ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

古木場ダム

2019-07-17 19:48:56 | 佐賀県
2019年7月11日 古木場ダム
 
古木場ダムは佐賀県西松浦郡有田町古木場の有田川水系有田川源流部にある灌漑・上水道用水目的のアースフィルダムです。
農水省の補助を受けて1973年(昭和48年)に着手された佐賀県のかんがい排水事業に水道事業者として有田町が加わり、1998年(平成10年)に竣工しました。
運用開始後は国見土地改良区が受託管理を行い、国見地区の農地874ヘクタールへの灌漑用水を供給、有田町へ上水道用水の供給を目的としています。
 
『有田ボーセンリンパーク』の北側を有田川に沿って東に進むと右手に古木場ダムが見えてきます。
堤高26.8メートルのアースフィルダムで、西日本の溜池としては珍しく7月のこの時期に草が刈られています。
堤体左岸(向かって右側)に洪水吐導流部があり、ダム下には利水放流設備や揚水機場などが並びます。
 
右岸ダムサイトに建つ金箔文字の竣工記念碑。
 
天端は車両通行可能ですが、対岸先で行き止まり。
左岸法面上は焼き物のテーマパーク『有田ポーセンリンパーク』。
 
左岸の洪水吐を遠望
上流面はロック材で護岸されています。
 
ダム下の眺め。
広場はヘリポートかな?
 
貯水池は総貯水容量117万2000立米。
 
左岸の斜樋。
 
洪水吐斜水路と減勢工
奥に放流設備が見えます。
 
横越流式洪水吐。
 
左岸から上流面。

2542 古木場ダム(1465) 
佐賀県西松浦郡有田町古木場
有田川水系有田川
AW
26.8メートル
193メートル
1172千㎥/1098千㎥
国見土地改良区
1998年

矢筈ダム

2019-07-17 13:38:00 | 佐賀県
2019年7月11日 矢筈ダム
 
矢筈ダムは佐賀県武雄市西川登町神六の六角川水系六角川源流部にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、六角川上流部の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、武雄市への上水道用水及び工業用水の供給を目的として1993年(平成5年)に竣工しました。
 
ダムのすぐ下流を武雄と波佐見を結ぶ県道102号線が走っています。
ダム下には野球場、洪水吐導流部には壁画とちょっとよそでは見られない光景です。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートを5門、その右手に常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲートを装備しています。
 
野球場とダムの間は親水公園になっています。
導流部に描かれているのは川のせせらぎとそこを泳ぐ魚。
壁画のあるダムはいくつかありますが、導流部に描かれているダムは初めて見ました。
 
ダム左岸よりのオリフィスゲート
ここだけ切り取っても一つのダムのよう。
 
上流面。
 
右岸に建つ金箔仕様の竣工記念碑。
 
ダム湖は総貯水容量139万立米
西九州自動車道が跨いでいます。
 
右岸管理事務所
艇庫とインクラインが併設されています。
 
減勢工と副ダム
左手は利水放流設備。
 
ダム下を広角で撮ると
横長の減勢工と野球グランドに目が行っちゃいます。
 
下流面
減勢工は横長で左岸寄りに導流路が続くのが特徴です。
 
中規模なダムですが、導流部に描かれた壁画、ダム下の野球場、ダム湖を跨ぐ高速と特色が多い矢筈ダムです。
 
(追記)
矢筈ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
2558 矢筈ダム(1464) 
佐賀県武雄市西川登町神六
六角川水系六角川
FNWI
32.5メートル
199メートル
1390千㎥/1310千㎥
佐賀県県土整備部
1993年
◎治水協定が締結されたダム

