ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

塩原ダム

2016-12-16 15:50:00 | 栃木県
2015年10月31日 塩原ダム
2016年12月11日 
 
塩原ダムは栃木県那須塩原市関谷の那珂川水系箒川上流部にある栃木県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、箒川および那珂川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、塩那台地地区1452ヘクタールへの灌漑用水の供給を目的として1978年(昭和53年)に竣工しました。
さらに2015年(平成27年)には河川維持放流を利用した日本工営傘下の工営エナジー塩原ダム発電所が稼働し、最大195キロワットの小水力発電を行っています。
なお、箒川には塩原ダムを跨ぐ形で東京電力箒川ダムと箒川発電所があり、通常は東京電力の発電用水は塩原ダムをバイパスする形で放流されています。しかし箒川ダムには洪水調節能力はないため、洪水時には同ダムは全門開放し塩原ダムが洪水調節を行います。
 
下図参照(塩原ダムパンフレットより)
 
 
県道30号から箒川沿いを遡上すれば塩原ダムに到着します。
観光名所の『もみじ谷大吊橋』がダム湖に架かっており、祝日などはダムサイトは吊橋を渡ってきた観光客で賑わうそうです。
右岸から(2016年12月11日)。
 
天端は途中から通行止め。
 
天端から。
紅葉の見ごろでなかなかの眺め、吊橋は残念ながら管理用で通行できません。
 
2度目の訪問時は東京電力箒川発電所が停止中で、箒川ダムの取水が行われていなかったことから、塩原ダムで河川維持用のバルブ放流が行われていました。
(2016年12月11日)。
 
インクラインとダム湖(2016年12月11日)。

下流からのビューポイントはなくゲートが見えるのは上流からのみ
クレストはラジアルゲートが1門
ラジアルゲートを挟んでコンジットの予備ゲートが2門あります。

ダムカードがバージョンアップされたので再訪しましたが、見学ポイントが乏しい塩原ダムです。
もりみず旬間の見学会ではダム下も解放されるそうなので、機会があれば参加してみたいと思います。

(追記)塩原ダムには576万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに最大147万8000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。

0570 塩原ダム(0031)
栃木県那須塩原市関谷
那珂川水系箒川
FNA
60メートル
240メートル
8760㎥/5760㎥
栃木県県土整備部
1978年
◎治水協定が締結されたダム


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