舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

フラ雑誌三つ巴

2007-07-13 23:11:09 | ぼくはこんな本を読んできた
現在刊行されているフラ雑誌3誌の「2007メリーモナーク特集号」が出揃いましたので、この機会に3雑誌を比べてみたいと思います。
全部ゲットするわという方はもちろんそれでオッケーですが、どれも1,000円以上だから3冊買ったら高すぎるし読むのも大変、と思われる方の参考にしていただければ幸いかと。

まず、改めて3誌を創刊順にご紹介いたしましょう。

一番の古株はアドウェーブ『フラレア』です。
創刊は7年前、まあフラブームはすでに始まっていましたが、これだけカラーページの多いフラ専門誌を出すのはけっこう勇気が要ったはずです。今ほど広告も多くなかったですしね。
しかしこれが大当たり。あれよあれよという間にページ数が増え、カラーページの割合も増加の一途を辿り、いまやたいていのフラ・ダンサーにその名を知られ、押しも押されもせぬ地位に達したといえましょう。

そうなってくると便乗商品が出てくるのが世の常です。
というわけで登場したのがイカロス出版『素敵なフラ・スタイル』(通称すてフラ)でした。
ハッキリ言わせていただきますけどコレ、出た当初の第3号くらいまではげろげろにダサダサ(特に表紙)でした。
思い起こすと恥ずかしいくらいです。っつーか、編集部の皆さんすら、昔のを見るといい大人になってから青春時代に書いた感傷的なポエムを発見したときのように赤面すると思う。まあ、そういうセンスでした。

しかしそのままではさすがにいけないと思ったのか、編集スタッフに専門の知識がない分(※これはあくまで想像ですが、誤字脱字の多さを見ると間違ってはいなさそうだ)、専門家を執筆陣に迎えることにしたようです。
ということで登場したのがわがハワイ語の(いえ語学全般の)スペシャリスト・フセボ先生や、矢口佑人先生だったのでしょう。
なまじの半端な知識を持った人がツッコミどころ満載の記事を書くよりは、こうして確かな実力のある方にお願いしたほうが遥かに賢明です。
というわけで、フセボ先生の連載開始後は毎号買ってます。

なお、ダサ過ぎて失神しそうだった表紙も、最初の数号以降はイラストレーターさんが担当しています。
このイラストに関する私の個人的な好みはさておき、最初の頃のおぞましい表紙よりは間違いなく良いです。よほど読者の不評が殺到したのか.....。

そしていよいよ出ちゃいました3匹目のドジョウ、つまりフォーシーズンズプレス『フラ・ヘブン』
なんかもう、ばりばりフラレア意識しまくりで、発売日もサイズも価格もカラーページの量もこのうえなくソックリです。
創刊号が丁度昨年のメリモ特集に当たったため、わりかしハワイのネタをメインに書いてて良いかもと思って買っていたのですが、すぐに正体が発覚しました。
これ、雑誌じゃないです。フラ&ハワイ広告集です。

ほかのフラ雑誌もたぶんに広告集としての役割を持っている(フラレアの出版社なんて元は広告社ですものね)けれど、フラヘブンはいくらなんでも抜きん出過ぎです。
だって広告を広告として出さず、記事に身をやつした広告の連続なんですもの。
「実力派先生に聞くフラの基本」なんてのを見ると、その「実力派先生」ってのは巻末に教室の広告を出してる先生ばっかりだし、ミュージシャンインタビューをよく見ると別ページに広告が載っているし、今回もウェディング特集のフリをしたウェディング会社の広告が......。
おいおい、あからさま過ぎるんと違いますか。
でもって、よく見ると広告が絡んでなくて文筆担当者自身に知識が求められるような記事は、驚くほど少ないことが分かります。
おそらくやはり編集者に十分な知識がなくて自力でネタを書けず、記事広告を載せればそれでカバーできて一石二鳥だと思ってるんだろうなあ。

天下のファッション雑誌と比べたら申し訳ないけれど、VOGUEあたりにもブランドなどの広告が大量に載ってますが、あれはちゃんと広告自体がアートしてるんで、たくさん見ても楽しいものです。
加えて執筆陣が分かっている人ばかりですから、何かの宣伝のための記事を書くにしても、ちゃんと自分で咀嚼して説得力のある文に仕上げられています。

VOGUEの域を目指せとはいわないけど、専門誌の編集者ならそれはもうプロ。流行に便乗して(上から言われて)あんまり分からないまま始めましたなんて言い訳は通用しませんよ。
素晴らしいフラを踊れるようになるのはとても大変だけれど、自分の知識をふまえた宣伝記事を書ける程度に勉強するのはプロならばまったくもって簡単なことですので、ぜひ精進して下さい。

VOGUEと書いて思い出しましたが、今回は「メリーモナーク衣装ファッションチェック」をのせたフラレアに個人的最優秀賞を贈呈したいと思います。
なぜなら、フラで(特にメリモあたりの大会になると尚更)衣装について言及されるときはどうしても「メレの意味に適切か」のみが焦点となりがちで、ビジュアル的な善し悪しはほとんど注目されなかったのです。
これが我々としては不満だったわけですよ。

今回のファッションチェックにももちろんそういうことも書かれていましたが、加えてバランスから見たレイのボリュームやスカートの裾の長さなど、マミちゃんが普段細心の注意を払っている(のに多くの人は気に留めていない)重要事項へのコメントがあって嬉しく思いました。
私にいわせればまだまだ手ぬるいけれど(笑)まあ、言及されたというのは大きな一歩です。

いつも言ってることですが、どれだけ意味と合っていたってビジュアル的にダサかったらまるで無意味なんですぞ。
センスの良いクムフラの多くは、たとえ誰からも表立って注目されなくても、この点にきっちり気を遣っていることが一目瞭然です。

フラ界はついトラディショナルな意味で優れていることに重きを置かれがちだけど、センスという点で優れたクムフラもどんどん注目され賞賛されてしかるべきだと思いますね。
それがフラ界全体の洗練にもつながると思いますので。

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