岩屋川内ダム

2019-07-17 11:18:43 | 佐賀県
2019年7月11日 岩屋川内ダム
 
岩屋川内ダムは佐賀県嬉野市嬉野町の塩田川水系岩屋川内川にある佐賀県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
塩田川水系では出水が多く、1962年(昭和37年)7月豪雨を契機に主要支流岩谷川内川への治水ダム建設が進められ、1973年(昭和48年)に岩谷川内ダムが竣工しました。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、塩田川水系の洪水調節・安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給を目的としてしています。
しかし、1976年(昭和51年)にも大きな洪水被害が発生したことで、新たに塩田川支流吉田川への治水ダム建設が着手され、2001年(平成13年)に横竹ダムが竣工しました。
両ダムの完成により塩田川水系での治水能力は大きく改善しました。
 
嬉野温泉から岩屋川内川沿いに県道6号を南に進むと岩屋川内ダムに到着します。
ダム下から。
非常用洪水吐としてクレストにラジアルゲート2門を備え、常用洪水吐としてハウエルバンガーバブルがあります。
佐賀県営ダムでラジアルゲートを装備しているのは当ダムだけ、佐賀県内のダムの中でも他には北山ダムがあるのみです。
 
左岸から下流面。
 
天端は車両通行可能です。
 
天端からの眺め。
 
右手は利水放流および灌漑用水ゲートです。
岩谷川内ダムには新規灌漑用水容量の設定はなく。不特定利水容量から既得取水権として灌漑用水が補給されます。
 
ダム湖は総貯水容量250万立米。
 
右岸から下流面
対岸は管理事務所
いかにも昭和40年代のダムといった風情。
 
上流面。
 
上流から
グリーンのゲートが鮮やかです。
左手は常用洪水吐(ハウエルバンガーバルブ)の予備ゲート。
水位が低く思えますが、治水ダムということでこれが常時満水位です。
 
佐賀・長崎ではおなじみの金箔仕様の竣工記念碑ですが、文字がずいぶん剥げています。
 
2533 岩屋川内ダム(1463) 
佐賀県嬉野市嬉野町岩屋川内
塩田川水系岩屋川内川
FN
59.5メートル
192メートル
2500千㎥/2280千㎥
佐賀県県土整備部
1973年 

都川内ダム

2019-06-04 22:57:23 | 佐賀県
2019年5月24日 都川内ダム
 
都川内(みやこがわち)ダムは佐賀県伊万里市大坪町丙の伊万里川水系古賀川左支流都川内川にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、都川内川・古賀川・伊万里川下流部の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、伊万里市への工業用水の供給を目的として2002年(平成14年)に竣工しました。
多目的ダムですが、伊万里市への工業用水供給を主目的として建設されました。
 
まずはダム下から
洪水吐は自由越流式クレストゲート1門だけで。
越流部に切り込みがありこれで常用・非常用を兼ねています。
左下の建屋は低水放流設備。
 
左岸から下流面
ダム下から見上げるとさほど幅がないように見えたんですが、堤頂長は200メートル近くあります。
対岸の建物は管理事務所。
 
ダム一帯は公園として整備されています。
市街地に近いことからウォーキングや散歩をする市民が多いようです。
 
天端は車両通行可能。
 
竣工記念碑は金箔仕様。
 
天端中央のベンチ。
焼き物の街らしく高欄には伊万里焼の陶板がはめ込まれています。
 
そのうちの1枚。
 
減勢工と低水放流設備
ダム下も親水公園になっています。
 
ダム湖の名前は『いなさ湖』
総貯水容量は113万立米と県営ダムとしては小さめ。
 
上流面
手前から取水設備とクレストゲート。
 
3138 都川内ダム(1448) 
佐賀県伊万里市大坪町丙
伊万里川水系都川内川
FNI
31.5メートル
199.6メートル
1130千㎥/1110千㎥
佐賀県県土整備部
2002年

眉山溜池

2019-06-04 20:00:00 | 佐賀県
2019年5月24日 眉山溜池
 
眉山溜池は佐賀県伊万里市大川町大川野の松浦川水系井手口川左支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には井手口地区の事業で1946年(昭和21年)竣工と記されています。
現地竣工記念碑には溜池建設から完成に至る経緯が詳しく刻されており、それによれば1939年(昭和14年)に西日本で発生した大干ばつは井手口地区にも大きな打撃を与え、これを契機に眉山山麓に新たな灌漑用溜池の築造を決めました。1940年(昭和15年)に着工された新溜池築造事業は戦時下の物資や人員不足をはねのけ、終戦後の1946年(昭和21年)に無事竣工しました。
眉山池は現在も井手口地区が管理を行っており、現地では『新溜池』と呼ばれています。
 
