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ひとつ人の世の生き血をすすり
ふたつ不埒な悪行三昧
みっつ醜いこの世の鬼を
退治てくれよう桃太郎
桃太郎(EF210)が牽く長大なコンテナ貨物列車の姿にすら旅情を感じる千葉県民です。
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膳所からは東海道線新快速に乗り彦根に向かいます。
本当だと近江八幡の従兄弟に車を出してもらいアニメ「中二病でも恋がしたい!」聖地である旧鎌掛小学校やヴォーリズ建築のいくつかを見て回る予定だったのですが、その従兄弟とは仕事の都合で会えないことに。
レンタカーを借りる事も考えたのですが、調べているうちにとんでもない?物件を見つけたのです。
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米原に到着。
このN700S、なんかおじさんっぽいというか……深海魚みたいですらあって怖くね?
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近江八幡市は何度も来てはいるけれど、米原は新幹線で通り過ぎるのみで初下車です。
街が開けている方とは反対の東口を出て南に向かい歩きます。
暑い……
めっちゃ暑い…………
11月中旬だよね?
地方に来るといつも思う事。
太陽が痛い。
やはり首都圏とは空気が澄んでいるからとか?
10分ほどへろへろ歩き目的地に到着。
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株式会社「童夢」の本社であり、ファクトリーでもあるこの建物。
正面は総ガラス張りで外からでも見る事は出来るのですが、事前にメールか電話をすればミュージアムと言ってもいいくらいのエントランス内で見学させてもらえるです。
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うーーーん
誰もいない。
廊下右手階段入り口のインターフォン……
建物の建物右手に回ってみてもそれらしい物は見つからない。
ファクトリーに繋がってそうなシャッターはあるけどさすがに違うよな。
もう一度正面入り口から中を覗き込むと、確かに階段とインターフォンが見える。
思い切ってドアを押してみると鍵は掛かっておらず、警備員すらいない。
おいおい、ここにある物全部で何億円になる事か……
中に入る許可を得るために中に入る。
軽く疑問に感じながらも今は昂る気持ちに蓋をして見て見ぬふりをしつつインターフォンのボタンを押す。
すぐに女性スタッフの応答があり、見学と写真撮影の許可を頂きました。
その瞬間安堵と共に身体中からブワーーーっと子どもの頃からの憧憬が溢れ出てきました。
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「童夢ー零」がっ‼︎
本物の童夢ー零が目の前にあるっ‼︎‼︎
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この極端にも程があるだろっ!とツッコミを入れたくなる楔形。
くわーーっっ‼︎‼︎‼︎
カッチョええーーーーーっっ‼︎‼︎‼︎‼︎
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しかもこうしてリアまで回って舐めるように見る事ができちゃいます。
天国?
本当は駅からここまでの間に暑さで倒れているんだろうか?
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後方視界悪そー
でもそこが良い!
しかもこれが量産を前提とした市販車のプロトタイプだというから驚きです。
実際には色々と壁がありプロジェクトは消えてしまいましたが。
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市販を考えているのでちゃんとエアコンも装備されていますよ。
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こんなところにあってもいちいち車を止めてシートベルトを外さないと温度調整すらできそうにありませんが。
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フロントウィンドウの内側ってどうやって拭けば良いんですかね?
長いモップみたいなのを使わないと無理じゃね?
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長年、持っているダイキャストモデルを見ながら疑問に感じていた事。
目の前にピラーがあって運転しにくくない?という事。
こうして本物を見てやっと解決。
大丈夫ですね、これなら。
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細いグリーンのラインがアクセントになってそこがまた良いんだよなー
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ドアノブを引いてガルウイングドアを開けてみたい衝動をグッと抑えます。
スーパーカーキッズはシザーズドアだろうがバタフライドアだろうが上に開くドアは全部「ガルウイングドア」なのです。
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童夢ー零だけではありません。
お隣には童夢×ワコール×スバルのコラボによるバブル期の象徴といえるジオット・キャスピタもいます!
