ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

空中都市

2008年10月22日 | 世界一周記2008
今ペルーのクスコ市にいる。
久しぶりの更新になる。

キトで無事にブラジルのビザをゲットして、
リマ経由でクスコに着いたのが10月17日。
クスコに一泊して、翌18日に列車でマチュピチュに出発した。
列車が4時間、降りてバスで約30分。
そこからは歩いてすぐのところに遺跡はある。

ゆっくり回っても2時間あれば十分という広さだろうか。
水汲み場とかいろいろポイントはあるが、
マチュピチュの一番のポイントは、
峻険な山の中に忽然とある遺跡全体の光景であることには違いない。
そのために近くにあるワイナピチュという山からマチュピチュを見下ろすために、
幾人もの人がそこに上るのだ。

ワイナピチュは非常に峻険で、私のような年寄りには危険で、
その反対側にも、遺跡から往復1時間半くらいの行程で遺跡を見下ろすことができる山がある。
ここは、なだらかな坂なので、マチュピチュ2日目は朝からここに登り、
下ってからも、遺跡の最上段で、飽きもせず時間ほど眺めていたら、
都合よく日本人ツアーが来て、すぐそばで全体的な説明を始めた。
無料ガイドを雇ったようなものだ。

ワイナピチュに登らなければ、1日の往復ツアーで十分である。
それでも2日間いったことを後悔はしていない。
2日目の帰りには、なお、別れ難い気持ちになったものだ。

旅の最大の目的は終わった。
後はブラジルに行くだけだ。
チチカカ湖にも行くが、やはり遺跡の魅力には抗いがたい。
時の権力と、その権力がなした建造物が、時代とともに朽ち果てていく、
その時の流れがたまらなく魅力的で、空しくて、なんとも言いがたい。

偉大なるインカの遺跡によって、ペルーは莫大な収益を上げている。
しかしそのインカの末裔たちは、その恩恵にあずかることもなく、
下層社会に甘んじているのが、ここペルーの現実だ。
それはまた、中南米の多くの国での現実でもある。
その現実を目の当たりに見ることが、この旅での最も悲しいことだ。

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