今回は入会地の整備を行っていた井手口地区役員の皆さまと遭遇し、溜池について多々お話を伺うことができました。
井手口川ダム建設に際して地区内で長く意見の対立等があったこと、2012年(平成24年)のダム完成による河川維持放流で井手口川からの取水環境が改善したこと、眉山溜池は地元では『新溜池』と呼ばれいまも貴重な水源となっていることなどご教授いただけました。
 
下流面は草ぼうぼう
毎年稲刈り終了後に草刈りをするそうで、冬に来ればきれいに刈られた姿が見れるようです。
 
天端。
 
総貯水容量11万立米と小さな溜池ですが、井手口地区にとっては貴重な水源となっています。
奥の山は池の名前の由来となった眉山。
 
右岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
上流から。
 
草が生えていますが上流面はコンクリートで護岸されています。
 
ダム左岸の竣工記念碑。
 
眉山池紀念碑と彫られ、基部には溜池建設から完成に至る経緯が詳細に記されています。
 
2521 眉山溜池(1447) 
ため池コード 412050803
佐賀県伊万里市大川町大川野
松浦川水系井手口川左支流
17メートル
77メートル
110千㎥/99千㎥
井手口地区
1946年

井手口川ダム

2019-06-04 00:52:49 | 佐賀県
2019年5月24日 井手口川ダム
 
井手口川ダムは佐賀県伊万里市大川町の松浦川水系井手口川上流部にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、井手口川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、伊万里市への上水道用水の供給を目的として2012年(平成24年)に竣工しました。
 
ダム下は公園になっており芝生の広場が広がります。
堤高43.7メートル、堤頂長235メートルの横長堤体。
クレスト自由越流頂4門、自然調節式オリフィス1門のゲートレスダムです。
ゲートは堤体左岸(向かって右側)に寄っています。
 
洪水吐直下から。
 
天端は車両通行可能。
 
右岸上流から
ゲート右手に取水設備があります。
 
減勢工とダム下の眺め
減勢工右手の白い建屋は利水放流設備。広場の先には浄水場があります。
 
総貯水容量は218万立米。
 
左岸から
ゲートが左岸に偏っているため、減勢工は細長くなっています。
 
上流面
手前に浮桟橋があり巡視艇が係留されています。
右奥は管理事務所。
 
左岸上流から。
 
竣工記念碑
2012年竣工のダムということで、記念碑の金箔文字も余所よりも輝きが眩しい。
 
(追記)
井手口川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
3053 井手口川ダム(1446) 
佐賀県伊万里市大川町東田代
松浦川水系井手口川
FNW
43.7メートル
235メートル
2180千㎥/2030千㎥
佐賀県県土整備部
2012年
◎治水協定が締結されたダム

伊岐佐ダム

2019-06-04 00:47:21 | 佐賀県
2019年5月24日 伊岐佐ダム
 
伊岐佐ダムは佐賀県唐津市相知町伊岐佐の松浦川水系左伊岐佐川上流部にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、左伊岐佐川及び伊岐佐川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、旧相知町(現唐津市相知町)への上水道用水の供給を目的として1979年(昭和54年)に竣工しました。
 
県道40号伊岐佐交差点付近から伊岐佐ダムが遠望できます。
 
ダムへ通じる道道路から。
クレストにローラーゲートが2門。
 
右岸ダムサイトに管理事務所や駐車場がありここに車を置いてダムを見学します。
クレストのローラーゲートのピアには螺旋階段。香川県ではおなじみですが佐賀では初見。
 
減勢工。
 
堤体前面に突き出た放流設備
写真では分かりませんが常用洪水吐として高圧ラジアルゲートのコンジットゲートと、利水放流設備としてのホロージェットバブルを装備しています。
訪問時はホロージェットバルブから利水放流中。
 
