横須賀です。
海上自衛隊の護衛艦DDH144「くらま」が来年の3月で除籍となり、最後の日本一周航海で横須賀に寄港するとのことなので見に行きました。
予想される接岸バースは一般人が見ることができるヴェルニー公園からは遠く、場合によってはほかの艦艇の影に隠れてしまうかもしれないので軍港めぐり遊覧船も14時の便で予約をしてあります。
早朝に入港するかと思っていれば案外歩みが遅く午後になるらしいとのこと。
となればもしかして……期待にドキドキしてきました。
乗っている電車が横浜周辺を走っている時に「くらま」は浦賀水道に入りました。
い……いけるんじゃない?
遊覧船では良い場所を取りたいので1時間前から並びました。
その時点で観音崎沖を通過なのでこれは14時便だとちょうど入港中の「くらま」とすれ違えて大勝利かもしれない……
と……ここまでは夢膨らんでいたのですが、なぜか「くらま」はここからが早く東京湾航路を離れた後は横須賀入港まで一気に距離を縮めてきました。
13時便が乗り場に戻ってきたころに……
あの「カーティス・ウィルバー」向こうに現れたクラシカルなマストは……
20分時間が合わなかったー
列に並んでいるのでもうヴェルーニ公園まで走って行けないし、目の前には遊覧船が入っているしでちゃんと「くらま」が撮れないー
ああ、出船着岸で180度回頭までしているよ。
近くで見たかったぐぬぬぬ……
軍港めぐりが出航したころにはもうすっかり接岸されていました……
まぁそれでももっと後に時間がずれ込んでしまうよりはずっと良いので気を取り直してこの軍港めぐりを楽しみましょう。
そしてこうして一番端でよく見えるY1バースに着けてくれた海自さんには感謝です(もちろんそんなサービスの意図は無いでしょうが)
まずはいつものスタート直後に出会う海上自衛隊の潜水艦でSS505「ずいりゅう」です……ってガイドの方が言っていました。
この横須賀にはそうりゅう型潜水艦は「ずいりゅう」と「こくりゅう」が配置されているのですが、どうやってこのガイドさんは見分けているのかなぁ?
そして米海軍イージス駆逐艦DDG54「カーティス・ウィルバー」正面どーん!
米海軍の戦闘艦艇といえばこのタイプのフネと言えるくらいに多数が就役しています。
DDG52「バリー」、DDG54「ジョン・S・マケイン」、DDG62「フィッツジェラルド」がメザシで並んでいます。
汚い……
もちろん第7艦隊の担当海域の広さと航海の長さからすると当然なのかもしれませんが、比べて海上自衛隊の艦艇っていつも綺麗ですよね。
ソマリア沖で海賊対処任務についた帰りの護衛艦もこんな風に汚れているのでしょうか?
まぁ汚いと言ってもこのアーレイ・バーク級駆逐艦のシルエットは低くか構えている感じでカッコイイ。
DDG65「ベンフォールド」と並んでイージス巡洋艦のCG62「チャンセラーズヴィル」、CG67「シャイロー」、CG54「アンティータム」と4隻もいました。
こうしてみると駆逐艦がどんどん大型化しているのでもう巡洋艦との違いがあまり無くなっていますね。
それにしてもさっきの3隻とここの4隻と今日はかなりの数の艦艇が入港していますよ。
なぜなら……
ギッパー!!
空母CVN76「ロナルド・レーガン」がつい5日前に長い航海から帰ってきたからなんです。
ツイてる。
空母が動くとそれに伴い護衛や補給をする多くの艦艇を伴いますからね。
空母打撃群が帰ってきたということはこの週末のドブ板通りは賑わいを見せるのでしょうか。
正面ドーン
艦の全長は東京タワーとまったく同じな333mです。
東日本大震災のときのいち早い支援ありがとうー!
