私はディズニーリゾートがとても好きです。
どうも愛の形が普通のディズニーファンとはたしょう違う気がしないでもないですが、まあ愛があることにかわりはないわけで。
どのくらい好きって今を遡ること4年前、授業が1時限で終わったのをいいことに、ほとんど発作的に大学からまっすぐディズニーシーに駆けつけたくらい好きです。
それも一人でですよ。
なにぶん発作的だったゆえ、同行の友を見つけることが出来なかったのです。「ねぇ一緒にディズニーシー行かない?今からなんだけど」まず無理でしょう。
幸い真冬の平日で人影もまばら。しかし、ショッピングバッグを持ち首からパスポートホルダーとポップコーンバケツを提げてニヤつきながらひとり園内を闊歩する黒ずくめの女、今思えばそうとう不審だったにちがいありません。
とりわけ明らかに怪しまれていたのは、そのいでたちでマーメイドラグーンで汗を流しつつアイスを貪っている時でした。
寒いと評判の真冬のディズニーシーだったにもかかわらず、あまりにハッスルして歩きまわっていたため、非常に暑かったのです。
とはいえ、私が行けるのはせいぜい年に1~2回がいいところです。
これって「好き」とか言ってるわりには微妙な数字だよな。ディズニー愛がさほどでもない人でも、そのくらいは行ってたりしますもんね。
そうすると、いつ行っても何かしら新しいアトラクションやショーがあります。
こういう頻度になってしまうのはひとえにうちが泊まり掛けでなければ行かないのと、母マミちゃんが病的に飽きっぽいからです。
私が園内で少しでも近道を選んで通っていると、「さっきからここばっか通ってるじゃん。もう飽きたんだけど~~」とぐずりだすほとんど3歳児です。
だから何か目新しいイベントやってるとかダンス中心の新しいショーだとか、そういう飽きないためのエサがないと重い尻が上がりません(重いのはサイズにも問題が)。
まあクリスマスシーズンだけは、パレードのトナカイダンスが母を誘惑してくれそうなので助かります。あの人、何を隠そうトナカイですからね。普通のキャラクターに食指が動かなくても、トナカイにだけは甘いんです。
私は凡そ好きなものに対してストーキング、もとい情報収集で攻めるのが好きなタイプなので、ディズニーガイドブックを異様に大量に持っています。
ちなみにディズニーのガイドには2種類あり、キャラクターや園内の写真・イラストが掲載されている公式ガイドと、それらが載ってない非公式のものがあります。
そういった非公式のガイドブックの一つが、私の最も好きな堀井憲一郎『東京ディズニーリゾート便利帖』(新潮社)なのですね。
そろそろこれのことを書こうと思っていた矢先、めでたく改訂版が発売されました。
私の初版第一刷(表紙が黄色だった)はディズニー行きのたびに持っていき、その前後も読み倒していたので、表紙が取れるほどボロボロです。
こんなになるまで読んだのはこれとアスプリン『マジカルランド』シリーズ初期の作品だけだよ。って、こんなとこでそんな誰も知らないマニアックなユーモアファンタジー出してどうする。
これはじつに画期的なディズニーガイドです。
何が凄いって、既存の非公式ディズニーガイドは口コミであったりとか著者が足を運んだ際に学んだ混雑サバイバル法やお得情報をのせているわけですが、ホリイさんの本に書かれた情報はすべて徹底したフィールドワークによって蓄積された膨大なデータから得たものなのですね。
つまり実際にすべてのアトラクションやレストランの前に立ち、一時間ごと(!)の待ち時間の推移やファストパス(公式に横入りできるチケットのこと、ただし先着順でなくなり次第終了)のなくなり具合などを綿密に調査しているわけですね。
だからこの本に紹介されているモデルコースに「このアトラクションは夜景が綺麗だから夜に乗りましょう」みたいな角度からの判断はなし。あくまでもデータに基づいた「混雑の裏をかくまわり方」「乗りたいものをなるたけ効率良く制覇するまわり方」といった観点から提案されているのですね。
そもそも著者のホリイさんという方は某雑誌で「ホリイのずんずん調査」なんて連載をしている方で、世の中のありとあらゆるもの(たとえば「ラーメン店の冷し中華はいつ始まるか」など)を徹底的に調べあげる執筆家です。
その調査対象を選ぶのが巧いのもさることながら、この方、文章が素晴らしく面白いのです。