洪水吐導流壁左側のピラミッド状のフーチング。
こういうタイプは初めて見ました。
 
左岸から下流面
対岸正面が管理事務所。
 
ダム湖は総貯水容量194万立米。
 
ピア左手に作業用クレーン、その手前に取水設備。
右岸にはダム湖へ下りる階段があります。たぶん階段の下に浮桟橋があるんだと思います。
 
金箔仕様の竣工記念碑。
 
実は伊岐佐ダムは遊歩道でダム下まで下りることができます。
ただこの日は昼食直後の満腹状態に加えて、5月なのに気温30度の異常気象、ということで標高差60メートルの帰りの登り返しを考えてパスしてしまいました。
 
(追記)
伊岐佐ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2540 伊岐佐ダム(1445) 
佐賀県唐津市相知町伊岐佐
松浦川水系左伊岐佐川
FNW
58.5メートル
203メートル
1940千㎥/1660千㎥
佐賀県県土整備部
1979年
◎治水協定が締結されたダム

平木場脇ダム

2019-06-03 19:49:36 | 佐賀県
2019年5月24日 平木場脇ダム
 
平木場ダムは1983年(昭和58年)に松浦川水系町田川上流部に建設された佐賀県県土整備部が管理する多目的ダムです。
満水時に貯水池左岸から水が溢れてしまうため、全長390メートルに及ぶアースフィルの副堤が建設されました。
これが平古場脇ダムです。
脇ダムながら堤頂長で主ダムの約3倍、堤体積では約10倍の規模となっており、スケールでは主ダムをはるかに凌駕しています。
主ダムと脇ダムの位置関係は下の地図の通りで、地図の赤線が主ダム、青線が脇ダムです。
 
平木場脇ダムに沿って県道33号線が走っています。
 
脇ダム左岸(ダム湖上流側)に展望台があり脇ダムを見下ろせます。
堤体は下流側を角にしてに屈曲、上流面はコンクリートで護岸されています。
右奥に主ダムが見えます。
 
天端は主ダムダムサイトから舗装された道路が続きます。
歩行者は立ち入り可能でちょっとした湖畔の遊歩道の趣。
 
脇ダム天端に下りてみます。
右奥に辛うじて玄海灘が望め『海が見えるダム』です。
 
主ダムダムサイト(脇ダム右岸)から
 
ダムサイトから奥の展望台まで往復約800メートル
軽い散歩にはちょうどいい距離です。
 
3586 平木場脇ダム(1444) 
佐賀県唐津市神田
松浦川水系町田川
FNW
28.2メートル
390メートル
1080千㎥/1024千㎥
佐賀県県土整備部
1983年

平木場ダム

2019-06-03 11:47:02 | 佐賀県
2019年5月24日 平木場ダム
 
平古場ダムは佐賀県唐津市神田の松浦川水系町田(ちょうだ)川上流部にある佐賀県県土整備部の多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで町田川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、唐津市への上水道用水の供給を目的として1983年(昭和58年)に竣工しました。
ダム名は計画段階では河川名から町田(ちょうだ)ダムとなっていましたが、運用開始後は水没集落の地名を採用して平木場ダムに変更されました。
 
なお平木場ダムでは満水時での左岸からの溢流を防ぐため、重力式コンクリートの主ダムのほか左岸にアースフィルの脇ダムが建設されています。
脇ダムの規模は堤頂長で主ダムの約3倍、堤体積では約10倍の規模となっています。
主ダムと脇ダムの位置関係は下の地図の通りで、地図の赤線が主ダム、青線が脇ダムとなります。
 