ここからは横須賀本港を出て遊覧船の船速も一気に高まります。
消磁所近くにヨットが。
あそこからなら「くらま」入港も特等席で見物できますね。
ヨット持ってるお金持ちと友だちになりたいわ。
そしてお隣長浦港ではとても珍しい光景が。
こちらは本港と違って掃海艦や測量艦、潜水艦救難艦などといった補助艦艇がいる港なのでこういった護衛艦がいることはほとんど無いのだそうです。
今日は多くの艦艇が戻っている上に「くらま」まで来るのでバースを空けるためにこの2艦、DD107「いかづち」とDD171「はたかぜ」がこちらに来たようです。
なんでも「いかづち」が長浦港にいるのは初めてのことだそうですよ。
距離にして本港から2kmくらいしか離れていないのですが。
おかげで遊覧船も思いっきり近くまで寄ってくれました。
こちらはいつも長浦にいる海洋観測艦AGS5105「にちなん」とAGS5106「しょうなん」。
AGS5104「わかさ」と潜水艦救難艦AS405「ちよだ」もいつもの顔ぶれ。
波の状態が良いのか退役処分待ちの元「やえしま」と元「つしま」にもこんなにも近くまで接近。
MSO301とMSO302がそろって除籍となるとMSO303「はちじょう」も近いうちに艦番を消されてここに繋がれるんだろうな。
そして本港にもどり本日のメインイベントです。
DD153「ゆうぎり」にDD116「てるづき」
「てるづき」の影にはDD152「やまぎり」も隠れていました。
この時間は逆光が厳しい。
そしてオートフォーカスが横切ったカモメ?ウミネコ?に持って行かれました……
ASE6102「あすか」、DDG174「きりしま」、DD111「おおなみ」に主役のDDH144「くらま」の並びです。
こんなにも多くの艦艇が列んでいるのは見たことがありませんよ。
2週前に来た時には「いかづち」1艦だけだったのに。
これも運次第。
「くらま」が引退すると共にこの「72式射撃指揮装置」も一緒にお役御免となります。
1970年代に進水した護衛艦の中で最後の1艦ですからね。
正面どーん!
主砲塔も2連なのはこの「くらま」が最後です。
これから先、ミノフスキー粒子のような物が登場しない限りはこんなスタイルの艦は登場しないのでしょう。
……と感傷に浸っていたのですがそういえば米海軍最新のDDG1000「ズムウォルト」も主砲2連だね?
まぁあれは主砲弾といってもミサイル的なものだったけか。
主機関が蒸気タービンなのもこの艦が最後なのでアニメ「ハイスクール・フリート」の主役艦である陽炎型駆逐艦をモデルにした「晴風」の機関音もこの「くらま」で収録したそうです。
アニメEDテロップで協力のところに「護衛艦くらま」の名がクレジットされていましたね。
「くらま」はDDHの“H”が示すようにヘリコプター搭載型護衛艦です。
”H”が付かなくともヘリを1機は搭載する艦は多いのですが、この「くらま」は3機を搭載運用することができる艦なので後部がフラットになっています。
今やDDHは空母のような全通甲板を持っているのがあたりまえとなっているのですが、この「くらま」を始め前級の「はるな」登場時はそれを持つことは許されなかった時代なのでしょう。
なんといっても航空母艦は攻撃型軍隊の象徴となるのですからね。
この後には全通甲板を持つ輸送艦LST4001「おおすみ」が登場するのですがやはり案の定自衛隊が空母を保有とさんざん叩かれもしました。
でもこの「おおすみ」型の全通甲板はあくまでヘリコプターの物資輸送時の中継点であって搭載整備運用をすることはできないですから。
それでもそれを隠れ蓑?に使い実績を上げてついに全通甲板を持つ護衛艦DDH181「ひゅうが」、DDH182「いせ」を持つことに。
そしてついには全長250m近くにもなる全通飛行甲板装備の護衛艦DDH183「いずも」を手にするまでになりました。
海上から見上げるともうホントデカイです。
かつては戦艦を国の誉れと言ったのがよくわかります。
今回のこの横須賀での停泊位置はその新旧のDDHが並んだというのは海上自衛隊の粋な計らい……というわけではもちろん無いでしょうがそれでもやはり嬉しかったですね。
ショッピングセンター屋上駐車場から見る夜景の「くらま」と「いずも」です。
この光景見るためにここにある映画館「横須賀HUMAX」で「劇場版艦これ」を見て日が暮れるのを待ちました。
寒さに身が引き締まり気持ちいい。
おつかれさま「くらま」
長い間日本を護ってくれてありがとう。
残りの航海が波穏やかで無事終えますように。
またくるよ。
こんどは「掃海艦はちじょうのポークカレー」食べたいな。
こんな時間の横須賀線上りグリーン車はガラガラでぼくひとりなので
麦汁様を開けよう乾杯!
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