2017年9月18日 油木ダム
油木ダムは福岡県田川郡添田町津野の今川水系今川上流部にある福岡県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、県のダム事業に水源確保に迫られていた北九州市や行橋市・苅田町が水道事業者として参加し、今川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、北九州市上下水道局および行橋市・苅田町への上水道用水の供給、京都地区工業地帯への工業用水の供給を目的として1972年(昭和47年)に竣工しました。
また1996年(平成8年)には北九州市上下水道局へ送水する油木導水路を利用した北九州上下水道局油木発電所が設置され最大780キロワットの利水従属発電が開始されています。
油木ダム運用開始後も福岡県北東部のいわゆる豊前地域では慢性的な水不足が続き、取水制限が頻発しましたが、2017年(平成29年)の伊良原ダム完成によりようやく安定した水道供給が可能となりました。
油木ダム右岸を県道418号線が通っておりアプローチは簡単です。
下流から
ゲートはクレストのラジアルゲート2門だけ、オリフィスやコンジットはありません。
右岸から。
右岸にはダム下へ向かう管理用モノレールが設置されています。
左岸の艇庫とインクライン。
天端
上下流面ともにフェンスが設置されています。
古い福岡県営ダムではおなじみですが、高欄が低いことによる事故や不法投棄対策のようです。
減勢工と利水放流設備。
利水放流設備に減勢池があるのも福岡県営ダムで多く見られる特徴。
ダム湖はとくに名称はなく、総貯水容量は1820万立米
訪問時はまれにみる渇水で水位が非常に低くなっています。
左岸から
対岸に管理事務所があります。
上流面
ラジアルゲートが2門
北九州向けと京築地域向けの2つの取水設備があります。
異常渇水のせいでダム湖上流では水没した橋や橋脚が姿を見せています。
台風通過直後の訪問でしたが、水不足解消には全く役に立たなかったようです。
なお油木ダムが一昨年11月から始めたダム巡り、通算1100基目のダムとなりました。
追記
油木ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
2422 油木ダム(1100)
福岡県田川郡添田町津野
今川水系今川
FNWI
G
54.6メートル
218メートル
18200千㎥/17450千㎥
福岡県県土整備部
1971年
◎治水協定が締結されたダム
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