の血』かな。