先日入手した西公園からの展望絵葉書2枚、いずれも「映った絵葉書がきっとあるはず」と睨んでずっと探していました。一枚は1925(大正14)年に開設され1929(昭和4)年まで使用された日本航空輸送の福岡入船町格納庫(水上飛行機用)が映ったモノ。九州初となる郵便物輸送用の路線、開設までに格納庫が完成せず開通便はココから西へ1.5kmほどの百道浜へ着水。
ちなみに、百道浜への初着水時の写真は1959(昭和34)年に刊行された福岡市市制70周年冊子「福岡のあゆみ」に掲載されていますが、後年の写真集などでは入船町の風景と解説されているものが多いのは残念です。入船町格納庫の全景写真は、福岡市市制100周年記念写真集「ふるさと100年」に掲載されており、今回の絵葉書と照らして確認しました。場所は、中央区港1丁目付近です。
もう一枚は、中央区港3丁目の福岡造船所入口にある「波戸住吉神社」が映った大正初期の絵葉書です。本ブログでも過去簡単に紹介しましたが、福岡藩二代藩主・黒田忠之公が船入を造り、航海安全祈願のために住吉神社を勧請したのが始まり。
明治期には正午を知らせる大砲(ドン)が置かれた地で、現在周囲は埋め立てが進んでいますが、住吉神社前には中央区役所設置の案内板も設置され往時を感じることができます。向かいにはレトロな佇まいで音楽好きが集う cafe & bar Brisa do さんがあって、神社を訪問参拝するたびにココで休憩して珈琲をいただくのが楽しみ。都心からすぐの場所で、リゾート感とゆったりした時間を味わえます。
似た構図、時代の異なる絵葉書はたくさん所有してますが、はっきり確認できる絵葉書は希少でこれを含めて3枚しか見つけていません。もっとはっきり写っている絵葉書や古写真をさらに探します。それにしても、最近の西公園は展望台に入っても樹木が伸び過ぎで景観が悪化しているのが残念です。マンションなどの高い建物も増えて、最近は同じような構図での撮影は難しいですね。
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