今日で東日本大震災から2年になります。
震災の発生直後、誰もが思ったことだと思います。
「自分に何かできる事はないか」
私達ライオンミドリも、こんな時に通常通りの生活を平然と続けていいものか、いつものように店を開けて、いつものように片付けをして電気を消してお店を閉めて、そんな風にしていていいものか、揺さぶられました。
シェフは「本当は今すぐにでも現地に行って炊き出しの手伝いがしたい」と話していました。
色々な思いがありましたが、私達は私達の仕事をし、それで得たものを被災地の方々に還元していくことを考えていこう。
フランスに訪れる際、必ず数回は足を運ぶ場所があります。
パリのノートルダム寺院です。
ここで東日本大震災の直後、2011年3月13日に犠牲者に対する追悼のミサが行われました。
パリ市民や在仏日本人の方々約3000人が参加したそうです。
ここにみんなが集まったんだ。3000人がぎゅうぎゅうになって、遠い日本へ向けて、東北の人々のために、みんなが祈ったんだ。寺院の中に立ってそう思うと、なんとも表現し難い気持ちになりました。
「とにかく教会に行って祈るんだ」
いてもたってもいられず教会にかけこんだパリの人々の思いを、今でも寺院がちゃんと包んでくれているようなあたたかいものを確かに感じ、涙が止まりませんでした。
震災直後、電話や携帯電話が不通になりました。
関東地方への通話も何時間も不通になり、何度も何度もダイヤルを押して電話を掛け続けました。
どうしても安否を確かめたい人がいたからです。
この時必死でダイヤルを押しながらも、日本中が大事な人の事を思って電話を掛けているんだという事に胸が締め付けられるような感覚がありました。
家に帰ってからも、ずっとテレビで東北の状況を見守っていました。
日本中が、そうだったのではないでしょうか。
人が人を思い、その力に日本中が包まれました。
あの夜を、私達は忘れてはいけないと思います。
2年が経ちましたが、恐縮ながら私達にできることはやはり変わらないのではないかと考えています。
誰かのために、お客様のために目の前の仕事を一日一日精進していくこと、おいしいものを作っていくこと、
その事が廻りまわってという形でかもしれませんが、被災地の方々の一歩につながっていくと信じて、いつものようにお店に立っていこうと思っています。