というかもう言葉遣いから何から徹底して私好み。ホリイさんの文章を真似したいと思ったこともあったけど、私ごときじゃとても無理です。
くわえてホリイさんはえらく博識で、ディズニーランドのアトラクション解説やなんかを書いてる間にも、いきなりまったく関係のない小ネタに話がぶっ飛びます。これがまた巧いんだな。
あまりに巧すぎて引き込まれ、つい混雑予測のデータより小ネタの方に頭がいってしまい、そっちばかり覚えてしまったりとか。
ホリイさんの知識はカメラの撮り方にまでおよび、ディズニーリゾートでうまく写真を撮るためのコツも伝授してくれます。
これなんかとくに、ディズニーの従業員マニュアルに加えたっていいくらいですよ。だってこないだ私たちに「お撮りしましょうか?」と親切にも撮ってくださった従業員のお兄さん、ホリイさんの指南してたことが出来ていないために、かなり残念な写真の腕前でしたもの.....。せっかく申し出てくれるんなら、ねえ。
あそうそう、所謂「キャスト」を断固として従業員とか係のお兄さんとか呼ぶのも、ホリイさんと私の光栄なる偶然の一致のひとつです(笑)。なんかそういうひねくれ者の匂いに同調している感はあるな。
シンドバッドの冒険をアメリカの正義的に解釈つーか改竄した『シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ』についても、私がうっすら思ったことは私一人の意見ではなかったのね、と安心しました。さすがにシンドバッドの打楽器の叩き方が間違ってることまでは書いてなかったけど(笑)。
巻末にはアトラクションに関係の深いディズニー作品を見ていない人のためのあんちょこもあります。じっさい、発禁になっちゃった『南部の唄』の詳細は、私もここで初めて知りました。
とにかくこの本のいいとこは、ディズニーの公式・非公式のほとんどの本と違い、必ずしも子供連れのファミリー層を対象にしてないことです。
大人向けの情報を中心に載せてくれてるガイドブックってほんと少ないですから、この配慮はありがたいですよ。じっさいにはカップルも大人の仲間同士も私のような大人になりきれない大人も行きたいし、情報を得たがっているわけですものね。
どうも愛の形が普通のディズニーファンとはたしょう違う気がしないでもないですが、まあ愛があることにかわりはないわけで。
どのくらい好きって今を遡ること4年前、授業が1時限で終わったのをいいことに、ほとんど発作的に大学からまっすぐディズニーシーに駆けつけたくらい好きです。
それも一人でですよ。
なにぶん発作的だったゆえ、同行の友を見つけることが出来なかったのです。「ねぇ一緒にディズニーシー行かない?今からなんだけど」まず無理でしょう。
幸い真冬の平日で人影もまばら。しかし、ショッピングバッグを持ち首からパスポートホルダーとポップコーンバケツを提げてニヤつきながらひとり園内を闊歩する黒ずくめの女、今思えばそうとう不審だったにちがいありません。
とりわけ明らかに怪しまれていたのは、そのいでたちでマーメイドラグーンで汗を流しつつアイスを貪っている時でした。
寒いと評判の真冬のディズニーシーだったにもかかわらず、あまりにハッスルして歩きまわっていたため、非常に暑かったのです。
とはいえ、私が行けるのはせいぜい年に1~2回がいいところです。
これって「好き」とか言ってるわりには微妙な数字だよな。ディズニー愛がさほどでもない人でも、そのくらいは行ってたりしますもんね。
そうすると、いつ行っても何かしら新しいアトラクションやショーがあります。
こういう頻度になってしまうのはひとえにうちが泊まり掛けでなければ行かないのと、母マミちゃんが病的に飽きっぽいからです。
私が園内で少しでも近道を選んで通っていると、「さっきからここばっか通ってるじゃん。もう飽きたんだけど~~」とぐずりだすほとんど3歳児です。
だから何か目新しいイベントやってるとかダンス中心の新しいショーだとか、そういう飽きないためのエサがないと重い尻が上がりません(重いのはサイズにも問題が)。
まあクリスマスシーズンだけは、パレードのトナカイダンスが母を誘惑してくれそうなので助かります。あの人、何を隠そうトナカイですからね。普通のキャラクターに食指が動かなくても、トナカイにだけは甘いんです。
