電影フリークス ~映画のブログ~

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悪客

2019-03-07 08:15:53 | 七十年代作品【1971】

こんにちは。醒龍です。


朝起きたら、たぶんコーヒーの飲みすぎだとは思いますが、急に胃の痛みが起きたんです。でも薬局で処方してもらった富山の散剤がとてもよく効いて驚きました。水とかお湯で飲むと書いてはありますけど、顆粒をそのまま飲むと喉もスーっとして一気に治った気がしてきました。労わらないといけないですねぇ。

本日はまたまたチャン・チェ監督、デイビッド・チャン&ティ・ロンの黄金コンビの映画『惡客(悪客)』です。今回はそこにゲスト・スターとして倉田先生もご登場です。 

またこんな記事が少し書けると思うと、うれしくてうれしくて。どうしてかと言いますと、この映画が邵氏作品中でも作風に気品があり、以前から圧倒的にランクが上だったからなのです。あくまで個人的な意味でですが。

途中からは昔の日本映画みたいな感じになっちゃいますが、そこがまた良いのかもしれません。あとは監督がイメージする日本の文化そのままを表現します。とにかく監督自らヤクザの組長やっちゃうような映画なのです。日本も同じアジアの一国ですので監督は日本人ならこうやるというストレートな表現ですね。

音楽もジャズっぽいのが劇中随所に流れてますが、これも邦画っぽいですね。東京の街を車で走るシーンなんかにかかったりしてますね。例えば、こんな曲とか。モダン・ジャズの名曲ですね。




この映画の視聴に関しては、個人的にはビデオ全盛期(ダビングした物が流通していた時代・・)に店頭で購入した英語版ビデオも観る機会が無くなって来てしまっています。画質は最悪だったのですが、当時はもうそれしか無い、他に手段がない時代でしたのでこのビデオをいつも観ていましたね。

なので、この『悪客』のDVDが以前すんなりと発売されたとき(邦題は「続・拳撃 悪客」となっていました)は大変うれしかったです。前作『拳撃』が先に国内でリリースされていたからでしょうか。しかし、廃盤のため中古市場では現在かなりの高額で取引されています。オークション・サイトでもし1万円台で出品されていたら即ゲットなアイテムでしょう。

ずっと『悪客』に前作があったなんて思ってもみませんでしたが、以前にこのDVDを見た時には英語版との編集の違いに結構驚いたものでした。デイビッド・チャンがノリにノっている様子がきれいな映像で蘇ったんですからこれは大変良かったと思います。

前作を見ている人は分かると思いますが、マフィアのボス・強人(チェン・シン)がつかまって、タイの刑務所から脱獄するところからスタートします。(しかし、チェン・シンは誰かと代わるかのようにそのうち静かにフェード・アウトしていきます。。)

途中、ヤン・スエを筆頭に大勢で日本人観光客に扮して道場を荒らしに来るモブシーン。運転手の役でも登場する若いラウ・カーウィンがいいですね。この頃は邵氏だとこんな感じの顔も分からないようなチンピラの役とか多かったのかも知れませんが、この映画では顔もハッキリ分かりますし、日本人らしからぬ(?)、キレのあるカンフー・アクションを披露していました。

東京に舞台が移り、見慣れた光景も目にすることが出来ます。例えば国会議事堂や新宿の駅周辺などです。西新宿は昔から馴染みがあり、とても好きな場所で私もよく出没しますが、当時香港映画のロケ現場となっていたのですよね。駅の改札前あたりはだいぶ老朽化してますが、ずっと変わらないで欲しい場所ですね。

そうそう、ロケ地に関しては面白い動画がありました。あの”24時間営業あなたのお部屋"の看板でおなじみのあのバーが実際のどこにあったのか、とてもよく観察されています。(パート1~7までに分かれてます。"Angry Guest 1972"で検索するとヒットするかも?)他にもこの映画に出てくる東京のロケ地をくまなく探索されています。まぁよく調べましたね。一見の価値ありと思います。

