「アンケートだよ。」
マーがヒカルに言った。
「アンケート。」
「ああ、アンケートをとって客の反応を見るんだよ。ダイレクトメールを送ったり、ファンの集いやったり、プロ志向のバンドはだいたいやってるよ。」
「そうなんだ。マーもやってたの。」
「少しはやってた。でもサポートしてた奴が抜けて・・・まあいいよ。飲もうぜ。」
ハルもミサキもアキコもマサミも心配そうな目で見ていた。
「だいじょうぶだった。」
「ねえ、なんなのあの人。」
「ルシファーさんの熱狂的なファンの方でした。」
「ライブハウスってあんなこともしなくちゃいけないの。」
「そんなことないよ。普通はやらせない。平井さんが気にいってくれたんじゃない。」
マーが言った。
「何で。」
「たぶん・・・・・、こんなこともあるさって感じかな。」
ビーエスエイトのメンバーは観賞用のブースで他のバンドの演奏を全部見た。ルシファーズアイは最後に立ち見の男たちがジャンプして早紀と美幸が投げキッスをして終わった.観賞用ブースには現れなかった。ガンクスは照明も音響も完璧で、客も一番多かった。面白かった。入れ替え制というわけではないのに、ルシファーが終わると客席の半分以上が退場し、それに入れ替わるようにガンクスの客が押し寄せた。マーに言わせるとアマチュアのライブだとそれが普通だということだ。ガンクスの曲はよかった。レコードになっていてもいいくらいだった。彼らは曲間に無駄なおしゃべりを一切しなかった。女性のファンも多かったが男性というより男のファンが多かった。曲が終わるたびに歓声と拍手が沸き起こり、ラストの曲が終わるとアンコールが起こった。恵美子さんが楽屋に走って、ガンクスを呼んだ。気持ちのいいロックンロールが会場を盛り上げた。ガンクスが終わると潮が引くように客がいなくなった。
ミラクルフォースの時には十数人の客しかいなかった。もしからしたら、ビーエスエイトのときより少なかったかもしれない。それでもミラクルフォースはリハーサルでやったのとほとんど変わることなくライブをすすめた。テーブル席の一番奥で女性というより少女が五人、曲にあわせ、踊り、奇声をあげていた。解りやすいラブソングが多かった。乗りも軽快で気持ちよかった。最後の曲が終わると、少女たちがアンコールを必死に叫んだ。恵美子さんはゆっくり楽屋に向かった。ミラクルフォースのメンバーは走るようにステージに戻り、感謝の言葉を述べ、いま、一番聞いてほしい曲。そう紹介していた。最後から二番目の曲をもう一度演奏した。少女たちはほんとに嬉しそうだった。曲が終わるとまた少女たちはアンコールを叫んだ。が、二曲目はなかった。
マーがヒカルに言った。
「アンケート。」
「ああ、アンケートをとって客の反応を見るんだよ。ダイレクトメールを送ったり、ファンの集いやったり、プロ志向のバンドはだいたいやってるよ。」
「そうなんだ。マーもやってたの。」
「少しはやってた。でもサポートしてた奴が抜けて・・・まあいいよ。飲もうぜ。」
ハルもミサキもアキコもマサミも心配そうな目で見ていた。
「だいじょうぶだった。」
「ねえ、なんなのあの人。」
「ルシファーさんの熱狂的なファンの方でした。」
「ライブハウスってあんなこともしなくちゃいけないの。」
「そんなことないよ。普通はやらせない。平井さんが気にいってくれたんじゃない。」
マーが言った。
「何で。」
「たぶん・・・・・、こんなこともあるさって感じかな。」
ビーエスエイトのメンバーは観賞用のブースで他のバンドの演奏を全部見た。ルシファーズアイは最後に立ち見の男たちがジャンプして早紀と美幸が投げキッスをして終わった.観賞用ブースには現れなかった。ガンクスは照明も音響も完璧で、客も一番多かった。面白かった。入れ替え制というわけではないのに、ルシファーが終わると客席の半分以上が退場し、それに入れ替わるようにガンクスの客が押し寄せた。マーに言わせるとアマチュアのライブだとそれが普通だということだ。ガンクスの曲はよかった。レコードになっていてもいいくらいだった。彼らは曲間に無駄なおしゃべりを一切しなかった。女性のファンも多かったが男性というより男のファンが多かった。曲が終わるたびに歓声と拍手が沸き起こり、ラストの曲が終わるとアンコールが起こった。恵美子さんが楽屋に走って、ガンクスを呼んだ。気持ちのいいロックンロールが会場を盛り上げた。ガンクスが終わると潮が引くように客がいなくなった。
ミラクルフォースの時には十数人の客しかいなかった。もしからしたら、ビーエスエイトのときより少なかったかもしれない。それでもミラクルフォースはリハーサルでやったのとほとんど変わることなくライブをすすめた。テーブル席の一番奥で女性というより少女が五人、曲にあわせ、踊り、奇声をあげていた。解りやすいラブソングが多かった。乗りも軽快で気持ちよかった。最後の曲が終わると、少女たちがアンコールを必死に叫んだ。恵美子さんはゆっくり楽屋に向かった。ミラクルフォースのメンバーは走るようにステージに戻り、感謝の言葉を述べ、いま、一番聞いてほしい曲。そう紹介していた。最後から二番目の曲をもう一度演奏した。少女たちはほんとに嬉しそうだった。曲が終わるとまた少女たちはアンコールを叫んだ。が、二曲目はなかった。