唐津市街から西へ向かう県道33号線沿いにダムがあり、入口に標識も出ているのでアプローチは簡単です。
左岸から下流面
波返しの付いた堤趾導流壁が目を惹きます。
 
天端は車道で右岸にある集落へと続いています。
親柱の円球の装飾は何を意味してるんでしょう?
対岸の斜面崩落は2018年(平成30年)の西日本豪雨によるものです。
 
減勢工と放流設備
福岡県営ダムでよくみられる減勢池がついた放流設備。
ここから浄水場に直接水が送られます。
 
ダム便覧には『ダム天端から玄界灘と唐津城をセットで望むことが出来るというが、本当だろうか。』と書かれていますが、
本当です!
望遠で撮ったものをトリミングしたので画質は悪くなっていますが、唐津城と海がはっきりと見えます。
 
ダム湖は総貯水容量108万立米と県ダムにしては小ぶり。
職員さんの話では、今年は降雨量が少なくこの時期にしては貯水量がかなり厳しいそうです。
 
右岸から天端と管理事務所。
 
左岸にある金箔仕様の竣工記念碑。
 
左岸から上流面
非常用洪水吐としてクレストに自由越流式洪水吐が7門
常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲートが1門。
 
上流から遠望。
 
脇ダムと主ダムをセットで。
 
全国でも珍しい海と城が見えるダムです。 
 
(追記)
平木場ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
2543 平木場ダム(1443) 
佐賀県唐津市神田
松浦川水系町田川
FNW
29.5メートル
117メートル
1080千㎥/1024千㎥
佐賀県県土整備部
1983年
◎治水協定が締結されたダム

赤坂ダム

2019-06-03 09:46:10 | 佐賀県
2019年5月24日 赤坂ダム
 
赤坂ダムは佐賀県唐津市肥前町赤坂の座川水系座川源流部に灌漑目的のロックフィルダムです。
佐賀県北西部の東松浦半島はその大半が上場(うわば)台地と呼ばれる火山性土壌によって形成された台地で、水利に乏しく古くから農地開拓は困難を極めていました。
1973年(昭和48年)より国営の『上場土地改良事業』が着手され2期にわたる事業の結果5基のダム、13箇所の揚水機場、延長77キロの幹線水路の整備が行われました。
同事業により松浦川から揚水された水が5基のダムに合計で1000万立米以上貯留され、新たに5000ヘクタールを超える水田、畑、果樹園への灌漑用水の補給が可能となりました。
赤坂ダムは5基のダムの一つとして1992年(平成4年)に竣工し、運用開始後は唐津市が受託管理を行っています。
総貯水容量は146万立米と全体貯水量の15%弱の貯水を担い、この大半は松浦川からの揚水に依存しており事実上の河道外貯留方式となっています。
 
