ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

重井田ダム

2019-05-28 11:00:51 | 長崎県
2019年5月23日 重井田ダム
 
重井田ダムは長崎県大村市の郡川水系佐奈川内川上流部にある防災目的のアースフィルダムです。
農林省(現農水省)の補助を受け1973年(昭和48年)に着手された長崎県の農地防災事業により1983年(昭和58年)に竣工しました。
運用開始後は大村市が受託管理し、佐奈川内川流域の農地190ヘクタールの農地防災を目的としています。
 
佐奈川内川に沿って東に進むと重井田ダムが見えてきます。
堤高41メートルのアースの堤体にはちょっと不釣り合いな巨大な洪水吐。
洪水吐は近年改修され、白さが一段と映えています。
 
左岸の竣工記念碑
文字が金箔仕様です。
実は長崎や佐賀の竣工記念碑の大半は文字が金メッキされています。
これはもともと中国の明や清の時代の風習で、大陸との玄関口だった当地でも中国の影響で石碑の文字が金メッキされるようになったそうです。
長崎、佐賀では記念碑のみならず墓石の文字なども金ぴかのものが多く見られます。
 
洪水吐と上流面。
 
草が生えていてよく見えませんが上流面はロック材で護岸されています。
 
天端は車両通行可能。
 
洪水吐導流部と減勢工
彼方に大村湾が望める『海が見えるダム』です。
 
横越流式洪水吐。
 
天端からの眺め
大村湾から対岸の西彼杵半島まで見えます。
高架橋は長崎自動車道。
 
有効貯水容量63万4000立米すべてが洪水調節容量となるため普段は貯水されません。
 
この斜樋が常用洪水吐となり、普段は流入量をそのまま下流に流下させます。
 
(追記)
重井田ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
2627 重井田ダム(1429)
長崎県大村市野田町
郡川水系佐奈川内川
41メートル
170.6メートル
676千㎥/634千㎥
大村市
1983年
◎治水協定が締結されたダム


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