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音曲日誌「一日一曲」#222 ボックス・トップス「The Letter」(Best of the Box Tops/Arista)

2023-11-09 05:05:00 | Weblog
2012年6月24日(日)

#222 ボックス・トップス「The Letter」(Best of the Box Tops/Arista)





ボックス・トップスはメンフィス出身のアレックス・チルトン(vo,g)を中心とした5人組バンド。67年にこの「The Letter(あの娘のレター)」で全米チャート1位に輝いたが、そのときチルトンはなんと16歳。スティーブ・ウィンウッドも顔負けの早熟ぶりであるね。

このシブ~い塩辛声の持ち主がミドルティーンだったなんて、とても信じ難いよな(笑)。

ボックス・トップスはその後、何曲かヒットを出して、70年に解散。チルトンは70年代にはビッグ・スターという新たなバンドで活躍。その解散後、79年よりソロで活動するも、時代の流れに乗れず、一時はプロを辞めていたようだ。

80年代にはチルトンの音楽がR.E.M.などの後輩ミュージシャンたちの後押しもあって再評価され、93年にビッグ・スターを再結成して活動していたのだが、さしたるヒットもなく、2010年、59歳の若さで亡くなってしまった。

若いうちに究極の栄光をつかんでしまったチルトン。ひじょうに残念な後半生を送ったわけだが、その音楽の素晴らしさは、この空前のヒット曲がいまだに流れているということで、十分わかるだろう。

メロディラインのセンスのよさ、ことに転調してからのサビのカッコよさといったらないと思う。

これをあのハスキー・ボイスで歌えば、そりゃあヒットして当然ってものだ。

この曲はその後、ジョー・コッカーがカバーして再度ヒットしている。コッカーは、原曲通りのメロディラインで歌わず、かなりフェイクしているが、レオン・ラッセルのすぐれたバックアップのおかげもあって、またひと味違う佳曲に仕上がっている。

ブルース、R&B、カントリーなど、アメリカ南部音楽のエッセンスを詰め込んだ、ボックス・トップスのサウンドは、やはりチルトンのコンポーザー、シンガーとしての才能によるところ大だ。ジョン・フォガティ、レオン・ラッセルにも匹敵する偉大なシンガー/ソングライター。知らない人もぜひ、聴いてみてほしい。

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