劇中、しっかり監督は日本的ハラキリ・シーンを挿入しています。これはある意味仕方ありません(ちょっと多用しすぎかな??)が、この映画でも監督のこだわりを見せつけています。英語版は出来るだけシンプルとなるよう余計な部分がカットされコンパクトにまとまっているように思います。過激なベッドシーンも無くかなりオススメでありますね。

さてこの映画には、先述の通り日本が生んだアクション・スター、倉田保昭さんが出演なさっています。彼の自伝には詳しく書かれていますが、海外での映画出演にあたり倉田さんはきっと最善を尽くして挑んだと思います。

結果は見事オーディションをパスして香港でのデビュー作『悪客』に無事出演することができたんですよね。香港のスターやスタッフ(というか監督)の倉田先生に接する態度・様子を見れば、この映画での倉田さんの扱いが分かるではありませんか。自伝には現場のオフショット(武術指導したトン・ガイ、ラウ・カーリョン含めての)もありましたが、皆温かく迎え入れてくれたんですね。

一方、本編では悪客という招かれざる客、もちろん倉田さんを表現しているはずですが、映画のタイトルにもなっている悪客として登場するのです。倉田先生が映画のタイトルになっているなんてスゴいですよね。チン・リーさん演じるユーラン救出後、建築士のファンことデイビッド先生が言うセリフ。ここのシーンが好きですね。


 ファン「近いうちに客人がやってくる。」


ユーラン「客人?」


 ファン「悪客さ。」

長い間眠っていた邵氏帝国が2002年に覚醒した時、この瞬間は今でも忘れることができませんね。それ程多いわけではありませんが、倉田先生もチェンチェ監督作など数本の作品に出演されました。少ないと言ってもややマイナーなタイトル『四騎士』があるものの、これらは結果的に日本では優遇されることになるのです。

自伝にて当時の心境を語っていた通り、香港での第1作目から堂々とした演技を披露されていましたので、すべてが安心して見られる良作ばかりです。

それでは倉田先生の邵氏作品を挙げておきますね。

『惡客』(71) Angry Guest ※本作品

『四騎士』(72) Four Riders

『少林寺VS忍者』(78) Hero of the East

最後の3番目の作品が商品化されたワーナーホームビデオ印のビデオテープも忘れられない映像ソフトということになります。VHSもデッキが壊れてしまったら終わりですが、それまでは生き延びてもらいたいですね。もうちょっと頑張ってもらいましょう。英語版のVHSなんかも今だと逆に手に入らないかもですね。

ラストの工事現場での攻防。セットは邵氏の撮影所のすぐそばでしょうか。沢山出てくるティ・ロンの弟子たち。ここで決着をつけます。そして一人ずつ上着を脱ぐシーンへ。「こいつら誰だよ??」とかなんとか脱ぐ度に一人ずつツッコミを入れつつも(笑)、鉢巻きしながら格闘するシーンは和洋折衷と言いいますか(和中折衷か?)不思議な格闘シーンでありました。こんなバトルはなかなかないでしょうね。

やっぱり古いビデオを引っ張り出してこようかな。時間に余裕があればビデオテープの整理とかやりたいんですよね。休日に少し片付けしたいと思っています。うまい部屋の整理の仕方とかあればいいんですけどね。定期的に不要な物は処分するとか、ちょっとの時間でも意識しておけばもしかしたら出来るかもしれない(笑)。皆さんはどうされていますか?

それではまたお会いしましょう。See you next time!!


Angry Guest (1971)

Director:Chan Cheh

Staring:David Chiang

Ti Lung

Kurata Yasuaki

Ching Lee




【作品DVD】

こちらは高価なのでおすすめしません。なので海外盤がおすすめ(リンクはありません)。


続・拳撃 悪客 [DVD]
クリエーター情報なし
キングレコード


【関連書籍】

・Part I 未読の方は、是非ご一読を。倉田先生唯一の自伝。


和製ドラゴン放浪記
クリエーター情報なし
国際通信社

・Part II 倉田先生の詳しいフィルモが載ってる参考本 (いまなら安いです!先着1名様)。


激突!ドラゴン武術 (デラックスカラーシネアルバム (15))
クリエーター情報なし
芳賀書店

















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