ダム下から見える堤体は堤頂長256.4メートルの一部にすぎません。
ダム下では洪水吐からの導水路と取水設備からの水路、松浦川からの幹線水路が交差しています。
 
向かって左手が洪水吐からの導水路、右手は取水設備からの水路
サイフォンで交差しているパイプラインは松浦川からの幹線水路
右奥の建屋は揚水機場です。
 
ダムサイトに上がります。
左岸に駐車場があり記念碑や案内板が建っています。
竣工記念碑は金箔仕様。
 
左岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
天端からの眺め。
 
総貯水容量は146万立米
灌漑期を迎えて用水補給が多いせいか水位がずいぶん下がっています。
 
水位が下がり、普段湖底に沈んでいる立ち枯れの木も姿を見せています。
 
リップラップはよく整備され草木がまったく生えていません。
 
ダムの周囲には風力発電が立ち並びます
天端は車両通行可能ですが、右岸で行き止まり。
 
2548 赤坂ダム(1442) 
佐賀県唐津市肥前町赤坂
座川水系座川
30.4メートル
256.4メートル
1460千㎥/1450千㎥
唐津市
1992年

後川内ダム

2019-06-02 16:49:02 | 佐賀県
019年5月24日 後川内ダム
 
後川内(うしろがわち)ダムは佐賀県唐津市後川内の有浦川水系後川内川源流部にある灌漑目的のロックフィルダムです。
佐賀県北西部の東松浦半島はその大半が上場(うわば)台地と呼ばれる火山性土壌によって形成された台地で、水利に乏しく古くから農地開拓は困難を極めていました。
1973年(昭和48年)より国営の『上場土地改良事業』が着手され2期にわたる事業の結果5基のダム、13箇所の揚水機場、延長77キロの幹線水路の整備が行われました。
同事業により松浦川から揚水された水が5基のダムに合計で1000万立米以上貯留され、新たに5000ヘクタールを超える水田、畑、果樹園への灌漑用水の補給が可能となりました。
後川内ダムは5基のダムの一つとして1992年(平成4年)に竣工し、運用開始後は唐津市が受託管理を行っています。
総貯水容量は375万4000立米と5ダムの中で最大で全体貯水量の4割弱を担っています。
また貯水容量の大半を松浦川からの揚水に依存しており事実上の河道外貯留方式となっています。
 
後川内ダムは県道340号線沿いにあり、ダム湖は車道で周回することができます。
ダムの堤体は地図の赤線部分だけですが、上流面は青線全体がコンクリートで護岸されています。
 
ダム下から見上げると谷間を埋めるよう逆三角のロックフィルダムです
リップラップの草が伸び遠くからはアースダムのように見えます。
 
天端は車道。
 
天端から見たダム下流の眺め
ダム下の白い建屋は揚水機場。
 
右岸から
堤体は手前の洪水吐から奥の屈曲する部分まで。
右奥に松浦川から揚水された水路の吐口があります。
 
吐口をズームアップ
後川内川の集水面積はわずか0.5平方キロで、貯水の大半は松浦川からの揚水に依存している河道外貯留方式のダムです。
 
越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
洪水吐脇にある金箔仕様の竣工記念碑。
 
上流面全体がコンクリートで護岸され実際の堤体よりも大きく見えます。
総貯水容量は375万4000立米で上場土地改良事業で建設された5基のダムでは最大。
 
洪水吐をズームアップ
 
2544 後川内ダム(1441) 
佐賀県唐津市後川内
有浦川水系後川内川
42メートル
250メートル
3754千㎥/3734千㎥
唐津市
1992年

朝月溜池

2019-06-02 12:08:55 | 佐賀県
2019年5月24日 朝月溜池
 
朝月溜池は佐賀県唐津市湊町の橋本川水系橋本川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
東松浦半島は大半が上場台地と呼ばれる火山性堆積物で形成された台地となっており、水利に乏しく古くから灌漑用水は小河川や天水に依存し多数の溜池が作られてきました。
朝月溜池もそんな溜池の一つで、ダム便覧によれば朝月地区の事業で1929年(昭和4年)の竣工となっています。
ダム便覧では朝月溜池は『位置未確認』となっている一方経緯度が掲載されています。
しかしこの経緯度が示す溜池はダムの要件を満たしていません。
ダム便覧の拾泉舎さまのレポートで唐津市湊町と鎮西町八床に跨る二連の溜池のうち南西側の溜池が朝月溜池とほぼ確定していることから、ここを朝月溜池として訪問、見学しました。
 
地図の赤の部分が朝月溜池の堤体となります。隣接する溜池は十連溜池と言いどちらも朝月水利組合が管理しています。
 
下流面
時節柄草が伸びています。
 
右岸から
天端は車道で貯水池先に風力発電が見えます。
 
貯水池は総貯水容量25万2000立米。
 
上流面は石が積まれています。
ちょうど代掻きから田植えの時期で補給量が多いせいか水位が低くなっています。
 
堤体中央に尺八樋があります。
コンクリートが新しく、拾泉舎さまのレポートによれば2014年(平成26年)に改修が行われたようです。
 
貯水池左岸
この奥が洪水吐になります。
 
ちょっとわかりづらいですがこれが洪水吐。
 
洪水吐から溢流した水はこの隧道を流下します。
 
上流面を遠望
堤体はアーチ状に緩やかに湾曲しています。
 
朝月溜池(左)と十連溜を分ける道路
農作業をしていた方の話では両池は水のやり取りはなく、それぞれ別の受益者へと用水補給するそうです。
 
草が繁茂していたためダム下の底樋は確認すませんでした。
佐賀県ため池データベースでもここが朝月溜池であることは明白でが、いまだ便覧の経緯度および河川は誤った記載をしています。(令和元年6月2日現在)
速やかな修正をお願いしたいものです。
 