私は凡そ好きなものに対してストーキング、もとい情報収集で攻めるのが好きなタイプなので、ディズニーガイドブックを異様に大量に持っています。
ちなみにディズニーのガイドには2種類あり、キャラクターや園内の写真・イラストが掲載されている公式ガイドと、それらが載ってない非公式のものがあります。
そういった非公式のガイドブックの一つが、私の最も好きな堀井憲一郎『東京ディズニーリゾート便利帖』(新潮社)なのですね。
そろそろこれのことを書こうと思っていた矢先、めでたく改訂版が発売されました。
私の初版第一刷(表紙が黄色だった)はディズニー行きのたびに持っていき、その前後も読み倒していたので、表紙が取れるほどボロボロです。
こんなになるまで読んだのはこれとアスプリン『マジカルランド』シリーズ初期の作品だけだよ。って、こんなとこでそんな誰も知らないマニアックなユーモアファンタジー出してどうする。
これはじつに画期的なディズニーガイドです。
何が凄いって、既存の非公式ディズニーガイドは口コミであったりとか著者が足を運んだ際に学んだ混雑サバイバル法やお得情報をのせているわけですが、ホリイさんの本に書かれた情報はすべて徹底したフィールドワークによって蓄積された膨大なデータから得たものなのですね。
つまり実際にすべてのアトラクションやレストランの前に立ち、一時間ごと(!)の待ち時間の推移やファストパス(公式に横入りできるチケットのこと、ただし先着順でなくなり次第終了)のなくなり具合などを綿密に調査しているわけですね。
だからこの本に紹介されているモデルコースに「このアトラクションは夜景が綺麗だから夜に乗りましょう」みたいな角度からの判断はなし。あくまでもデータに基づいた「混雑の裏をかくまわり方」「乗りたいものをなるたけ効率良く制覇するまわり方」といった観点から提案されているのですね。
そもそも著者のホリイさんという方は某雑誌で「ホリイのずんずん調査」なんて連載をしている方で、世の中のありとあらゆるもの(たとえば「ラーメン店の冷し中華はいつ始まるか」など)を徹底的に調べあげる執筆家です。
その調査対象を選ぶのが巧いのもさることながら、この方、文章が素晴らしく面白いのです。
というかもう言葉遣いから何から徹底して私好み。ホリイさんの文章を真似したいと思ったこともあったけど、私ごときじゃとても無理です。
くわえてホリイさんはえらく博識で、ディズニーランドのアトラクション解説やなんかを書いてる間にも、いきなりまったく関係のない小ネタに話がぶっ飛びます。これがまた巧いんだな。
あまりに巧すぎて引き込まれ、つい混雑予測のデータより小ネタの方に頭がいってしまい、そっちばかり覚えてしまったりとか。
ホリイさんの知識はカメラの撮り方にまでおよび、ディズニーリゾートでうまく写真を撮るためのコツも伝授してくれます。
これなんかとくに、ディズニーの従業員マニュアルに加えたっていいくらいですよ。だってこないだ私たちに「お撮りしましょうか?」と親切にも撮ってくださった従業員のお兄さん、ホリイさんの指南してたことが出来ていないために、かなり残念な写真の腕前でしたもの.....。せっかく申し出てくれるんなら、ねえ。
あそうそう、所謂「キャスト」を断固として従業員とか係のお兄さんとか呼ぶのも、ホリイさんと私の光栄なる偶然の一致のひとつです(笑)。なんかそういうひねくれ者の匂いに同調している感はあるな。
シンドバッドの冒険をアメリカの正義的に解釈つーか改竄した『シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ』についても、私がうっすら思ったことは私一人の意見ではなかったのね、と安心しました。さすがにシンドバッドの打楽器の叩き方が間違ってることまでは書いてなかったけど(笑)。
巻末にはアトラクションに関係の深いディズニー作品を見ていない人のためのあんちょこもあります。じっさい、発禁になっちゃった『南部の唄』の詳細は、私もここで初めて知りました。
とにかくこの本のいいとこは、ディズニーの公式・非公式のほとんどの本と違い、必ずしも子供連れのファミリー層を対象にしてないことです。
大人向けの情報を中心に載せてくれてるガイドブックってほんと少ないですから、この配慮はありがたいですよ。じっさいにはカップルも大人の仲間同士も私のような大人になりきれない大人も行きたいし、情報を得たがっているわけですものね。