記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

福岡県の学校給食事始め(戦前)

2017年03月19日 21時00分31秒 | 福博まちの記憶

調べるほどにパラドックスに入り、正解が判らなくなる事が時々あります。生出演中のNHK福岡放送局「はっけんTVのふくおか再発見コーナー(3月7日)は「タイムトラベル!大正から昭和の小学校」と題して、戦前の小学校発行の絵葉書を取り上げました。

戦前の学校給食事始めも取り上げたのですが、手元にある諸資料本を読み返して愕然としました。福岡県で最初に学校給食(栄養給食)を始めたのが戦前の奈良屋小学校というのは一致しているのですが、その開始年が書籍や記述によって昭和8年説(朝日新聞出版)、昭和10年説(主に西日本新聞社・江頭光「ふくおか100年」他/福岡市長室広報課発行「ふくおか歴史散歩」等)、そして福岡市教育委員会の通説&奈良屋小学校100年史(平成9年発行)に記されている昭和13年説に分散。肝心の奈良屋小学校はすでに統廃合で無く、その時代に通っていたお歴々に確認するも「昭和13年当時、給食はなかった」という意見も複数(笑)。

ディレクターさんが教育委員会に確認しても根拠は不明(おそらく奈良屋小100年史の記述の引用)という回答。もっとも詳細に記載されている江頭光さんの記述が、関係者に取材していて一番信憑性があるのですが、もう一つ決め手を欠きました。

結果、春吉小学校記念誌の記述などを春吉校区人尊協の会長さんに教えていただき、福岡市議会史などの記述と合わせて(市の学校なので議会で承認が不可欠)状況証拠から昭和13年説が有力だという言い回しで解説。この日の放送台本ではたった1行の解説文でしたが、いいかげんな事は言えないので舞台裏は時間ギリギリまでけっこう大変だったりします(笑)。

番組を通じて、過去の本に記載の事象を再確認する機会をいただき、周囲の方々のご協力を含めていい経験を積ませていただき感謝の日々です。


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