2513 朝月溜池(1440) 
ため池コード 412020091
佐賀県唐津市湊町
橋本川水系橋本川
16.1メートル
100メートル
252千㎥/227千㎥
朝月水利組合
1929年

打上ダム

2019-06-02 10:09:21 | 佐賀県
2019年5月24日 打上ダム
 
打上ダムは佐賀県唐津市鎮西町打上の潟川水系潟川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
佐賀県北西部の東松浦半島はその大半が上場(うわば)台地と呼ばれる火山性土壌によって形成された台地で、水利に乏しく古くから農地開拓は困難を極めていました。
1973年(昭和48年)より国営の『上場土地改良事業』が着手され2期にわたる事業の結果5基のダム、13箇所の揚水機場、延長77キロの幹線水路の整備が行われました。
同事業により松浦川から揚水された水が5基のダムに合計で1000万立米以上貯留され、新たに5000ヘクタールを超える水田、畑、果樹園への灌漑用水の補給が可能となりました。
打上ダムは5基のダムの一つとして1992年(平成4年)に竣工し、運用開始後は唐津市と玄海町で組織される一部事務組合である上場地域農業開発事業組合が受託管理を行っています。
打上ダムの総貯水容量は158万立米で全体貯水量の15%を担っており、また貯水容量の大半を松浦川からの揚水に依存しているため事実上の河道外貯留方式となっています。
 
打上ダムは鎮西スポーツセンターが目印となり同センター北側にダムがあります。
ダムの下流側から潟川に沿って廃道寸前の道を進むと堤体直下に出ます。
リップラップは覆土されており見た目はアースダムです。
 
右岸の洪水吐導流部。
 
ダム下の揚水機場
ちょっと廃墟感漂う雰囲気。
 
右岸から下流面
ロックフィルには見えませんねえ。
 
天端は車道になっています。
 
右岸の横越流式洪水吐。
ダム湖側には石が敷かれています。
 
総貯水容量は158万立米ですが 貯水率は目算で10%程度と言ったところですが大丈夫なんでしょうか?
奥は鎮西スポーツセンター。
 
洪水吐斜水路と減勢工。
 
金箔仕様の竣工記念碑
 
上流面。
 
2539 打上ダム(1439) 
佐賀県唐津市鎮西町打上
潟川水系潟川
36.1メートル
181.8メートル
1580千㎥/1430千㎥
上場地域農業開発事業組合(唐津市・玄海町)
1992年

藤ノ平ダム

2019-06-01 01:17:49 | 佐賀県
2019年5月24日 藤ノ平ダム
 
藤ノ平ダムは左岸が佐賀県東松浦郡玄海町驫木、右岸が同町長倉の有浦川水系有浦川上流部にある灌漑目的のロックフィルダムです。
佐賀県北西部の東松浦半島はその大半が上場(うわば)台地と呼ばれる火山性土壌によって形成された台地で、水利に乏しく古くから農地開拓は困難を極めていました。
1973年(昭和48年)より国営の『上場土地改良事業』が着手され2期にわたる事業の結果5基のダム、13箇所の揚水機場、延長77キロの幹線水路の整備が行われました。
同事業により松浦川から揚水された水が5基のダムに合計で1000万立米以上貯留され、新たに5000ヘクタールを超える水田、畑、果樹園への灌漑用水の補給が可能となりました。
藤ノ平ダムは5基のダムの一つとして2003年(平成15年)に竣工し運用開始後は唐津市と玄海町で組織される一部事務組合である上場地域農業開発事業組合が受託管理を行っています。
藤ノ平ダムの総貯水容量は357万5000立米と全体貯水量の約35%を担っており、また貯水容量の大半を松浦川からの揚水に依存しているため事実上の河道外貯留方式となっています。
 
