ここ幕張でレッドブル・エアレースが開催されるようになって3年目。
毎年木曜日から練習フライトをする甲高いエンジン音が聞こえるようになると体がムズムズとしてくるんですが、陽を遮る物が何もない砂浜で汗にまみれそしてそのべたつく肌に砂がまとわりつく環境に1日中いることに耐えられそうにないので、いつもその練習フライトを見る(もちろんタダ)だけでした。
でも今年は行くしかありません!
たとえどんなに暑くても!
どんなに暑くて……も…………
やっぱり暑いのはイヤだなぁ……
会場に着いたのは10時40分。
予選が始まるのは16時からでまだまだあるのですが、どうせなら練習フライトやその他のイベントフライトも見たいですから。
だだっ広い海岸線を会場にしているだけにこの時点ではどこでも場所を取り放題です。
小高い隆起に雑草が生えているような小山はさすがに多くの人が既にいましたが、それでもその頂上あたりに一人用の公式レジャーシート(500円)を敷くくらいはできました。
ポイントは長い望遠レンズを着けた一眼カメラを持っていない人の後ろを選ぶことです。
競技が始まれば間違いなく立ちますから。
もちろんぼくも立ちますが。
空を飛ぶのだからどこからでも見えるんじゃない?というのは大間違い。
コースは低空です。
その迫力がウリなのですからね。
15時の時点でこれくらいの人入りになりました。
早く来てこの山上に場所を取ってよかった。
こんな砂浜にシート敷いて見る場所で予選日前売り8000円。
決勝当日なら12000円で2日通し券でも18000円です。
高いか安いかはそれぞれの価値観で変わるでしょうが国際モータースポーツイベントのチケット代としてはべつにこんなものでしょうって感じではあります。
ただやっぱり砂浜にってのがねー
まず11時からのフライトは陸上自衛隊ヘリによる飛行展示です。
AH64D アパッチ・ロングボウのデモフライトから。
カーッチョイー
ただ航過飛行だけで機動展示はなかったのでそれが残念でした。
UH1イロコイはもっと高いところを航過。
こんなショーアップされた場なんだからOH1ニンジャの変態機動を見せれば良いのに。
そのまま帰投するのかと思えばなぜかZOZOマリンスタジアム向こうに着陸。
ファミリーエリアなら間近で見れたのかもしれません。
そして始まったテストフライト。
やっぱりまずはこのRedBullカラーの機体じゃなきゃね。
この練習ではさまざまなライン取りを試していると場内アナウンスの解説は言っていましたが、さすがにそれは見ていてもよくわからなかった。
時速は300kmほどでファインダー内で追うのはそんなに難しくは無いのですがこうしてパイロンとの絡みは一瞬以下なのでそれがとても難しい。
主翼先端のチップが有り無し大小上下と選手によって違うのが面白い。
このコプシュタイン選手の機体は昨年も大きな絵が主翼に描かれていたのだけれどもその絵が同じものかどうかまではわからないなぁ。
今回レンズフードを使ったのですがなんだか回りが少し暗くなっていますね。
ケラレるってやつ?
失敗でした。
そして唯一の日本人選手、室屋義秀選手のフライトが始まりました。
昨年のこの千葉大会は優勝で今年も第2戦のサンディエゴを制しています。
このFALKENカラーはとても発色が良く遠くを飛んでいても室屋選手だとわかるものでした。
現在ランキング2位で3位の室屋選手にとって目下のライバルといえるドルダラー選手ですね。
ほんのコンマ何秒の世界ですがずっと見ているとなんとなく早い遅いがわかるようになっている……気がします。
練習フライトが終了し千葉市消防局による散水ショー?。
全国消防ヘリの定番エアロスパシアル・ドーファン2(仏)のおおたか1号2号です。
まぁエアレースもこのデモフライトも高度が低く海面からの蒸発で見事にどれも画像が揺らいでいますね。
こればかりはどうしようも無いのですがでっかい望遠を着けている写真マニアの人は何か秘訣や道具でもあるのでしょうか?
海難レスキューを想定し救助員を降ろし
サバイバーと一緒に吊り上げて行きました。
ただ航過しただけだった陸自ヘリより見応えはあったな。
でも、場内でかかっていた”川口探検隊アマゾン奥地で巨大アナコンダを見た!”的なBGMはやめてくれ。
”水圧で空をとぶやつ”、誰も名称を知らないこれですが今回始めて知りました。
くっすん、南條さん、ジェットデッキって言うんだって!
