
店内に飾ってあるフランスの大きな映画ポスターの紹介です。
9月の1枚目は、今年5月に開催された第72回カンヌ国際映画祭の公式ポスターです。
映画祭の今年のポスターのビジュアルに使われたのは、
3月29日に享年90才で亡くなられた「ヌーヴェル・ヴァーグの祖母」と呼ばれている
アニエス・ヴァルダ監督の、1955年に作られたデビュー作『ラ・ポワント・クールト』を
撮影している当時26歳のヴァルダ監督の写真です。
一瞬目を疑う写真ですが、撮影台の上で製作スタッフの男性の背中を台にしてその上に立ち、
カメラをのぞき込んでいます。
その表情が本当に素晴らしいです。

『ラ・ポワント・クールト』は、ヴァルダ監督が育ったフランスの港町セートで
低予算、短期間で撮影された、ヌーベルヴァーグの礎を築いた作品と言われています。
カンヌ映画祭のポスタービジュアルが発表されたのが4月15日ですので
ヴァルダ監督が亡くなられてから2週間位しか経過しておりませんが
その間に、すでに決定していたであろうメインポスターのビジュアルを変更してまで
追悼の意を表したフランスの映画界に拍手です<(_ _)>
オイラ的にも大好きなご夫婦(ご主人も映画監督です)でしたので
相当ショックで、ポスターを飾って追悼するのに時間がかかってしまいました<(_ _)>