佐賀県玄海町の県道47号から藤ノ平ダムが見遠望できます。
堤高58.4メートルのなかなか立派なロックフィルダムです。
 
左岸の洪水吐直下から
向かって右手に放流設備がありそこからの水路が減勢工に合流します。
 
リップラップは花崗岩が積まれています。
竣工当時は純白の堤体だったようですが、ずいぶん草が伸びています。
 
上流面も花崗岩が積まれています。
 
右から横越流式式洪水吐、管理事務所、斜樋。
 
ちょっと上流に移動し斜樋を正面から撮影。
斜樋はシャフトが7本もあります。
 
天端は車止めがあり車両は進入できません。
下流面だけじゃなく上流面や天端両側も草がかなり伸びています。
 
ダム湖は総貯水容量357万5000立米。
田植えシーズンを控え水位が低くなっています。水不足なのか?それとも田植えシーズンで補給量が多いので水位が低いのか?
 
洪水吐斜水路と減勢工。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
2002年(平成14年)竣工で上場土地改良事業で建設された中では最も新しいダムです。
ダム便覧には竣工直後の真っ白のリップラップの写真が掲載されていますが、今は上下流面ともにずいぶん草が伸びているのがやや残念。
 
2549 藤ノ平ダム(1437) 
左岸 佐賀県東松浦郡玄海町驫木
右岸 佐賀県東松浦郡玄海町長倉
有浦川水系有浦川
58.4メートル
296.2メートル
3575千㎥/3128千㎥
上場地域農業開発事業組合(唐津市・玄海町)
2002年

上倉ダム

2019-05-31 01:27:52 | 佐賀県
2019年5月24日 上倉ダム
 
上倉(あげくら)ダムは佐賀県唐津市肥前町新木場の田野川水系田野新田川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
佐賀県北西部の東松浦半島はその大半が上場(うわば)台地と呼ばれる火山性土壌によって形成された台地で、水利に乏しく古くから農地開拓は困難を極めていました。
1973年(昭和48年)より国営の『上場土地改良事業』が着手され2期にわたる事業の結果5基のダム、13箇所の揚水機場、延長77キロの幹線水路の整備が行われました。
同事業により松浦川から揚水された水が5基のダムに合計で1000万立米以上貯留され、新たに5000ヘクタールを超える水田、畑、果樹園への灌漑用水の補給が可能となりました。
上倉ダムはもともと当地にあった上ヶ倉溜を上場土地改良事業で再開発し1992年(平成4年)に上倉ダムとして竣工しました。
運用開始後は唐津市と玄海町で組織される一部事務組合である上場地域農業開発事業組合が受託管理を行っています。
また総貯水容量は80万4000立米と5ダムの中で最も小さくなっています。
 
ダムのすぐそばに風力発電機が並び、「ビュンビュン」という轟音が響いてきます。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
天端は車道。
 
天端からの眺め
直下の建物は揚水機場
風力発電の右手にわずかに海が見えます。
 
総貯水容量は80万4000立米で国営上場土地改良事業で建設された5基のダムの中では最小です。
 
ダム湖中央部は岬になっておりそこに斜樋があります。
 
下流面は草が伸び放題。
 
斜樋のある岬の反対側に円形越流式洪水吐があります。
 
右岸から見た上流面。
こちらにも風力発電があります。
 
対岸から見た洪水吐。
 
夏場ということで下流面や天端、斜樋周辺も草がかなり茂っています。
草が刈られた秋冬に来ればまた違った景色が広がるんでしょうね?
 
2547 上倉ダム(1437) 
佐賀県唐津市肥前町新木場
田野川水系田野新田川
19.6メートル
196.8メートル
804千㎥/793千㎥
上場地域農業開発事業組合(唐津市・玄海町)
1992年