奈美江は妊娠が確かなものになるまで、ヒロムの分身をその体内に繰り返し、流し込んだ。
二度の中絶を経験している奈美江は医師から、妊娠は難しいと言われていた。それを奈美江の強い意志が跳ね除けた。日当たりのいい牢獄で、既に、奈美江のペットと化したヒロムは、「命の水」欲しさに奈美江の欲求に従った。時には、奈美江が自分で準備し、ヒロムを押し倒すこともあった。
ヒロムは体型が変わった。
風貌も変わった。
仙人のようになった。
見た目は宗教団体の教祖にふさわしいストイックなものになった。
妊娠がわかったとき、奈美江は性別判断をしてくれる医者を探した。婦人科によっては性別を告知しないところもあったからだ。女子とわかったとき、奈美江は一瞬、たじろいだ。
男子、ヒロムの後継者が欲しかった。が、既に、堕胎は不可能だった。もし堕胎すれば、次の妊娠の可能性はきわめて低いと言われた。「宰」が欲しかった。新しい「宰」になって欲しかった。
奈美江は、ヒロムの後継者を女子にするための方策を考えた。
宰の子であれば・・・・・
「姫」として、その象徴となるというよりも、新たな存在として「流魂」に地位をおきたかった。
二度の中絶を経験している奈美江は医師から、妊娠は難しいと言われていた。それを奈美江の強い意志が跳ね除けた。日当たりのいい牢獄で、既に、奈美江のペットと化したヒロムは、「命の水」欲しさに奈美江の欲求に従った。時には、奈美江が自分で準備し、ヒロムを押し倒すこともあった。
ヒロムは体型が変わった。
風貌も変わった。
仙人のようになった。
見た目は宗教団体の教祖にふさわしいストイックなものになった。
妊娠がわかったとき、奈美江は性別判断をしてくれる医者を探した。婦人科によっては性別を告知しないところもあったからだ。女子とわかったとき、奈美江は一瞬、たじろいだ。
男子、ヒロムの後継者が欲しかった。が、既に、堕胎は不可能だった。もし堕胎すれば、次の妊娠の可能性はきわめて低いと言われた。「宰」が欲しかった。新しい「宰」になって欲しかった。
奈美江は、ヒロムの後継者を女子にするための方策を考えた。
宰の子であれば・・・・・
「姫」として、その象徴となるというよりも、新たな存在として「流魂」に地位をおきたかった。