来月にはいよいよジャッキーのとりあえずの新作も2本劇場公開されるのでそろそろ“ジャッキー・フィーバー”にも拍車がかかってきそうな予感です。(今月とかテレビ番組での紹介やCMなんかもあったらいいのですが。)私はどちらかといえば旧作のファンですのでまたいろいろ古い映画でも見てみようかなと思っています。
そして、きっと楽しくなる来月も終わって12月になれば、またすぐに一年の締めくくり、年末に向かって意識が高まっていくと思います。
年末といえば昔は映画がいっぱい放送されたりしたものですが、深夜にテレビをつけっぱなしにしてたら、たまたま映画をやってて見ているとこれがなかなか面白い、ってな感じのパターンがよくあったんですよね。新聞にも解説とか載ってなくて実際に見てみなければどんな映画か全く分からない。ちょっとワクワクしながら見てみる…とか。
そんな昔のことを思い出して、いま再び見直してみたりするとこれがまた新鮮で、気持ちも高揚していろいろな事にもチャレンジしてみたくなります。例えばTBSで夜中に「邪拳迫る!死守せよ少林寺秘伝」放送なんてのもそうだったのですが(これは「飛龍神拳」や「空飛ぶ十字剣」など立体映画の流行った77年製作でした)、最近は深夜にカンフー映画の放送なんて事もめっきり減ってしまいました。(つい数年前ぐらいにはテレ東でも「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」とか「怒れるドラゴン不死身の四天王」なんかも放送していたのにー)まぁ世の中の波というものがあるのでしょうか。
70年代の大昔には台湾製カンフー映画がどっと放送され(ジミーさんのも確かあったはず)いまから思えば本当に豊かな時期で、そんな時代がまたいつかカムバックして欲しい、ただただそれを熱望、熱望の一言であります。 そこで今回は当時放送された中から一本の映画を選んでみました。
昭和50年1月、テレビで放送された作品でマカオが舞台になっています。
タイトルは「燃えよ!ジャガー」(原題『嶺南之虎』)で73年に製作されました。テレビで放送はされましたが、劇場では未公開となっていた映画です。『少林門』で剣士ゾロを演じたヤン・ウェイの主演作で、監督は邵氏のベテラン監督、グリフィン・ユエフェン(岳楓)。
渡瀬恒彦ではありません。ヤン・ウェイです
小さな屋台のラーメン屋”小広東”店主、麥青(ヤン・ウェイ)はマカオの町を牛耳るヤクザたちに猛然と立ち向かう青年。
客が麺に虫を入れていちゃもんを付けるとか、後の『南北酔拳』(1979)で袁信義が演じた主人公にそっくり。
麥青と親しい女性・海棠紅(チン・フェイ)や、孤児の小毛(シュー・チャーリン)が一緒に暮らしている。
(左:チン・フェイ)
次々とやってくるヤクザをやっつけて商店街の人から祝福されるヒーローである。
エディー・コー&リー・ハンチョン
ヤクザの一人、小麻皮(リー・マンチン)はボスの邱六橋(チャン・ナン)連れ、ショバ代をむしり取る。
古いカンフー映画のボスと言えばこの人
麥青をどうにかしたいボスは、怪力の持ち主・趙閻王(トン・ティンヘイ)を用心棒として仲間に引き入れ、麥青たちを封じ込めようとする。
ヤクザたちの横暴に麥青の怒りは爆発するが、強敵・趙閻王があわられピンチ!!
周りにいた大勢の敵から背中を刺されてしまう。
傷つきながらも最後の一撃で趙閻王にとどめを刺した麥青。
致命傷を負った麥青の体にはもはや気力だけしか残っていなかった。
棠紅には不吉な予感が走る。何とか必死の思いで家まで辿りつくと、棠紅たちの目の前で息絶えるのだった・・・。
単純なストーリーですが、ヤン・ウェイのカンフーアクションはダイナミックな動きでカメラワークも素晴らしい。(それもそのはず。撮影師は賀蘭山!)ヤン・ウェイも物凄く乗っている感じ。撮影師が一流だとアクションもこんなにも映えるものなんですね。
それにしても西本さんがなぜ独立プロの作品の撮影師を引き受けたのか?(それは邵氏でお世話になった岳楓監督への恩義に他ならないと思うのですが。実際どうだったんでしょうね?)とにかく見れば一目瞭然。よくある泥臭いカンフー映画とカメラの使い方がまったく違います!(当時としてはかなり斬新なものだったことでしょう)
出演
ヤン・ウェイ(楊威)・・・麥青
チン・フェイ(金霏)・・・海棠紅
リー・ハンチョン(李漢城)・・・亞良
シュー・チャーリン(徐家霖:子役)・・・小毛
チャン・ナン(姜南)・・・邱六橋
トン・ティンヘイ(唐天希)・・・趙閻王
リー・マンチン(李文泰)・・・小麻皮
エディー・コー(高雄)・・・小浦東
タン・ディー(唐迪)・・・唐彪
よくご存知ですね。確かに「叱られて」は後半のシーンで挿入されています。どうして日本の童謡が入ったのか不明ですが、ジーンと来ます。URLにハイライトシーンがあります。