ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

宇奈月ダム

2016-09-25 23:47:37 | 富山県
2016年9月17日 宇奈月ダム
 
豊富な水量と急流が続く黒部川は戦前から電源開発が進められ、戦後は日本の土木建築の一大巨頭となる黒部ダムの建設でそのピークを迎えます。一方、治水については電源開発に比べて立ち遅れたままで豪雨のたびに流域に大きな洪水被害をもたらしてきました。
1969年(昭和44年)8月の豪雨により黒部川流域では壊滅的な被害が発生、これを受けて建設省北陸地方建設局は『黒部川水系工事実施基本計画』を改定しダムによる洪水調節を計画、2000年(平成12年)に宇奈月温泉直上の黒部川本流に竣工したのが宇奈月ダムです。
宇奈月ダムは黒部川の洪水調節、富山県東部地区への上水道の供給を目的とするほか関西電力宇奈月発電所で最大2万キロワットの発電を、宇奈月ダムを逆調整池として関西電力新柳河原発電所で最大4万1200キロワットの発電を行っています。
 
上流の浸食が進む黒部川では堆砂が大きな問題で、上流にある関西電力出し平ダムと連携して排砂を行うため、宇奈月ダム左岸には排砂専用のゲートが2門設置されています。
 
北陸道黒部インターから県道黒部宇奈月線で宇奈月温泉へ向かい、温泉手前で宇奈月ダムの標識に従い左に道を進むと宇奈月ダム右岸の駐車場に到着します。
まずは天端を歩いてみます。
 
ダムの下流
右手は関西電力宇奈月発電所、すぐ下流に宇奈月温泉街が続きます。
 
 
ダム湖(うなづき湖)
ダム湖に架かる想影橋。
 
橋の袂にはインクライン。
 
右岸下流から。
 
ダム直下への遊歩道は蜂の巣があるため通行止め、下流からはこれが限界。
 
右岸上流から
複雑なゲート群に加えて山留めも特徴的。
 
左岸側の2門が排砂ゲート。
 
うなづき湖畔にある関西電力新柳河原発電所。
西洋風城郭をモチーフにしたデザイン。
 
恰もライン川沿いのロマン風城郭の様です。
ちょうど黒部峡谷鉄道のトロッコ電車が通過しています。
 
追記
宇奈月ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0873 宇奈月ダム(0561)
富山県黒部市宇奈月町内山
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
黒部川水系黒部川
FWP
97メートル
190メートル
㎥/㎥
国交省北陸地方整備局
2000年
◎治水協定が締結されたダム


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