▶巣ごもりの中、BS1スペシャルは面白くみる機会があった。宗教に関心があるので、その地に住む人々の信仰なるもの、死に対して、地上の人には必ず訪れることに対するその現象に対して、瀬戸内寂聴さんが亡くなられから、ブログの再開を始める。▶ネパール、あの寺院の塔になんでも見通す目を描かれた旗のひらめく建物と言えばだれでも思いだす人がいるかもしれない。死を待つ人々を受け容れる寺院を訪れる。死者の葬り。川の水で浄め・・・といっても、見るからに実に不衛生である。さらにカーリーという神様は血を好むという。右手に剣、左手に男の生首をもって舌👅を出して大きな目で踊るような姿で描かれた女性神。大衆はお祭りになるとカーリーの神にふりかけるために、鶏や山羊の首を切り血を流し振りかける・・・。カーリーの顔は長年のそれでぼろぼろで原型をとどめない。人の歩く道は血だらけだ。犠牲にささげた肉は、みんなで食べるのだという。猥雑ともいえる群れのお祭りに壇蜜さんでないと誰でもこれは嫌だな、不衛生きわまりない・・・。とても死者が喜ぶとは思えないが・・・▶ところが、親族の死者を浄める川に座り葬りの準備をする女性に問いかける・・・「何を思われてますか?」と。以外にもその返答は僕らの常識にあうものだった。これは情報の多くを共有化することができるような時代になったからなのだろうか。終わりに問われたその女性が答える。「世界が平和になりますように願っています」・・・。▶さて、僕は思想的に右でも左でもないが、この国が古代神道であったこと、その真髄に”浄める”ということが基本にあったことをいつも思わずにいられない。「ハレ」と「ケ」(穢れ)。会社の仕事で部下に家が代々神主で神職を継いでいるので、その引継ぎに短い修行をしないといけないと会社の休暇をもらった奴がいた。僕の裏手の山の高台にあがると遙か遠くに古来あがめられて修行の山と知られる神聖なる山が見える。その麓まで行って清い滝に打たれて(ふんどしつけて、女性は白い浴衣のようなものを着るらしい)修行をするという。▶そこで僕はいつも思うのだ。”我、潔ければ、汝らも潔かるべし” これは、世界のベストセラー聖書の神の言葉である。その神の民は、やはり遠い昔、この日本の国に来ていたのだろう。彼ら神の祭儀を司るレビは、やはり代々その職を世代をつないでいく世襲制。神は彼らに割り当ての地上の土地は与えられなかった。”行い”を清くするには、当然、その”心”も清くならなくてはいけないと。彼らは世界に散らされた民の中で神の言葉を取り次ぐ職制を担って今も生き続けているのである。▶「主はあなた達を諸国の民の間に散らされ、主に追いやられて国々で生き残る者はわずかにすぎないであろう。あなたたちはそこで、人間の手の業である、見ることも、聞くことも、食べることも、嗅ぐこともできない木や石の神々に仕えるであろう。しかし、あなたたちは、その所からあなたの神、主を訪ね求めねばならない。心を尽くし、魂を尽くして求めるならば、あなたは神に出会うであろう。」(旧約聖書、申命記4章27-29節)
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