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このスタイリングなのにレースカーでは無く、一般道を走る「自家用車」ですよ。
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バブル期の象徴そのままにバブルが弾けるとこのプロジェクトもまさに泡のように消えて無くなりました。
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ワコールが何故?という疑問は当然の事。
ワコール創業者と童夢の創業者は同級生繋がりで当時モータースポーツにも出資していたんですね。
童夢がデザインしたTOYOTAのグループCカー85Cはカッコ良かったなー
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ここにあるキャスピタはヘッドライトがオーソドックスなスタイルな2号車で、もっと特徴ある1号車の方が好きなのですが、石川県小松市の博物館にあるとの事。
これはそのうち見に行くしか無いな。
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F1参戦を目指して作ったF105もありました。
このマシンを題材にしたプレイステーション用ゲームは一時期没頭しましたよ。
世界のサーキットを舞台にして戦う派手さは全く無く、マシンを開発してタイム計測をするとても地味なゲームではありました。
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しかし、それには童夢のノウハウが詰め込まれていて、前後ウイングの角度や形は当然として、各種ジオメトリーをコンマミリまで調整し、サスペンションアームの位置やコックピットの位置、カーボン繊維の向きまで設定して車体の強度やねじれ具合まで考えるという硬派なゲームでした。
常に腹を路面に打つマシンや反対にフワフワ挙動が軽いマシンしか作れず鈴鹿サーキット1周を2分切る事ができず、あまりの難しさに放ってしまいましたが……
このF1参戦計画もなんやかんやで消えることに。
童夢ってそんなん結構多いな。
そういえばオリンピック競技用のボブスレーを造る話はどうなったんだ。
それまでのボブスレー用のそりは空力的になっちゃいないから童夢が最先端の空力マシンを造っちゃる‼︎と息巻いていましたが……
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DOME RACINGでエントリーしていたシビックは痛車だ!
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ル・マン24hに参戦したS102.5は残念ながらマシントラブルでリタイヤという結果に。
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いやー
もうお腹いっぱい胸いっぱいでございます。
ありがとうございました。
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正面オブジェにあるキャスピタは1号車ですね。
インターフォンでお礼を言って出ます。
結局スタッフの姿は見なかったし出た後にドアが施錠された気配も無い。
大丈夫なの?
まぁ監視カメラはあるのでしょうけれど。
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ファクトリー横の公園にも気になる物件はありますよ。
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新幹線用高速車両実験車が展示されているのです。
これは新幹線車窓から見えるので有名かも知れませんね。
米原に停車するひかりやこだまならともかくのぞみからは一瞬しか見えませんが。
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WIN350カッコいいなー
この後はこれら最新テクノロジーとは今では真逆となるガチャコンに乗りますよ。
今回は全然おけいはんになってないなw
確かに今回は、おけいはんになっていませんでしたが、自分は今回の記事を読むのに最も時間を割いていました。
良いですね~。童夢本社って、米原にあったんですね。知らなかったです。自分は車の事は全く知らないのですがスーパーカー(今でもこう呼んで良いのでしょうか)のフォルムは見ているだけでワクワクしちゃいます。
フォーミュラーカーも一度は、そのシートに座ってみたいものですね。
と~~っても素敵な記事を、ありがとうございます。
大阪・摂津市。新幹線基地(鳥飼基地?)に隣接して小さな公園、新幹線公園(地元民の俗称?)があります。0系の先頭車両が展示・解放されている、本当に小さな公園です。桜や菜の花の咲くころに車内座席でお弁当を食べながら車窓に映るその風景を眺めるのは最高です。今でもあるのかなぁ~。そんな事を思い出しました。
アニメの聖地巡礼ついでに乗り物系の趣味をこなしたいのですがやはり数多くを追うには時間が無さすぎて……
今回も京都の鉄道博物館に行くことができませんでした。
次回こそは!