ちょうど、今から1年前ころから放射線治療が始まった。
さて・・・・・ 再建と放射線。
このことのリスクが頭でっかちであったことは、「術後に出会った私」の記事で書いたが、頭でっかちの反面、片隅に、放射線を掛けて見事再建をしたという方の存在を、有難いことに私は知っていた。
教えてくれる、お仲間、先輩患者さんに恵まれたからだ。
そこで、私は照射・毎日の通院による「不」の感情をプラスに持っていく手段として、放射線後に再建をかなえた方のブログなどを見るように努めた。
そうした人がいるという存在は、限りなく不可能と思っていた私の中に希望を与えてくれ、
先ずは、喪失感といものの苦しみを軽減するほんの僅かなきっかけになってくれた。
では、 放射線と再建のリスクとはいったいなんなのか?
①照射により、皮膚や脂肪組織は硬くなり、しなやかさが失われていく。
②皮膚の血流そのものが悪くなり、再建時にはがした皮膚そのものが壊死することもある。
③ ②までの事がなかったとしても、つなぐための血管に辿りつくのに困難な場合などもある。
④ ①から③を踏まえれば、必然とインプラントより自家組織というように選択肢が狭められる
しかし・・・・・・こうしたリスクを理解すれば、また別の観点で事が見れる。
①の場合は、新しい胸のための皮膚を伸ばすのに限界があったり、または、ゆっくり慎重にのばさなければならない。しかし、不可能ではない。
②の場合は、再建手術の際にこうした事態になった場合、ドナーとなる皮膚に置き換えるなどの措置で対応できる。また、そうなる可能性の高さを判断するのは熟練の医師であれば、事前に可能と考える方が合理的だろう。いずれにしても、不可能ではない。
③の場合は、放射線照射からの時間を1年以上おき、じっくり皮膚の再生(この1年というのは、組織の回復に必要な最低ラインのようだ。)を待つ。また、つなぎやすそうな血管を見つける力量も優れた医師にはある。よって、不可能ではない。
④の場合、自家組織に思いを絞ればいい。よって、不可能ではない。
つまり、放射線を掛けても、時間をかけ、優れた医師と出会い、ドナーとなる皮膚を使うことも覚悟
(この場合、皮膚感の違いなどで、パッチワークのようになったり、仕上がりの胸のキズが2本・・この葉のような感じになるということもある)
すれば、再建は十分可能なのだ。
そういう再建でも、充分な満足を得られると自分の心に問いかけ、イエスなら、放射線を掛けても再建は出来るという答えになる。
そんな事をきちんと、自分で勉強する機会をもつきっかけとなった出来事。
それが、私が再建を決める瞬間だったのではないかなぁ。
そう、再建胸を生で初めて見た衝撃。その時自分の心が見えた。
その日の出来事はまた・・・つづく
このカテゴリー、次回で完結させますねん
PS
今では、温存の場合は当然のように放射線とセットの治療になるし、私のように全摘でも、病理の結果、リンパ転移が4個以上あれば、胸壁・鎖骨上への放射線を進められる。
また、温存をしたもののその変形に「こんなはずでは・・・・」と心を痛めている患者さんも多いという現実もあるそうだ。
「温存・放射線(変形の可能性)」、「全摘・放射線」、これらと再建のリスク、
そして必ずしも不可能では無いという事は、もっと広く知られる事が必要ではないかなぁ~
と、色んなお仲間のお話しを聞いて感じるこの頃です。