ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

楯山溜池

2016-07-11 14:56:08 | 山形県
2016年7月10日 楯山溜池
 
楯山溜池は左岸が山形県寒河江市谷沢、右岸が山形県西村山郡大江町左沢の最上川水系楯山川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には大江町の事業で1950年(昭和25年)に竣工と記されており、現在も大江町が管理を行っています。
訪問時は楯山溜池への入り口がわからず右往左往、
朝日少年自然の家で場所を教えていただきようやくたどり着けました。
楯山溜池は朝日少年自然の家に隣接し、現地案内図には『ひょうたん沼』と表記され敷地内のキャンプ場から簡単に行くことができます。
 
朝日自然少年の家から歩いて10分ほど
溜池右岸に到着します。
 
池は寒河江市と大江町の境界線上にあり対岸は寒河江市、手前は大江町です。
受益農地は大江町にあり管理も大江町です。
 
右岸に洪水吐があります。
取水設備も探しましたが見つかりません。
たぶん草むらの中??
 
天端は朝日少年自然の家のアスレチックコースになっています。
 
標識は『ひょうたん沼』
 
左岸から。
 
総貯水容量2万3000立米の小さな溜池
ここからじゃわかりませんが池の形がひょうたん形のようです。
 
上流の国道や左岸の果樹園などからアプローチを試みたものの、いずれも池の手前で道は途切れ断念。
ダメもとで朝日自然少年の家で聞いたらあっさり到達できました。
 
0418 楯山溜池(0477)
ため池コード
左岸 山形県寒河江市谷沢
右岸 山形県西村山郡大江町左沢
最上川水系楯山川
18.6メートル
86メートル
23千㎥/23千㎥
大江町
1950年

白水川ダム

2016-07-11 12:58:19 | 山形県
2016年7月10日 白水川ダム
 
白水川(しろみずがわ)ダムは山形県東根市泉郷の最上川水系白水川にある山形県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、白水川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、約500ヘクタールのサクランボ果樹園地への灌漑用水の供給を目的として1990年(平成2年)に竣工しました。
また2015年(平成27年)には白水川ダム発電所(最大出力180キロワット)が完成し河川維持放流を利用した小水力発電が行われています。
 
東根市街から白水川に沿って市道を東進すると白水川ダムが見えてきます。
ダム下流は公園として整備され、芝生の広場にローラー滑り台などが設置されています。

堤高54.5メートル、堤頂長367メートルの横長ダム。
非常用洪水吐としてクレスト自由越流頂14門、常用洪水吐として自然調節型オリフィス1門を装備。
このほか河川維持放流用ゲートと灌漑用バルブ各1条を備えています。
ダム下の建屋は2015年(平成27年)に完成した放流設備を兼ねた小水力発電所です。


公園にある魚の車止め。
結構あちこちのダムで見かけます。


下流から。 
 
 
左岸から。
見た目華奢な堤体導流壁
 
残念ながら天端は立ち入り禁止。
 
上流から。
 
総貯水容量530万立米のダム湖
湖畔には公園や広場、キャンプ場が6カ所整備されています。
 
(追記)
白水川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0442 白水川ダム(0475)
山形県東根市泉郷
最上川水系白水川
FNA
54.5メートル
367メートル
5300千㎥/4600千㎥
山形県県土整備部
1990年
◎治水協定が締結されたダム

水窪ダム

2016-06-21 14:22:08 | 山形県
2016年6月18日 水窪ダム
 
水窪(みずくぼ)ダムは山形県米沢市万世町刈安の一級河川最上川水系苅安川にある灌漑・上水・工水目的のロックフィルダムです。
米沢平野に流入する河川はいずれも流域面積が小さく渇水による干ばつ被害多頻発し、灌漑設備の整備は農家の長年の悲願となってきました。
1968年(昭和43年)に農林省(現農水省)による国営米沢平野農業水利事業が着手されその灌漑用水源として1975年(昭和50年)に水窪ダムが竣工しました。
事業全体も1992年(平成3年)に完了し、米沢平野土地改良区管内約9000ヘクタールの農地に灌漑用水を供給するとともに、水道事業者として事業参加した山形県企業局を通じ米沢市に上水・工水を供給しています。
ダムの管理は山形県農林水産部が受託しています。
さらに2016年(平成28年)には利水放流を利用した水窪ダム発電所(最大出力798キロワットの小水力発電)が増設されました。
なお静岡県に同じ表記の水窪ダムがありますが、当ダムは『みずくぼ』、静岡は『みさくぼ』と読みが異なります。
 
