祐徳博物館
前々から佐賀県鹿島市の祐徳稲荷に原画があると噂で知っていたので、や
っと確認しに行くことができた。初三郎は祐徳稲荷を昭和4年と13年の
計2回、さらに8枚組色紙などを描いているが、博物館に常設展示されて
いたのは昭和13年版であった。
原画は博物館の一番奥に丁寧に展示されてあり、退色も少なくキレイな図
である。4年版印刷折本を脇に展示してあるので、こちらの原画は無いか
と主事に確認したところ、展示している13年版のみ。博物館に13年版
の印刷折本は無いとの事で、折本を見せると逆に驚かれた。
さらに色紙の話をすると、資料庫からわざわざ取り出していただき、計8
枚の色紙に、色校正と思われる色違いの同柄の色紙を見せてくれた。色紙
の絵柄は神社境内の景観である。私はその一部、4枚を所有している。
原画は印刷折本とほぼ同じ絵柄で、円熟期の濃淡を活かしたタッチがよく
判る。印刷技術が大きく進化した昭和初期、それまでカラーで写真表現が
出来なかったものが、製版技術が進化して原画のタッチをそのままカラー
写真として取り込めるようになった昭和8年以後の作品は、まだ模索が見
られるものの、原画は濃淡を活かした日本画調表現が進み、その雰囲気が
そのまま印刷折本にも活かされている。
折本で昭和4年版と13年版を比較すると、現在も続く祐徳バスに取って
代わられた祐徳軌道が4年版には描かれている。地元鹿島では商工会が祭
の際に企画展を開催したり度々市民にも見る機会が与えられているようだ
が、その原画が地元にあるのはあまり知られていないようで少々残念だ。
前々から佐賀県鹿島市の祐徳稲荷に原画があると噂で知っていたので、や
っと確認しに行くことができた。初三郎は祐徳稲荷を昭和4年と13年の
計2回、さらに8枚組色紙などを描いているが、博物館に常設展示されて
いたのは昭和13年版であった。
原画は博物館の一番奥に丁寧に展示されてあり、退色も少なくキレイな図
である。4年版印刷折本を脇に展示してあるので、こちらの原画は無いか
と主事に確認したところ、展示している13年版のみ。博物館に13年版
の印刷折本は無いとの事で、折本を見せると逆に驚かれた。
さらに色紙の話をすると、資料庫からわざわざ取り出していただき、計8
枚の色紙に、色校正と思われる色違いの同柄の色紙を見せてくれた。色紙
の絵柄は神社境内の景観である。私はその一部、4枚を所有している。
原画は印刷折本とほぼ同じ絵柄で、円熟期の濃淡を活かしたタッチがよく
判る。印刷技術が大きく進化した昭和初期、それまでカラーで写真表現が
出来なかったものが、製版技術が進化して原画のタッチをそのままカラー
写真として取り込めるようになった昭和8年以後の作品は、まだ模索が見
られるものの、原画は濃淡を活かした日本画調表現が進み、その雰囲気が
そのまま印刷折本にも活かされている。
折本で昭和4年版と13年版を比較すると、現在も続く祐徳バスに取って
代わられた祐徳軌道が4年版には描かれている。地元鹿島では商工会が祭
の際に企画展を開催したり度々市民にも見る機会が与えられているようだ
が、その原画が地元にあるのはあまり知られていないようで少々残念だ。