このプレイヤーは世界チャンピオンだとかなんとか言っていた。
はーどんな世界にもチャンピオンっていうのがいるもんなんだね。
ミニ四駆とかベイブレードとかデュエルマスターとか……
今となっては日本の空で見るのはこのルフトハンザなどの海外ライナー数社のみという珍しい存在となったB747いわゆるジャンボ機が飛んでいました。
もちろんこれはRedBull関係無い定期便の羽田着陸機です。
以前はB747シリーズなんて珍しくもなんともなかったのに、こうして写真を撮ってしまう存在に。
エアロバティック機によるデモンストレーション。
飛行機が飛ぶ仕組みを知ってはいるつもりなのですが……っていうか知っているからこそ、このエアロバティック機の尋常ではない飛び方は理屈がわかりません。
そして今回のイベントフライトの目玉のひとつ、DC3のデモです。
かわいいなぁ……
1936年に運用が開始された歴史的な名機です。
北西方向の空色が怪しくなってきたのですがそれが良い雰囲気になりました。
陽も大分低くなってきた夕方16時にようやく予選スタート。
今日は風が冷たく過ごしやすい1日でしたがこのころになるとむしろ寒いくらい。
ブラジョー選手がパイロンにヒット。
レースストップになるとすぐさまナイスガイたちが集まり補修作業にはいります。
その間たったの120秒以内。
このナイスガイ(エアゲーター)たちも見所のひとつなのでパイロンタッチ(3秒加算のペナルティ)がないとつまらない。
今回はこの検見川方向左側のシケインからターンまでが皆よく引っ掛けていました。
このターンのライン取りは確かに素人目にも各選手で違うことがわかります。
そして室屋義秀選手です。
タイムは暫定2位の好タイム。
でもその後の2選手に抜かれてしまい4位という少し残念な結果に。
でも、この「残念」っていうのが良いですね。
だって以前なら日本人選手が4位ってだけで十分嬉しかった。
ところが4位で残念っていうのは十分その上を狙えるっていうことなのですからね。
これで予選日のレースプログラムは終了。
でも当然多くの人は帰ろうとしません。
それは……
遠くからでもわかるエアレース機とは明らかに違うこのシルエット。
飛んでいる姿を見たことは無いのに十分知っているこの姿カタチ。
零戦(ニニ型)です。
ニューギニアの飛行場で攻撃され擱座してしまった機体を復元し日本に里帰りさせた機体で、現存する飛行可能機4機のうちの1機だそうです。
残念ながらオリジナルの栄エンジンではなくP&Wに換装されているので音は違うかもしれませんが、そんなことどうでもよくなってしまうくらいに素敵なこの光景は涙が溢れてきてしまいます。
艦艇上から見る敵雷撃機ってこんな感じだったのでしょうか。
始終ド逆光で写真的にはツライものではあるのですがこの零戦里帰りフライトではかえってよい雰囲気に。
場内もなんだか哀愁あるメロディーが流れているし。
現在の技術の象徴ともいえる東京スカイツリーに向かって飛び去っていく当時の技術を集めて作られた零戦。
この零戦は戦うために生まれ日本から遠く離れた泥沼の南方戦線で破壊され朽ち果てていました。
そしてこうしてまた日本に戻ってきました。
その日本の空は血みどろの空なんかではなくエアレースというスポーツの場になりました。
血を流し日本に帰ることも果たせなかった多くの方たちに哀悼と感謝の念を抱きその姿を見送ります。
これですべてが終了。
砂浜から出る場所は狭くとんでもなく混んでいる。
しんみりしたことだし冷たい潮風が心地良いのでもうすこしここに留まっていましょう。
それに陸自ヘリがここで夜を明かすというのは結構な規模の警備や整備部隊や装備が必要となるのできっと帰投するに違いない。
案の定15分くらいで飛び上がりました。
基地祭なんかの所属基地への帰投もただ飛び去るだけでなく一度戻ってきてローパスをやってくれるのでそれも期待です。
ほら
ね。
もう日が沈む寸前です。
明日の決勝は仕事があるので来れないのですが本戦でもタイムアタック形式で予選でもやることは一緒なのでこれで満足です。
今日は涼しい風が吹き過ごしやすかったのですが、それはたまたまのことでやはり灼熱の1日であるのが本来なのでしょう。
来年は……
また前日の練習フライトを見るのみかな。
なんかスゴイのがいたー
2015年のRedBullエアレース練習フライト見物の記
2016年のRedBullエアレース練習フライト見物の記
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