国道13号線から県道232号線を西に進むとダム湖へ。
ダム湖にかかる水窪大橋から上流面を一望。
 
右岸上流側から
手前はインクライン
奥に管理事務所があります。
 
右岸下流面
 
桟橋に係留されたボートと取水設備。
奥に水窪大橋が見えます。
 
総貯水容量3100万立米は本州の農業用ダムとしては屈指のスケール。
目の前に広がるのはその一端にすぎません。
 
減勢工
柵が邪魔でこのアングルからしか撮れません。
 
洪水吐を挟んでロックフィルの堤体。
 
クレストは2門の青いラジアルゲート。
 
 
(追記)
水窪ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0437 水窪ダム(0466)
山形県米沢市万世町刈安
最上川水系苅安川
AWI
62メートル
205メートル
31000千㎥/30500千㎥
山形県農林水産部
1975年
◎治水協定が締結されたダム

蛭沢溜池

2016-06-21 12:59:22 | 山形県
2016年6月18日 蛭沢溜池
 
蛭沢(びるさわ)溜池は山形県東置賜郡高畠町安久津の最上川水系蛭沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
起源は江戸時代に遡り当初は2枚の上下池でした。
1949年(昭和24年)の県営事業で現在の蛭沢溜池が築造され。1994年(平成6年)に大規模な改修が行われました。ダム便覧ではこれを竣工年度としています。
総貯水容量200万立米超と本州の溜池として屈指の規模で、蛭沢川だけでは十分な集水ができないため山の東向こうの屋代川に宮下関頭首工を設け約1.4キロの導水路で集水しています。
現在の管理者は米沢平野土地改良区です。
 
国道113号からぶどうまつたけラインを北上すると蛭沢溜池が見えてきます。
 
6月にしてはきれいに整備された下流面。 
 
左岸の洪水吐。
 
横越流式洪水吐。
 
上流面には『びるさわこ』の文字と河童の絵が描かれています。
逆光でうまく見えません。
 
総貯水容量207万5000立米の貯水池。
 
右岸の取水設備。
 
ダムの下流には水田とぶどう畑が広がっています。
 
取水設備からの底樋樋門。
 
国土地理院地形図を見ると、山向こう東側の屋代川からの導水路が記載され、ダム便覧でも河川は蛭沢川ではなく屋代川となっています。
このことから、蛭沢溜池は主として屋代川の水を導水して貯水していることがわかります。
 
屋代川の宮下堰頭首工です
ここで取水して蛭沢溜池に送水されます。
 
取水はチロル式でこのバースクリーンから取水します。
 
蛭沢導水路の吐口。
 
石積みの擁壁は1949年(昭和24年)の築造当時のもの。
 
0415 蛭沢溜池(0465)
ため池コード
山形県東置賜郡高畠町安久津
最上川水系屋代川
23.5メートル(ため池データベース 24.2メートル)
190メートル(ため池データベース 240メートル)
2075千㎥/2075千㎥
米沢平野土地改良区
1949年

赤芝ダム

2016-06-13 12:47:00 | 山形県
2016年6月11日 赤芝ダム
 
赤芝ダムは山形県西置賜郡小国町玉川の一級河川荒川本流にある赤芝水力発電(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1954年(昭和29年)に東芝セラミックスの前身である電気金融(株)(のちの東芝電興業)によって同社小国製造所の精錬向け自家発電施設として建設されました。
2007年(平成19年)に東芝セラミックスが外資に買収されたのち、2010年(平成22年)に発電部門が赤芝水力発電として独立、現在はクリーンエネルギー事業を手掛けるリニューアブルジャパン(株)の傘下となっています。
赤芝発電所で最大5200キロワットのダム式発電を、1999年(平成11年)に増設された第2赤芝発電所で最大6000キロワットのダム水路式発電を行っています。
 
日本海東北自動車道の荒川胎内インターチェンジから関川に沿って国道113号を東に向かい、新潟から山形県に入ったすぐ先に赤芝ダムがあります。
上流から。
左は国道113号線のスノーシェッドです。
 
ダムへの道路は入り口で立ち入り禁止です。

ダムに隣接したて赤芝発電所。

国道から見下ろしますが、肝心のダムはうまく見ることができません。
 
さらに下流から
 
同じ場所からズームアップしますがこれが限界です。
ゲートや導流面を見ることはできませんでした。

よく見えないことは事前の予習で分かっていましたが、やはり見えそうで見えないのは少し残念です。
 
(追記)
赤芝ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0423 赤芝ダム(0442)
山形県西置賜郡小国町玉川
荒川水系荒川
31.8メートル
57.3メートル
2078千㎥/1632千㎥
赤芝水力発電(株)
1954年
◎治水協定が締結されたダム