8月も20日を過ぎた訳だが、とりあえずまだ暑い。しかし、セミの声に、「つくつくほうし」に「みんみんゼミ」の声が多くなって来ているので、季節は確実に動いているな…と思う。
以前に、「季節の移り変わりは、どの虫の鳴き声よりも素晴らしい」という1文を、吉田秋生氏の作品から引用して出した事がある。そこで、それを自分なりに考えてみると、こんな感じになった。
春…花を呼ぶ温かい光と風 梅雨の雨音
夏…セミの声と暑さ、青い空、海の青さ
秋…鈴虫を始めとする夜の虫の声 冬に向かう風の音 木々の紅葉
冬…灯りが恋しくなるほどの深い闇と静けさと雪の音
4つの季節を持つ日本が見せる顔はこんな感じであり、その移り変わりは、素晴らしいものとされている。雨季と乾季の2つしかない場合と比較してではあるけれど…。
夏の暑さと共になんと言っても日中の時間が長い事が好きだが、春の風もまた気持ちが良くて好きである。冬の寒さで体と共に心までもが締め付けられる。それを、そっと解いてくれるのが、春だと思う。今では、花粉症が増えて大変な時期ではあるけれど、本来、そんなものだとは思う。
秋は、下り坂を自転車で走る感じで、サーット流れていく気がする。全てが冬という原点に向い戻る様な感じがして、はかない。そして、日に日に短くなる日中の時間帯が、特に「はかなさ」を強調する。
しかし今はまだ、永遠に見える夏の時なので、あえてこれ以上、その先の季節に関して語る事は避けたいと思う。今年は、いつもの年以上に、夏が終わって欲しくない…と思っている。理由は解って解らない。