2022年10月22日 荒沢2号ダム(鍋越防災ダム)
荒沢2号ダムは岩手県八幡平市の馬淵川水系安比川左支流鍋越川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
安比川上流域は火山堆積物で形成された脆い地盤で『荒沢』という地名が示すように豪雨の際には土砂流出量が急増し下流域ではしばしば洪水被害が発生しました。
これを受け岩手県は1952年(昭和27年)に農林省(現農水省)の補助を受けた荒沢防災ダム事業を採択、安比川最上流部への3基の農地防災ダム建設が着手されました。
1960年(昭和35年)の荒沢3号ダム(白沢防災ダム)、1972年(昭和47年)の荒沢1号ダム(安比防災ダム)に次いで1989年(平成元年)に建設されたのが荒沢2号ダム(鍋越防災ダム)です。
当ダムの完成により事業着手から37年の年月をかけた荒沢防災ダム事業はようやく竣工に至りました。
1号~3号ダムは完成後は安代町が管理を受託、現在は町村合併により八幡平市が管理を引き継ぎ、安比川流域の農地防災を担っています。
なお、荒沢1号2号3号という名称はダムの位置によって振られた番号であり、建設順とは関係ありません。
安比温泉郷から鍋越川沿いのダートの林道を西進すると荒沢2号ダム下に到着します。
提体とともに洪水吐導流部、常用洪水吐からの吐口が一望できますが、ここから先はチェーンが掛けれら関係者以外立ち入り禁止。
洪水吐導流部をズームアップ。
今度はダム左岸高台の展望台に移動。ここからはダムを俯瞰できます。
手前は管理事務所ですが職員の常駐はありません。
展望台からダムサイトへと下ります。
ロックフィルダムですが、冬場の凍上を防ぐためリップラップには芝が張られています。
また提体には九十九折れの管理道路が続きます。
左岸から
手前は常用洪水となる放流ゲート、対岸には非常用洪水吐となる横越流式洪水吐があります。
天端は立ち入り禁止でしたが、草刈り作業のオジサンが『写真を撮るだけなら入ってもいいよ。』らっきぃ!
上記のようにロックフィル堤体には芝が張られ、九十九折れの管理道路が続きます。
防災専用ダムですが堆砂容量20万立米分が貯留されています。
放流ゲートをズームアップ。
平時は流入量はここから1枚目写真の右手トンネル吐口へ放流します。
右岸の洪水吐導流部。
右岸から下流面。
非常用洪水吐となる横越流式洪水吐。
(追記)
荒沢2号ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
0242 荒沢2号ダム(鍋越防災ダム)(1888)
岩手県八幡平市大字なし
馬淵川水系鍋越川
F
R
45.5メートル
246.6メートル
899千㎥/690千㎥
八幡平市
1989年
◎治水協定が締結されたダム
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