ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大多武溜池

2019-05-28 12:48:31 | 長崎県
2019年5月23日 大多武溜池
 
大多武(おおたぶ)溜池は長崎県大村市東大村の鈴田川水系鈴田川右支流(河川名未確認)上流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
長崎・佐賀県境をなす多良岳山麓には大河がなく、古くから小河川上流部を堰き止めた谷池が各所に作られてきました。
大多武溜池もそんな溜池の一つで、ダム便覧には大多武開拓農協の事業で1944年(昭和19年)に竣工と記されています。
現在は受益者で組織される『大多武ため池水利組合』が管理を行っています。
 
なおダム便覧では堤高17.5メートル、堤頂長157.5メートルと記されていますが、2020年(令和2年3月)に作成された長崎県のため池データベースでは堤高13.7メートル、堤頂長149メートルとなっています。
データベースのスペックを採用すると、大多武溜池は河川法上のダムの要件を満たさなくなります。
 
大村インターから大村レインボーロードを南下、三石バス停で立体交差する市道に入り進路を右手に取ると右手に中澤病院が現れます。
病院のすぐ先が大多武溜池となります。
堤体は犬走りを挟んで2段構成、堤体直下に太陽光パネルが並びます。
 
左岸の洪水吐導流部。
 
市道から天端に続く細い分岐が分かれます。
写真のガードレールは洪水吐に架かる橋部分です。
なお溜池左岸には某新興宗教の事務所があり、間違って敷地に入ると面倒なことになりそうなのでご注意を。
 
左岸から下流面
堤体は春に草が刈られたようで、草ボウボウと言った感じではありません。
ダム下には太陽光パネル、左奥の建物が目印となる中澤病院です。
 
上流面はコンクリートで護岸されており、堤体ほぼ中央に斜樋があります。
 
洪水吐導流部。
この下が上から2枚目の写真となります。
 
横越流式洪水吐。
 
総貯水容量は24万8000立米
ちょうど田植えシーズンに入ったところ補給が多いせいか水位が下がっています。
貯水池直上にも姥ヶ懐池というため池がありますが、管理者は異なっています。
奥に見える山は多良岳主峰です。
 
斜樋の操作建屋と言うか小屋。
 
斜樋。
 
ダム便覧では位置未確認となっていますが、大村市のハザードマップでは当池が大多武溜池となっているので間違いないと思います。
ハザードマップおよびため池データベースでは堤高が13.7メートルとなっておりこれが正しければ当池はダムではなくなります。
一方大多武溜池上流の姥ヶ懐池の堤高が15.1メートルとなっており、こちらは新規にダムに採用される可能性があります。

2602 大多武溜池(1430)
ため池コード 422050016
長崎県大村市東大村
鈴田川水系鈴田川右支流
17.5メートル(ため池データベース13.7メートル
157.5メートル(ため池データベース149メートル)
247千㎥(ため池データベース248千㎥)/247千㎥
大多武水利組合
1939年


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